日本はどうあるべきかーAIの回答をめぐって  (42 河瀬斌)

日本が今後どうあるべきかは最も大事なことですが、今の政治は混沌として全くそのビジョンはわかりませんね。そこである友人が日本の国家として必要なビジョンをAIに託してみたところ、次の8項目の返事が返ってきました。

1)超高齢化を超える:老若が支え合う社会
2)未来を育む:子どもと家庭への投資
3)自立する日本:エネルギーと食の安全保障
4)豊かさの再生:経済成長への新モデル
5)国土を未来につなぐ:次世代インフラ開発
6)格差を超える:日本人の絆
7)国際貢献:平和の騎手としての先導
8)希望の未来:教育と技術の先端地日本
いずれも優等生的な答えで、具体的にどうすれば良いのかは各人が考えよ、ということでしょう。しかしこれからの日本の目標として意味深い項目もありますね。2024年は大荒れに荒れた自然、波乱の国際情勢と国内政治に振り回された1年でした。そこで頼りにならない政治家に代わって、あらためて「今後日本人はどうあるべきか」「この項目ではこういう考えがある!」などを新年にゆっくり考えて討論するのもいいかもしれません。
(44 安田)我々日本人にとっては当たり前のことが、海外から日本を訪れた短期滞在者には とてつもなく新鮮で魅力的と捉えられています。安全・犯罪の少ない平和な社会、清潔で綺麗な街、移り変わる四季の魅力、美味しい食事、効率的で便利な公共交通機関、コンビニ・自動販売機、日曜でも開店している店舗、驚愕するほど綺麗‣機能的で素晴らしいトイレなどなど 枚挙に暇がありません。
日常当たり前のこれらの特徴は、謂わば日本が誇る魅力あふれる無形資産でしょう。経済停滞、貧困化など負の側面の指摘がマスコミ報道で目立つ昨今の日本の現状ですが、「日本で最も驚いたこと」で指摘された、当たり前の”無形資産” の恩恵を無意識に享受して、それらが総括的に我々の生活と社会を快適かつ便利にしている事実に気付かずに過ごしているようです。安全・安心・便利・快適を担保する海外ジャーナリストが指摘する「日本の驚くべきこと」が存在しない、あるいは不充分な社会と日常生活を想像すると、ぞっとします。日本が誇るそれらの無形資産と目に見えて恩恵を受けている ”驚くべきこと” に、我々日本人は”満足感”、”幸福感”を持つべきだと思います。海外の有力旅行誌による「最も魅力的な旅行先」には日本がNo.1にランクされています。短期滞在の旅行者と住んで毎日を暮らす我々住人の捉え方は、勿論異なります。が、物理的・計数的尺度で捉えがちな”日本経済の停滞”、”成長のシナリオが描けない”、”貧困化” のハード面に偏りがちな視点を、ソフトパワーとも呼べる観点からも、生活の満足度を捉えるべきだと強く思います。

そうは言っても、貧困化を是としているわけではありません。貧困化は社会を不安定にし、安全な社会が犯罪に脅かされることになるのは否定できません。更に、経済的豊かさは実りある生活の手助けになるのは間違いありません。30年以上に亘る停滞の経済に終止符を打ちハード面ではAIが指摘するビジョンの具現化を成功裡に果たし、生活を快適で便利にする”驚くべきソフト面”の遺産、に呼応して、両輪がスムーズに機能する日本に切になってもらいたいと願わずにはおれません。

(42 斎藤孝)

時代が止まる。泊まる。何処に泊まるのか。日本時間である。日本の古き旅籠。源泉の硫黄臭い温泉がある。これがカメの座標。そこから世界を眺めてのんびりと批評したい。カメは純日本人。短足でがにまた眼も細く典型的な弥生顔。AIさま当たり前の忠告、ありがとう。

カメは日本の古き旅籠。源泉の硫黄臭い温泉に泊まっています。これらの宿題は予期したこと、カメは深刻にならず気楽に解いていきます。民主主義と平和を尊び、群衆の衆知とSNSの良きアナーキズムを育みますよ。日本人ならば喜んで挑戦できますね。安心してください。

(編集子)先回、”老舗” ということについての一考を書いたが、安田君のご指摘は僕の感慨に一致するようだ。それに便乗していえば、これも何回も繰り返して恐縮だが、マクロな観点から、”80年間、ただ一人の若者も戦争で死なせていない” という歴史的事実はもっと理解されてほしい。
そういうと必ず、それは米国の属国だからだ、日本はこれでいいのか、とかなんとかいう理屈が必ず現れる。それはその通りだが、僕らが在学中に起きた安保反対騒動とか、一連の反発を経て、今ある国の現実を見れば、その選択には何も恥じることはないのであって、そういう選択をしてきた日本の政治手法は結果から言えばひょっとすれば世界に誇っていいものなのではないか。ローマ帝国のもたらした平和や、パックスブリタニカとかいやアメリカーナかな、そういう歴史に匹敵する、そんな国が現実にある、トイレがきれいなどというレベルでなく理解されるべきなんじゃないだろうか。
もちろん、米国が日本とのありかたを考え直すであろうことは間違いないのだから、”今まで通り” で済むことではないのであって、河瀬君が提示された問題には国を挙げて対応しなければならないのは当然なのだが。
今韓国が大揺れに揺れている。他国のことだからもちろん我々には理解できない力学が働いているのは間違いないが、どうもかの国の人たちは政治家が常に人格品格に優れた聖者でなければならないと思い込んでいるのではないか。どの本だったか忘れたが、戦後米国の軍人が日本軍の幹部が将校の持つべき資格として定義したものをみて仰天したという。こんな人物がいるとすれば、それは神か聖者だ。こういう人が日本軍を率いていたのなら、なんで日本は我々にむざむざと負けてしまったのか、と皮肉ったそうだ。
今の日本政治を担っている人たちが、この日本軍人に要求されたような人格高潔なんかであるわけはないし、みっともない迷走ぶりも見飽きた感じがする。しかしそういう頼りない政治家や官僚が主導してきた我が国のあり方が、なんといわれようと若者を死なせたことのない、結果として世界に誇れる平和な社会を生み出しているのも厳然たる事実だ。
そういうことを可能にしている日本、日本人の思考回路、それを起動力にして世界に貢献する、そういうことがこれからの日本、なのではないだろうか。