エーガ愛好会 (49) 心の旅路 (41 相川正汎)

 

「心の旅路」は昨年6月頃に 既にこの会で推薦いただいていました。コールマン髯のコールマンと 魅力的なグリア・ガースンの共演、 古さを感じさせず、楽しめました。

戦争のケガによる記憶喪失という暗いイメージが 町にでるや恋にめぐまれ、 交通事故で再度記憶喪失しても、社長や国会議員を務めるという 明るい展開に、少しびっくりしました。ヒッチコック作品では謎解きの種がどこででてくるか目が離せませんが、こちらは安心して見られました。インフルエンザの場面がありますが、この頃はやったスペイン風邪。 戦場で感染拡大したため第一次大戦の終結を早めたともいわれています。 コロナ拡大の今どきとつながります。

コールマンが颯爽とトレンチコートを着ていました。バーバリー社が撥水のギャバジンのレインコートを開発し一次大戦では軍用として重宝した歴史も反映しています。 格好良かったが重かったですね。

原作のジェームス・ヒルトンは 「失われた地平線」 Lost Horizonの著作もあります。中国南西部とチベットの国境地帯に飛行機が不時着、そこがシャングリラShangri―Laという理想郷だったというお話。シャングリラは果たしてどこにあったのか。中国は雲南州の小村を2001年に「香格里拉」と改称し、観光開発しました。そこから車で1日走ると梅里雪山の麓に。商魂たくましいですね。

(44 安田)「心の旅路」のグリア・ガースンは素敵ですが、同じ年1942年制作の「ミニヴァー夫人」の彼女も魅力的です。アカデミー主演女優を獲得しました。コブキさんのお薦めで観て大満足。BSPで放映されれば良いのにと思います。

それにしても1942年といえばイギリス・ロンドンはドイツからV2ロケットの攻撃に晒されて、チャーチル以下防空壕に避難していた頃。よくもまあ〜立派な映画を創るものだと感心します。芸術は力なり!です。「カサブランカ」も1942年制作です。

(相川)シャングリラの話は一度書いたかと思いますが、一昨年秋に四川省に旅したときに そこにも雲南省とは別に同名の町がありびっくりしました。

6000m級の白い山が3つあり、かっては馬でしか行けない秘境といわれてましたが、道も整備され中国人観光客でにぎわっていました。中国は人数が多いので世界遺産とか観光地となると人が殺到してしまいます。この時はミニヤコンカも眺められました。

ところで私は1942年6月の生まれです。この時のミッドウェイ海戦から日本軍は劣勢となりました。 アメリカやイギリスは余裕があったのですね。

(編集子)満州から母と姉と3人で引き揚げてきて、半年遅れて父と兄が帰国、東京へ出てきたのが1946年。小生はまだ小学生、姉や兄が カサブランカ や 心の旅路 などと話題にしていたのをかすかに記憶している。”風と共に”が作られたのも同じころだったのではなかったか?