乱読報告ファイル(53)をフォローしました (大学クラスメート 飯田武昭)

菅原さん紹介の「蝶と人と美しかったアフガニスタン」(尾本恵市著)を読み終えました。内容と本著の刮目点は菅原さんの紹介文(7月2日ブログに掲載)が全てを網羅していますが、私が特に興味を持ったのは以下のような点です。

1 著者が人類学者として1960年代初めにドイツ・ミュンヘンに留学していた頃の楽しかったことが記述された部分があること(丁度、同時期に私も南ドイツのローテンブルグに3か月生活して北のハンブルグと合わせて1年間海外研修生活をしていた)。

2著者はその後は、本人曰く、偶然と幸運に恵まれて、ワイアットという蝶の収集家としては著名人だが結構な変わり者の誘いで1年間ほど幻の蝶アウトクラトールというアゲハ蝶の仲間の採集に、アフガニスタン首都のカーブル(カブールではないらしい)から4000m越えのヒンドゥークシュ山脈へ登る紀行が綴られている。(この標高の山脈は森林限界を超えているのかで、殆ど草木はない赤茶けた瓦礫の山や砂漠の風景など、綺麗な写真が沢山掲載されている)

3 文章は蝶の学術的な部分もあるが読みやすく、何故かな~と思ってみたが、著者のあとがきに、下記のような記述がありました。【自然史の研究者がすぐれた紀行本をものしている。ダーウインの「ビーグル号世界周航記」や、ウオーレスの「マレー諸島」(宮田彬訳は700頁)でよく知られている。

菅原さんの感想文に、著者の素晴らしい体験(を1960年代)を何故、今頃(2023年8月発行)になって、 書物に纏めようと考えたか?その点は私も不思議に思いましたが、著者はそのことには何も触れていません。 大変、面白く読める読み応えある著書でした。菅原さん、ご紹介ありがとうございました。