ジャイさんのブログにアサギマダラの話が出ていましたので、連絡しました。今年の山の日(8月11日)に、日光にある燕巣山と四郎岳に登りましたが、その際にアサギマダラに遭遇しました。地元のカメラマンの方に教えていただいたのですが、登山口から10分ほど歩いた四郎沢にフジバカマの群生地があり、そこにアサギマダラが繁殖して、9月初旬に東南アジアに向けて飛翔するとのことでした。
2022 年 8 月 11 日(木)燕巣山~四郎岳山行報告
山の日なので、奥日光にある燕巣山(2222m-栃木 100 名山)と四郎岳(2156m/群馬 100 名山)を目指しました。天気は比較的良かったですが、太平洋に台風が発生したせいか、北側尾瀬方面は雲が多く展望はありませんでした。日光白根山・丸沼スキー場などは良く見えました。丸沼駐車場から四郎沢に向かう途中で、大きなカメラを持った人に出会い、話を聞くと、この先堰堤 3 つ目を超えたあたりにフジバカマの大群生地があり、そこにアサギマダラという蝶が産卵に集まり、9 月初旬に東南アジア方面に向けて飛んでいく(1400~2000km)という、ロマンあふれた話を聞きました。
実際に行ってみると、早朝のせいか数は少ないですが、フジバカマの大群落があり、アサギマダラが飛び交っていました。帰るころには 14:00 過ぎでしたが、数は増えていたようです。
燕巣山・四郎岳は円錐形をした見た目の良い山ですが、その登山道は直線的でかなりの斜度があり,登りも下りもかなり苦労しました。四郎沢のルートは、赤布があり、気を付ければルートを失うことはないと思われますが、ところどころで、赤いビニールテープを目印につけてきたので、次回に役に立つと思われます。また燕巣山の下りで転倒し、左手首につけていた鈴を落としたことに気づかず、登っていく登山者に捜索を依頼、見つけたら白のレボーグに届けてくださいとお願いしたところ、下山したら、車に届いていて感激でした。
日程:2022 年8月 11 日(木)
1. 山域:日光
2. 目的:県境の道を歩く
3. 登山ルート;丸沼温泉駐車場~四郎峠~燕巣山~四郎峠~四郎岳~四郎峠~丸沼温泉駐車場
4. 天候:薄曇り、晴
5. 参加メンバー:手塚(宮城友人)、宮城
6. 行動記録;(距離:13km, 時間:7.5 時間(休憩含む)
AM5:20 手塚さん自宅(鹿沼) 出発。
6:45 丸沼温泉駐車場着。トイレは丸沼湖畔亭の建物隣にあ
る。広い駐車場には車少なく 10 台程度。
7:00 出発。 四郎沢を渡渉。ここで大きなカメラを提げた人から、この先堰堤を 3 つ超えたところに、フジマダキの花が群生しており、その花の蜜を求めて、アサギマダラという蝶が大量発生しているとのこと。アサギマダラはここで産卵、孵化した後に東南アジアに向け 1400~2000km 飛んで移動していくとのロマンあふれる話をきいた。
(中略)
今回も燕巣山・四郎岳の登山者は少なく 10 人程度で、静かな山行となりました。四郎沢入り口付近で出会った人の助言により、アカギマダラという蝶の存在を知り、400匹くらいの集団で東南アジアまで飛行するという貴重な話を聞けて、また落としたはずの鈴が届けられたりして、登山者の優しい人情にも触れることができて、とても楽しい山行となりました。参考までに今回の花と蝶を調べてみました。
フジバカマの仲間 ~ アサギマダラを呼ぶ植物
日本人ならフジバカマ(Eupatorium japonicum)という植物の名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。山上憶良が万葉集で歌を詠んで以来、秋の七草の一つとして知られていますが、実際に野原で見かけたことがある方は少ないかと思います。本種は日当たりのよい河原の湿った草地などに自生する多年草(宿根草)で、近年河川の護岸工事により自生地が消失し、環境省のレッドリストで準絶滅危惧に指定されています。分類学的にはヒヨドリバナ属で日本には他にヒヨドリバナ、サワヒヨドリなど8種が知られています。和名の由来は花が藤色で花びらが袴(はかま)の形をしているからですが、その他諸説あるようです。属名の Eupatorium(ユーパトリューム)は紀元前1世紀頃、小アジアのユーパトール王がフジバカマの仲間を薬用植物として好んで用いたことに因みます。現在も蘭草(らんそう)と呼び漢方薬に利用されます。乾燥すると桜餅の葉のような芳香を放つため、昔は匂い袋などにも利用されたようです。フジバカマの名で販売されているほとんどは雑種で、本種よりも丈夫で大きくなります。分類にもよりますがフジバカマの仲間は北米を中心に 500 種以上あり、ユーパトリュームとして販売されています。
2m以上にもなる大型強健種のアトロパープレウムや、斑入り葉の美しいピンクフロスト、銅葉のチョコラータ、箒のような葉をもつグリーンフェザー、中国に自生するムラサキフジバカマ(濃色フジバカマ)、花が玉咲きのものや葉の切れ込みが深く美しい羽衣という品種などがあります
フジバカマと渡りの蝶
フジバカマの仲間にはアサギマダラという蝶のオスが好んで訪れます。まだよく解明されていないようですが、フジバカマに含まれる物質〝ピロリジジンアルカロイド〟の摂取が性フェロモンの分泌に必要だからと言われています。アサギマダラは旅をする蝶としても知られ、台湾や東南アジアなどから日本へやってきます。中には 2500km もの長旅をして日本に飛来したものもいるようです。
特に近年、この蝶の飛来ルートを全国的に調査研究する活動が盛んになり、フジバカマ類が日本各地で植栽され注目を浴びています。中でも日本各地に多く自生するヒヨドリバナは、丈夫で花期も8~10 月と長いためよく植栽されるようです。
(編集子)宮城兄の原文がやや大きいので要点のみを転載させていただく。この画面に拾ったスナップはほんの一部で、かなりの数の写真が Googlo Photo に収容されている。ご興味のある向きは小生あてメールいただければ宮城兄に連絡、直送していただくことができる。