色盲、色弱、色神異常、赤緑色盲と言う言葉をご存知だと思います。
私が大学に入る頃、理学系の学部を志す人たちで、これらのような人たちは受験できないとか、自動車運転免許は取れないとか言われていました。入社試験でも、この件は聞かれました。
2005年に日本眼科学会は、色盲とか色弱などの言葉をすべてやめ、「色覚異常」に統一したそうです。それでも、ネガティブな印象があるため、もっとよい言葉を検討しているようです。
この日本眼科学会のウェブページでは、目の病気「先天性色覚異常」(https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=33)の項目で、詳しい内容を説明しています。
一方、日本眼科医会のウェブページ(https://www.gankaikai.or.jp/health/50/index.html)には、「色覚異常と言われたら」というページがあって、詳しく説明されています。その最初に、「ゴッホやウイリアム・ターナーなどの有名な画家も色覚異常だったといわれています」と記載されています。
20年ほど前に、ウェブ上で動くアプリケーションを開発する仕事をはじめました。その頃に、カラーユニバーサルデザインという言葉に気付き、例えば赤色を赤色と見えない人たちも同じアプリを使えるようにと、色合いの設定に腐心していました。色々なツールを使って画面がどう見えるかを確認しながらアプリを開発していたのですが、ずっと気になっていた事が、一つのテレビ番組を見ることで、腑に落ちました。数日前、録画していたNHKの「ヒューマニエンス クエスト」の「”目” – 物を見抜くセンサー」の回を見て、「色の見え方も個性があって、共通性がありながらも多様性がある」と知りました。
生物学的には、ヒトの眼球の網膜の奥には、2種類の視細胞(桿体と錐体)があって、その中の錐体細胞というのが色を識別する細胞だということ。
・その錐体細胞は、色を示す波長域によって3種類の細胞があるということ。長波長(L)、中波長(M)、短波長(S)を感じる3つ。
・3つの錐体細胞の、どれかの錐体が機能していない、あるいは、なかった(欠損)ことで、色の見え方は変わるということ。
すなわち、
それぞれが持つ錐体の特質によって、ある人は赤く実る果実を見つけやすいが、草むらに潜む天敵を見分けにくいと言う特性が生まれるので、果実を見つける役割を分担して生きてきた。つまり、人類に進化してゆく過程で、
「いろんな色覚型がいた事で、人類は絶滅を免れて生き延びてきた」と言う話がされていました。う〜ん、認識を新たにしました。LGBTQではありませんが、色覚の異なりも、認識すべきことなのですね。実際、血液型のABO型と何ら変わることがないのかもしれません。
関連