8月5日の読売新聞夕刊にトコジラミに関する記事が載っていました。タイトルは、『[教えて!ヨミドック]トコジラミへの対策は? 家に持ち込まないこと』
私が保健所に勤務している頃、トコジラミの被害相談が増えていました。一時期、被害は沈静化していたそうですが、海外旅行などが増えるに従って、被害は増加していったそうです。新型コロナ感染が5類になり、これから再びトコジラミ被害の増加の波が来るのかもしれません。私も保健所で現場に出た時、トコジラミをおみやげに持ってきてしまったことがありました。自宅で、必死の撃滅作戦を展開し、事なきを得ています。その時の対策は、読売新聞の記事のあとに書きます。
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読売新聞の記事を以下に参照します(【 Q 】は質問、【 ヨ 】はヨミドックの回答という筋立てです)。
【 Q 】海外旅行先のホテルで、朝起きたら腕に赤い発疹が出ていて、かゆかったよ。
【 ヨ 】トコジラミに刺されたのかもしれません。シラミでなくカメムシの仲間で、別名を南京虫(なんきんむし)といいます。
【 Q 】どんな虫なの。
【 ヨ 】人の血を吸う夜行性の吸血昆虫で、成虫は約5ミリほど。昼間は室内の寝具や家具の隙間に潜んでいます。夜、部屋が暗くなると活動し、就寝中の人の皮膚を刺します。ダニと違い衣服の下に潜らないので、首や手足を刺されることが多いんです。
【 Q 】症状は?
【 ヨ 】トコジラミは吸血中に、血液の凝固を防ぐために唾液を注入します。何度か吸血されると、この唾液に対するアレルギー反応で、皮膚に赤い発疹やかゆみ、腫れなどの症状が表れるようになります。
【 Q 】刺されたときは?
【 ヨ 】市販の虫刺され薬を塗り、治らなければ皮膚科に行きましょう。炎症を抑えるステロイドの塗り薬や飲み薬を使うと、1~2週間でよくなります。トコジラミによって感染症にはかかりません。
【 Q 】少し安心したよ。
【 ヨ 】日本では殺虫剤の普及で、戦後はほぼ姿を消していました。ところが、一般的な殺虫剤への耐性を獲得したトコジラミが現れ、2000年頃から欧米やアジアなど海外で問題になり始めました。日本でも10年ほど前から、被害が広がり始めています。
【 Q 】どうして日本でも?
【 ヨ 】人の往来が活発になったためです。トコジラミは、海外からの荷物にまぎれて持ち込まれることが多いのですが、日本の中でも拡散されていると考えられます。
【 Q 】対処法はある?
【 ヨ 】外出先から自宅に持ち込まないことが大切。宿泊施設では、部屋の四隅や天井を確認しましょう。小さな黒いシミはトコジラミのフンの可能性があります。虫が紛れ込むのを防ぐため、荷物は入り口付近にまとめます。広げたまま放置せず、大きなポリ袋に入れておきましょう。
【 Q 】自宅に持ち込んだら?
【 ヨ 】清潔な部屋でも、放置するとすぐに繁殖して、手に負えなくなります。トコジラミに気づいたら、専用の殺虫剤を部屋の四隅や畳の隙間にまいて駆除し、なるべく早く、信頼できる業者に相談してください。(西田真奈美/取材協力=夏秋優・兵庫医科大教授、小松謙之・日本ペストコントロール協会技術委員)
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記事の中、「刺されたときは?」のところで、すぐに皮膚科に行かれることをおすすめします。皮膚科の医師ならば、何に刺されたのかすぐに分かるはずです。一般の方が、トコジラミに刺されたと分かる訳がありません。
「自宅に持ち込んだら?」のところでは、殺虫剤は無効とお考えいただいたほうが良いと思います。薬剤耐性が出来上がっていると考えるべきです。
対応策は、全ての寝具は、コインランドリーの大型洗濯機で、洗濯及び、高温での乾燥をするべきです。ベッドをお使いでしたら、マットに高温スチームをかけてみてください。しつこいくらいやりましょう。その後、掃除機で吸引します。私は、トコジラミに刺されたと確認された翌日には、部屋にある寝具はすべて洗濯乾燥し、床や畳は高温スチーマーで消毒し、紙袋式の掃除機で吸引しました。
すでにトコジラミが長年に渡って生息しているようであれば、業者に助けを求めましょう。日本ペストコントロール協会を検索し、お住まいの地区の協会の連絡を探し、業者を紹介してもらいましょう。この協会員はしっかり訓練されている方々が多く、新型コロナのときにも随分活躍されました。費用的には、業者にもよりますが少なくとも一部屋10万円、期間は1ヶ月くらいかかります。駆除が成功したかどうかは、残念ながら翌年になってみないとわかりません。簡単に駆除できる害虫ではありません。
参考サイト:
■NHK
トコジラミ(南京虫)に注意!駆除できる?症状は?対策は?
https://www.nhk.or.jp/shutoken
https://www3.nhk.or.jp/news/ht
■アース製薬 害虫なるほど知恵袋(トコジラミの詳しい話)
https://www.earth.jp/gaichu/wi
(編集子)ずいぶん長い間、背中から足まで、かゆみが絶えない。内科医からは特定できないがアレルギー症ですな、といわれてそういう体質むけ、という内服薬をほかの常用薬(おなじみ血圧、コレステロール対策というやつ)と合わせてのんでいるがあまり効果はない。脚のかゆみがひどくなった時点で皮膚科に相談して塗布薬をもらい、一部は収まったがしつこく残っている。先日、ひょっとするとダニの成果も、と言われて、たまたま見つけたダニ駆除のシートを買ってみたがこれも簡単に結果は出ないようだ。トコジラミ、とやらではないと思っているのだが。