エーガ愛好会(258) OKコラルの決闘を題材にした映画 (34 小泉幾多郎)

今回の小泉リポートに先立って、ウイキペディアから基礎知識を得ておこう。

OK牧場の決闘は実話ですか?
アメリカ西部劇ファンなら誰もが知っているOK牧場の決闘。 映画やドラマにもなった有名な実話です。 その決闘が行われた歴史的な場所がTombstone(トゥームストーン)。 アメリカ合衆国アリゾナ州南東部に位置するコチセ郡の都市で、かつては銀山の町として栄えました。

トゥームストーンTombstone)は、アメリカ合衆国アリゾナ州南東部に位置するコチセ郡都市。かつては銀山の町として栄え、その人口はサンフランシスコをしのいだ。しかし銀鉱が掘り尽くされると町は急速に衰え、2006年の推計では人口1,569人にまで減少した。現在では町全体が国の史跡に指定され、西部開拓時代の辺境の町の町並みを残す「生きた博物館」として観光客を集めている。日本では、ツームストーンとも表記される。

ブート・ヒル墓地(Boot Hill Graveyard)は、トゥームストーンが繁栄していた時期に暴力、または病気で亡くなった人たちが眠る墓地である。この墓地はトゥームストーンでリンチにあった、もしくは死刑を受けた者(人違いで死刑になった者もいるとの解説が墓地内にある)の行き先でもあり、死者が履いていたブーツが墓碑(簡素な木製のもの)に掛けられたことから、この名が付いた。

1881年にトゥームストーンで起きた暴力事件の代表とも言え、何度も西部劇映画の舞台になった「OK牧場の決闘」(牧場ではなく「O.K. Corral」といい、牛の囲い)が起きた場所も史跡として残っている。同史跡は見学料を課しているが、市のメインストリートであるフレモント通り(州道80号線)からその大部分を見ることができる。

(小泉)相変わらずNHKBS1では再放映が多い中、3月6日TV東京で、西部劇「トウームストーン」が放映された。そのアリゾナ州トウームストーンのOKコラルでの決闘を題材にした映画を列挙してみた。因みに,コラルとは牛等の囲い込み場のこと。

先ず第一は、監督ジョン・フオード、主役のワイアット・アープ(以下W)をヘンリー・フォンダ、ドク・ホリデイ(以下D)をヴィクター・マチュアが演じた「荒野の決闘いとしのクレメンタイン1946」。この原作はスチュアート・N・レイクで、この作品の前に「国境守備隊1934」(未見)監督ルイス・セイラー、W:ジョージ・オブライエン、D:アラン・エドワーズとして映画化され、更に「ロンティア・マーシャル1939」が監督アラン・ドワン、W:ランドルフ・スコット、D:シーザー・ロメロの主演で、詩的情緒は少ないものの、女性陣もチワワ:リンダ・ダーネルがジュリー:ビニー・バーンズ、クレメンタイン:キャシー・ダウンズがサラ:ナンシー・ケリー等。劇中劇のシェークスピアのシーンも同様にあったが、Dは決闘前に殺され,相手がクラントン一家ではなかった等の違いはあったが、筋書きは原作が同じだからそっくりで、「荒野の決闘」は3回目の映画化ということになる。

の後、元大統領ロナルド・レーガン主演でリメイクされた「決闘の町1945」(未見)もあるという。「荒野の決闘」以降では、最後の場面で、Dの肺病が悪化し療養中、Wが見舞い、クレメンタインとの離別とは、また違った哀愁漂うラストになっている

決闘シーン等西部劇の醍醐味を満喫させて呉れたのは、監督ジョン・スタージェス、w:バート・ランカスター、D:カークダグラスの「OK牧場の決闘1956」、女優陣はローラ:ロンダ・フレミングとケイト:ジョー・ヴァン・フリート。あまりに史実と違った講談調を反省した監督ジョン・スタージェスは、史実に近づけようと「墓石と決闘1967」として再映画化した。W:ジェームス・ガーナー、D:ジェースン・ロバーツで、男優だけの出演でリアリズムを強調した。これ以降も制作されたが、史実に忠実に、の意欲が溢れてか、作りがニューシネマ的な作りになってきている。

ドク・ホリディ1971」監督フランク・ペリー、W:ハリス・ユーリン、D:スティシー・キーチ、ケイト:フェイ・ダナウエイ等。Wは冷徹な野心を持つ政治家であり、Dと共に富の獲得に重きを置き、ケイトは自己主張の強い女性として描かれる。決闘ではショットガンを使い相手を皆殺しにする。「トウーム・ストーン1993」監督は、ジョージ・P・コスマトス、W:カート・ラッセル、D:ヴァル・キルマー等。 OKコラルでの決闘よりもその後のリンゴ―・キッドやカーリービル・ブロシャスとの戦い、悪徳集団カウボーイの残党との戦いに重きが置かれ、最終的に誰が誰を殺したか判らなくなってしまう程の殺し合いで終わる「ワイアットアー1994」はヤングWの過去を知ることになることを含めて伝記的に描かれる。従来のフィクション的な描き方から見るとどうしても、人格的な生き様が尊敬すべきものだけでないものになってしまうのだった。

(編集子)外国観光にはあまり興味がない小生だが、もし健康が許せば訪れてみたい処が2か所ある。一つは第二次大戦の帰趨を決めたノルマンディ上陸作戦の激戦地オマハビーチとこの小泉リポートに触れられているトウムストーンである。フォード映画ででてくるモニュメントヴァレーはコロラドからラスヴェガスまで猛暑の中をドライブしたときにゆっくりと堪能してきたし、アイダホ州ボイジーではオレゴンとレイルに残されたわだちもも眺めてきたのだが、このセーブゲキファンの聖地にはまだ縁がない。

小生のベストフィルムである 荒野の決闘 で最も印象に残っているのは、”映画史上最も美しいラストシーンー左” もそうだが、ヴィクター・マチュアのドク・ホリディだ。そのほかでは大根扱いされているマチュアだがこの映画だけは違う。この作品では銃撃戦のさなか、持病がせき込み、取り出した白いハンカチが標的になって被弾し、柵の間から最後の一発を撃って倒れる(このカットに続いて、その柵に腰掛けたままで、逃走しようとするクラントンを射殺するワード・ボンドのファンニングが見事だった)。OK牧場の決闘ではドクをカーク・ダグラスという全く違ったキャラクタが務めるのだが、史実どおりコロラドの療養所で死ぬ。その直前におとずれるバード・ランカスタとのエンディングになるのだが、僕の好みではやはりフォード流の最期のほうがいい。もうひとつ、トウムストーンではヴァル・キルマーが演じたホリディが、クールで人生を投げてしまった男の印象を深く刻み込んだ。こういう点では 墓石と決闘 は詩情に欠ける気がするし、ワイアット・アープ では英雄視されないアープを演じたケヴィン・コスナーがもひとつさえない印象だったのが残念。ただ、史実には一番近い描写のだそうだが。

主題歌では My darling Clementine (荒野の決闘)もいいが、OK牧場の決闘のテーマ曲 Gunfight at the OK Corral を歌ったのがフランキー・レイン。この歌詞に上記したブーツヒルという地名も出てくるのがうれしい。彼のもう一つのヒットは ローハイド のテーマ。”真昼の決闘” の主題曲 ”ハイ・ヌーン” (歌手はテックス・リッター)と並ぶ名曲だ。

(小泉)「荒野の決闘」が、「国境守備隊」「フロンティア・マーシャル」に継ぐ3回目の映画化と書きましたが、これはスチュアート・N・レイク原作の3番目で、別に、W・R・バーネット原作のものがあり、これを原作にした映画「死の拳銃狩Law and Order 1932」エドワード・L・カーン監督、ウヲルター・ヒューストン主演が、ワイアットアープ(映画の中ではフレーム・ジョンソンという名前)を主役にした史上最初の映画ということが判明しました。その「死の拳銃狩」のリメイクが「決闘の町Law and Order1953」になります。ロナルド・レーガンのほか、gisanのお好きなドロシー・マローンも出演しています。尚ランドルフ・スコット主演の「フロンティア・マーシャル」は、偶々購入した西部劇パーフェクトコレクション(復讐の荒野)の中にありましたので、お送りいたします。