近本は盗塁王か?

そもそもの話:

(中司)新聞にセリーグの個人タイトルが載っています。ひとつわからない点があるんで(読み方が悪いのか比較方法が悪いのか、それとも)教えてください。

盗塁王の近本ですが、19個で最多? 片方で50を超える人がいるのに?
(菅原)これが、メジャー・リーグ(59)と日本(19)の差です。
(中司)ふーん。G九連覇のころ、柴田なんかはいくつくらいだったの?
(安田)それにしてもセリーグ盗塁王19は少ない。近本は足が速いだろうに。全球団進塁する意識の欠如に唖然とするばかり。

(菅原)Wikipediaによると、1967年、赤手袋の柴田勲の盗塁は70!大谷も顔色なし。

(下村)小生、野球中継はまったく見ませんが「球辞苑」という番組はよく見ています。素人にはこれがとても面白い。この番組によると野球選手は頭が良くないと務まらないということがよくわかります。対戦相手の全選手のクセやどのような時にどのような動きをするかなどを記憶する力、相手の心理状態を読み取る推理力など。 囲碁や将棋の棋士は対戦したときの布石などをすべて覚えていると聞きますが、これとまったく同じなのですね。

 昨日は大谷の完敗、ダルビッシュの完勝でしたが、ニュースでも紹介されていた通り、ダルビッシュは投球ごとに投げる球種はもちろん、間合いの取り方、球速の緩急などありとあらゆることに頭脳を巡らせて投球していたとのことです。

 過去の「球辞苑」によると、例えば3ボール・2トライクでフルカウントになったときにどのような球を投げるか。対する打者の過去のフルカウント時の対応を思い起こして球種や球速を決めていると。「球辞苑」ではこれをキャッチャー場合、併殺を狙う場合のショートやセカンドの場合、併殺されそうになった選手の場合など各球団の各選手のノウハウが披露されており、過去の数値データとつき合わせながら紹介されています。もっとも企業秘密的なこともありますから、すべての手の内を晒すようなしゃべりはないでしょうが・・・。

因みにかつて100mを10秒台で走る陸上選手をピンチランナーに起用したことがありましたが、ある解説者は早く走れるだけではダメだ、陸上競技は「用意、スタート」のシグナルがあるからスタートを切るのは簡単、野球では投手のクセや投球フォームなどを頭に入れて自分でスタート時点を決めなくてはならないから難しさがまったく違うと。野球も奥が深いですね。

(保屋野)貴兄から野球談議が聞けるとは・・・幅広い関心に感心。盗塁に関して、改めてネットで調べました。メジャーでは、リッキー・ヘンダーソンが1406でトップ(シーズンでは130で2位。1位は1887年ニコルの138)日本では福本の1065がトップ(シーズンでも106とトップ)

日本のプロ野球は、盗塁はもちろんですが、ホームランも少なく、非力なバッターが目立ちます。大昔の、西鉄「豊田・大下・中西」、巨人「王・長嶋」、阪神「バース・掛布」の時代が懐かしい。このままだと、第二の(魅力ない)「男子ゴルフ」となってしまうのでは。なお、シモさんの「100m10秒台の選手」とは飯島のことだと思いますが、確かに100mを10秒で走る彼が成功しなかったのが不思議です。

(安田)近本以前の盗塁王最低盗塁数は、1994年横浜の石井拓朗の24。福本・広瀬・柴田は皆、全盛期が1960年代から70年代の選手(福本は’80年代後半まで)。明らかに盗塁数は年と共に漸減しています。今年のセリーグ近本の19は酷すぎる。パリーグはソフトバンク周東選手の41。最低でも40~50を達成しないと、盗塁王には相応しくない。

強肩のキャッチャーが増えたとはとても思えません。相対的に韋駄天の足の速い選手が急に激減したとも思えません。理由を勝手に考えますと、ピッチャーの牽制とクイック投法更にキャッチャー送球の向上、チームの戦術上盗塁の重要性が減った。そして韋駄天も相対的に少なくなった。近本にしても昔の列挙した韋駄天選手に比べると足は存外速くないのかも。
(飯田)大リーグの大谷選手の盗塁成功率の高さは脅威的ですが、見る方としてはあまり成功率が高いと塁上でのクロスプレイ(ビデオ判定クラス)が少なくなり、興趣が低下することもあるのではとも思います。広島カープの2塁手菊池涼介選手の絡むクロスプレーは芸術的で見応えがあります。

大リーグの昨年辺りの規約変更も盗塁数の増加に関係していると、数カ月前にテレビで解説を見た記憶があります。ピッチャーが投球までの15秒以内のピッチロック、牽制球は2回まで、それと塁ベースのサイズが少し大きくなったこと。この3つ共にランナーには有利に働いているようです。

塁ベースのサイズが大きくなれば、塁間の距離も若干とは言え短くなる上に、塁に身体が触れる面積も広くなるので走りやすいのでは・・。イチロー選手が現在大リーグで活躍していたら、多分、大谷選手にシーズン盗塁数の日本人記録は破られず、もっと記録を延ばせたのではとも思います。

(編集子)小生の小さな疑問でこれだけ話が弾むとは。要は暇なんだ、みんな。
ま、とにかく阿部Gが優勝したし、細かいこたあ、いいか。
来年はリーグ1位、戸郷20勝、秋広30本、浅野40盗塁、締めに岡本50本、この1-2-3-4-5で行こう。
(この話題には関係ないが、先日新聞にでた侍Jのメンバーに村上がいないようだけど、これはなんで?)