舞子 と 芸妓     (41 斎藤孝)

京都の芸者に囲まれて至福の一時だった。「芸者」というコトバしか知らなかった。「舞子」と「芸妓」に分けられてそれぞれ違いがある。82歳の老人なってやっと芸事の伝統世界を理解できた。

煌びやかな京踊りの夜。京都には「花街」と呼ばれる区域がある。「先斗町」や「祇園」は歌で知っていたが行ったことがなかった。花街で芸妓遊びするという優雅な時間は持てなかった。そもそも「京踊り」なるものも良く分からない。

2025年1月26日は生まれて初めて「京踊り」を見に行った。正式には、「北野踊り」という。別名、「上七軒をどり」と呼ぶ。「おどり」でなく「をどり」と書く。場所は、「北野天満宮」の近くにある「上七軒歌舞練場」。本番の公演は3月から始まる。その練習舞台を見物できたのである。

三味線の音色と小太鼓の音、そして気品ある粋な小唄。島田髷・黒裾引きに揃えた「芸妓」と色とりどりの鮮やかな衣装の「舞妓」がそれに合わせながら踊る。服装や髪形の違いから「舞妓」と「芸妓」を見分けることができた。