今度は帯状疱疹についてです  (普通部OB 篠原幸人)

9月5日、私も遂に第1回目の帯状疱疹不活化ワクチンを打ちました。筋肉内注射です。やはり高齢になってからの帯状疱疹は怖いからです。しかし、コロナのワクチン接種の時は何の副反応も起こらなくて,効いているのかと心配だった私が、今回は接種翌日に早朝テニスしたのが良くなかったのか、接種部位(テニスのことを考えて左腕に打ったのですが)の発赤・熱感・圧痛があり、体温も36.8℃に上昇(平熱は36.1~36.2℃)。熱は1日ですぐ下がったものの、注射部位の熱感と圧痛は3~4日以上続きました。まあ軽い副反応ですね。しかし仕事や日常生活・運動には何の支障もありませんでした。今後、接種する人はこのぐらいの副反応は覚悟しておいてください。

 

何故、そんな副反応を我慢して(たいした副反応ではありませんが)、しかも自腹を切って、帯状疱疹ワクチンの接種をしたかの理由をお話ししましょう。

 

子供に感染する「水ぼうそう(水疱瘡)」というウイルスの病気があります。これに一度でも感染すると、背骨の近くにある神経の塊(神経節)にそのウイルスはズーと潜んでいることが多いのです。静かに潜んでいるだけなら問題ありませんが、加齢・ストレス・過度の疲労・抗がん薬の使用などで貴方の体力・免疫力などが落ちた時に、チャンスとばかり一気にウイルスが増殖を開始することがあるのです。

50歳過ぎると、特に女性は、無論男性も、発症の危険があります。またお孫さんなどから改めて直接移ることもあり得ます。あるデータでは70歳以上の日本人の1/3はこの病気に罹るとか。そして最近、特に増えていることは確実です。

 

症状は、最初は紅色のポツンとした胸や背中、腕などの出来る発疹ですが、放置するとアッという間に発疹は拡がります。我慢できない痒みと痛みがあり、水疱(小さな水ぶくれ)が発疹の中にみられることもあります。その水泡の中にはウイルスが詰まっている可能性があります。この水泡に触れても、或いは飛沫感染も、また体液や物品を介しての感染もあり得ます。

さらに厄介なのは、発疹がはっきりしなくても、神経痛(肋間神経痛・腹痛・上腕痛・顔面痛など)だけの症状も出ることです。目の近くの感染で失明したり、あるいは難聴や排尿・排便障害が起こることもあります。

 

その予防がワクチンです。ワクチンは2種類、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。発症予防効果は前者が50~70%、後者は90~97%と言われていますから、後者を私は選びましたが。不活化ワクチンは高額でかつ2回も接種しなければならないのが欠点です。費用は医院によって多少異なりますが、平均すると前者で8000円から1万円、後者で2万円前後(後者はそれを2回、すなわち4万円です)。

しかし、50歳以上の方なら、お住まいの都道府県によっても違いますが、ワクチン接種に補助金が出るところが多いようです。ちなみに私の住んでいる東京都港区では前者で6,500円、後者では1回あたり15,000円の補助がでますから、後者で2回打っても10,000円前後の持ち出しで済みます。一方、ある方の話では横浜市では補助金がでなかったとか?

まあ、港区は区民税がバカ高いからね。この点は、お住まいの区市町村の保険機関に注射を申し込む前に必ず問い合わせて、必要書類を貰ってください。

 

発症してしまったらどうするかって? なるべく早く、皮膚科の先生に相談することです。早めの診断と対応が必要で、抗ウイルス薬の内服・点滴などあります。しかし、皮膚科の先生の中には発疹の治療だけに気を取られ、神経痛などの合併症には気を使われない方もいるのでご注意を!! 読者に皮膚科の先生が居られたら、ごめんなさい。

 

私も2か月以上先の、2回目接種の副反応だけが、一寸だけ、心配です。