ピークを踏まない北アルプス紀行 その1  (39 堀川義夫)

去る、9月4日からKWV同期の岡沢、飯河と3人で立山の室堂を起点に劒沢小屋⇒仙人池ヒュッテ⇒阿曽原温泉小屋⇒黒薙温泉という4泊5日の山旅を楽しんできました。

 

第一日目 9月4日(水) 晴れのち曇り

北陸新幹線のお陰で東京発一番の列車に乗り、富山⇒地鉄で立山⇒ケーブルで美女平⇒バスで室堂にはなんと11時10分に到着。便利になったものと一同感激の体で立山・劒・大日岳の景観を眺めながら出発しました。天気は台風の影響、秋雨前線の影響等複雑で全く素人には予測が難しい状況で、雨に会うのを覚悟での出発です。

雷鳥坂の尾根

雷鳥沢キャンプ場に下りお弁当昼食。その後、雷鳥坂を別山乗越に向けいよいよ登り2時間の行程。歳をとってくるとオーバーペースが後に響くことが最近自覚するようになってきたので、自分でもあきれるほどゆっくりと歩き始める。それでもほぼ、コースタイム✛休憩時間位で別山乗越に無事到着。パラパラっと雨が来て周りの登山者は雨具を着けるも我々は横着を決め込み、劒沢小屋へと下降開始、これまたコースタイムで初日の劒沢小屋に3時半ごろ到着。私は8年前(その時は剣山荘泊)に来ていますが、その後、建替えられ以前より150mほど下ったところに建てられていました。(古い小屋はキャンプ場の管理棟として残っていました)。この時期、夏山から秋山への端境期でこの後もずっと空いていて大混雑を避けるのには良い時期です。小屋には無料のシャワーもあり、食事もおいしく、山小屋は毎年良くなっていくように思います。景色は雲がかかり、前劒と源次郎尾根しか見えません。残雪期の別山乗越から何 回か経験がありますが、劒沢小屋までのダウンヒルを思い出し、至福の時間を過ごしました。明朝の天気を期待して就寝。

第二日目 9月5日(木) 晴れ

朝起きて期待しながら劒を望むも残念ながら見えません。しかし後立方面はくっきりと唐松、不帰、天狗の頭等の稜線が見えていて、これから晴れてくるのではと期待が持てます。5時40分出発。昨夜、小屋の人から劒沢下降の危険個所、注意点をしっかりと叩き込まれ、略図も書いてくれています。沢筋の道は歩きにくく、年寄りにはバランス感覚の衰え、脚力の低下で思うように歩けません。

スリリングなへつり

小屋からのアドバイスは平蔵谷との出会いまでは夏道を行くように言われていたが、アドバイスを早々に無視して雪渓に降りてアイゼンを付けて下ることにしました。雪渓のほうがはるかに歩き易い。平蔵谷と源次郎谷の中間あたりに大きな陥没による穴が出現していて、再び、アイゼンを付けたまま、夏道に入り源次郎谷の出会で右岸から左岸にトラバースし、順調に真砂沢小屋に到着しま

源次郎沢出会

した。コースタイム2時間のところを上部のゴロゴロした夏道で時間を食ったのとアイゼンのトラブルなどで、大幅に遅れての到着です。

 

天気は快晴になって来ました。遅れを取り戻すために、先を急ぎます。ここからは劒沢沿いに進みますが。アップダウンはほとんどありません。標高が低くなった分、暑くて汗でぐっしょりです。ほぼ時間通りに1時間20分休みなしで頑張って、三の窓雪渓下の二股に到着。来る途中で初めて人とすれ違いました。本当に人に会わない静かなコースです。

三の窓雪渓

仙人峠の登りにとりつくと8年前のことなど全然覚えてはおらず、こんなに急登だったかと思いながら、何とか途中、一本で登り切ることが出来ました。途中の三の窓の雪渓が素晴らしい! 本峰は雲の中。仙人峠からヒュッテまでは幕道が出来ていて15分で到着。ほぼ予測の範疇での到着となりました。受付前にロング缶を所望して一気に飲む!旨い!!

夕食までにここは風呂に入れます。気持ちが良いので、湯上りにまたビールが本当に旨い。わずか9名の宿泊者で夕食を取っていると、見えた! 劒の頂上が見えてきた。夕食もそこそこに池に行き景色を楽しむ。夕焼けも綺麗だし、月も出てきた。「素晴らしい」の一言。さらなる美しい朝焼けの劒と池に映る逆さ劒に期待を寄せて就寝。爆睡。

仙人池のアーベントロート