10月23日BSP放映「テキサス Texas Across the River 1966」の感想
アラン・ドロンが「レッドサン1971」の前に、初出演した西部劇で内容はコメディ的要素が強い。
「太陽がいっぱい1960」で、俳優のキャリアを駆け上がったアラン・ドロンは、1964~1966年にかけて、どうやらハリウッド進出を試みたようで、その時の作品の一つがこれ。他に3作品あるが、結果的には成功せず、それが幸い??フランスに戻り、巨匠の監督や名優たちとの共演で、「冒険者たち1967」「サムライ1967」「「シシリアン1969」「さらば友よ1968」「シシリアン1969」等々のヒット作品に恵まれ、確固たる人気を博したのだった。ハリウッドでの他作品は、不評と言われているものの、調べてみると「黄色いロールスロイス1964」アンソニー・アスキス監督のオムニバス映画、「泥棒を消せ1965」ラルフ・ネルソン監督でアンマーグレット共演、「名誉と栄光のためでなく1966」マーク・ロブスン監督アンソニー・クイン共演で、まずまずの力作と思われるが美し過ぎる容姿が男性的なタイプを好むアメリカの観客に受け入れられなかったのかも知れない。
共演したのがディーン・マーティンで、通算7本の西部劇に出演している。ジェリー・ルイスとの底抜けシリーズで、コメディタッチは得意分野なのだが、出演の西部劇をみると、底抜けを除き、意外に真面目な西部劇が殆んどだ。「底抜け西部へ行く1956」「リオ・ブラボー1959」「テキサスの四人1963」「エルダー兄弟1965」「バンドレロ1968」「対決1973」。
内容は、スペイン貴族に扮するドロンが、地主のアメリカ娘ロ-ズマリー・フォーサイスと結婚するためにやってきたところから始まる。幕開けの音楽は、キングストン・トリオの歌。結婚相手のローズマリーのもと恋人の騎兵隊員が諦めきれず、揉み合いになるうちに、はずみで騎兵隊員が死亡、ドロンは騎兵隊に追われることに。道中途中、武器商人ディーン・マーティンと意気投合し、その相棒インディアン案内人と結婚相手との約束の場所テキサスを目指す。途中コマンチ地区通過による戦闘やコマンチ娘ティナ・マルカンを助けたことから、恋人同士が入れ替わる等すったもんだの挙句に、めでたしで終わる。騎兵隊の隊長にスパイ大作戦のピーター・グレイブスも出演。監督は、マイケル・ゴードンで、「夜を楽しく1959」ドリス・デイ主演のようなコメディタッチが得意とのこと。「シラノ・ド・ベルジュラック1950」でホセ・フェラーにアカデミー賞をとらせた腕もあったというが。内容はまさにB級西部劇で、誰かさん同様途中居眠りの境地へ。それでもアラン・ドロンは、矢張り西部劇姿も格好は良かった。裸のシーンも何回か。締まった身体、胸毛もないし、すね毛もない、つるつるで美しい男の理想形?、「太陽がいっぱい」の肉体美を思い出す。薄いブルーの目、眼力の輝きも。
昨年の8月軽い脳出血で手術し、スイスの病院で休養、その後容態は安定しているとの報道があったが、その後どうなったかの報道はない?。報道がないということは一応元気でいるものと思う。来日の際、柔道を見たいので、是非東京オリンピックには来日したいと言っていたが?
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