ワールドシリーズまでの僅かな期間を使って尾道(広島県)に2泊3日で行ってきました。ツーリングやサイクリングで尾道から四国の今治までの≪しまなみ海道≫が人気ですが、車の免許証も自転車も放棄した今となって、昔は漁業で栄えた尾道へ出かけた今回の旅の目的は、何となく気になっていた街という程度のものでした。
とは言え、瀬戸内の海岸線に迫る小高い山(千光寺山)の頂上にロープウエイで登り、四国を臨む島並の景色を堪能し、徒歩で下る≪文学の小道≫には岩石に刻まれた芭蕉や林芙美子の句碑が見られ、志賀直哉旧居もある急坂を転げるように下りて、海岸線に続く昭和一桁の面影さえある商店街を小一時間歩くだけで、日常とは違った穏やかな気持ちが味わえました。
取り分け楽しめたのは2つの美術館で、一つはフェリーで出かけた生口島(瀬戸田)にあるこの島で生まれ育った平山郁夫美術館で「敦煌月光」などの名画をゆっくりと鑑賞できました。もう一つは、なかた美術館が所蔵するフランス現代美術家ポール・アイズピリ(1919~2016)とピエール・クリスタン(1932~)のそれぞれ10点程とユトリロ、シャガール、ピカソなどの数点の絵画です。
私事ですが、私がドイツに駐在していた1970年代に出張で度々出かけたパリのオペラ座近くの画廊で偶々見かけたアイズピリの絵画の色調が大変気に入り、その後もパリに出張の度に画廊に立ち寄った画家の絵で、日本ではためなが画廊(東
京・銀座&大阪・京橋)が可なりの数を所蔵していてよく観に行きます。なかた美術館は瀟洒な建物ですが、部屋ごとに小さな階段で段差を付けるなど観賞し易い環境で美しい内庭を臨みながらケーキセットを頂くゆたりした時間が何とも良かったです。この日は午前9時半頃から昼前まで、我々二人だけという閑散振りも珍しい時空間でした。
もう一つ、尾道ではうっかりすると毎食のように尾道ラーメンを食べる羽目になることがあると感じました。それに気付いた私たちは、ランチに尾道ラーメン、浪漫珈琲店でピッザア、ホテル・レストランでかつカレー、夕食は尾道WARFで魚料理、割烹料理でおばんざいと海鮮丼を味わうことが出来ましたが、うっかりすると多くの店が曜日によって閉まっていたり休業していたりで、やたらに多い尾道ラーメン店が時に並んで待っている状況でした。
スナップ写真を添付しますのでご笑覧ください。浪漫珈琲店の窓越しの1枚は映画のラストシーンに使えるかな~?と思ってシャッターを切りました。(保屋野)相変わらずの活発な行動、良い旅をされたと思います。素敵な写真ありがとうございます。
尾道は20年ほど前に行きましたが、千光寺からの「尾道水道」は絶景ですね。
また私は、千光寺から尾道水道に連なる民家の瓦の美しさに感動した記憶もあります。
しまなみ海道の「平山郁夫美術館」も行きましたが、一度行きたかった刀剣で有名な「大山祇(おおやまずみ)神社」も良かった記憶があります。
(安田)いつもお元気でご旅行に勤しまれる飯田さんは、お手本のような方です。訪問記と素敵な写真ありがとうございます。
山陽新幹線がまだ開通していない‘60年代、出身地の九州と東京間を国鉄の在来線を利用して往復していました。尾道は幾度となく通過したのですが、立ち寄ったことがないのを悔いています。列車の中から, 山が迫り瀬戸内海を望む風光明媚な風景を眺めていました。比較的最近BSで放映された映画「東京物語」「放浪記」でも尾道の風情が感じられて、ほっとさせられました。美術館など見どころ満載ですね。
(編集子)平山郁夫美術館は北杜市、JR小海線甲斐小泉駅に隣接して建てられています。美術館などあまり行かないのですが、文中にある小アジア滞在中の作品はなんとなく広々とした気持ちになれるので、何度か行っています。拙宅から徒歩で15分くらいで行けます。
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