エーガ愛好会 (284) ヘンリー・マンシーニ  (大学クラスメート 飯田武昭)

テレビ番組「クラシックTV」(3日21時~30分・Eテレ)で映画音楽作曲家のヘンリー・マンシーニを取り上げていたのでみました。

ヘンリー・マンシーニは映画「ティファニーで朝食を」のムーン・リバーの作曲家として余りにも有名ですが、改めて彼の作曲家人生を振り返ったこの番組を見ると、マンシーニ作曲の映画音楽の名曲(映画そのものも名作)が、スタンダード・ナンバーとして今でも度々演奏されるのに気が付かされました。

・ムーン・リバー(映画「ティファニーで朝食を」テーマ曲)
・ピンクパンサーのテーマ
・小象の行進(映画「ハタリ」の挿入曲)
・ひまわり(映画「ひまわり」テーマ曲)
・酒とバラの日々(映画「酒とバラの日々」テーマ曲)

直、スタンダード・ナンバーとして後世に残るこの種の曲はメロディ自体は比較的シンプルで余白部分が多い曲で、別人が編曲し易い曲が多い傾向があるそうです。私はこれらの映画は皆好きですが特にはアフリカの猛獣狩りの映画「ハタリ」(1962年、ハワード・ホークス監督)で、ここで出て来る≪小象の行進≫は最初に見た時に、小象の行進の陽気な可愛い気分が出ていて何んと面白い曲かと思い好きになった曲です。Youtubeを良ければ聴いてください。

https://www.youtube.com/watch?v=TRKb_QuMd1k

時代を遡れば、ハリウッド映画全盛時代の1940年代~70年代には「風と共に去りぬ」のマックス・スタイナーを始め、コール・ポーター、アーヴィング・バーリン、リチャード・ロジャース、デミトリ・ティオムキンなど、キラ星の如く多くの名曲を作って映画の価値を高めた作曲家が多かったです。ヘンリー・マンシーニもこれらの中の一人でした。

(保屋野)(映画音楽音痴だった)私が目覚めたのは、愛好会に入って(チビ太師匠の奨めで観た)「ドクトルジバゴ」のテーマ曲「ララのテーマ」に感動してからでした。この曲は、モーリス・ジャールというフランス人作曲家の作品で、彼は「アラビアのロレンス」の作曲者としても有名です。

その後、ニノ・ロータの「ジェルソミーナ」(道)やモリコーネの「ニュー・シネマ・パラダイス」等の名曲も知りました。ちなみに、アメリカのジョン・ウイリアムスも多くの名曲がありますが、私はヨーロッパ系作曲者の方が好きです。

(安田)ご紹介された珠玉のマンシー二映画音楽の数々、封切り当時に映画を見た折に、深く印象に残り、その後も主題曲を頻繁に聴きました。アメリカ国籍ながら典型的な“・・・ni”で終わる名前からしてもイタリア系ですね。芸術の国イタリアからは、映画音楽作曲分野でもニノ・ロータ、エンニ・モリコーネの両巨匠を産み、フランス国籍ながらフランシス・レイも両親はイタリア人だそうです。

(小田)刑事コロンボやピンクパンサーもヘンリー·マンシーニの曲だったのですね。シンプルな曲がスタンダード ナンバーになる…プレスリーの「Love me tender」のような曲もそうですね。

「ひまわり」でははじめの3音に1ヶ月かかり、後は30分で仕上げたとか、まさに出だしで内容を表しています。先程、先日書いた「女三人のシベリア鉄道」の林芙美子の出る辺りを読み返していましたら、ちょうど「ひまわり」の事が書かれていました!
作者の森まゆみさんが、ミンスクで列車を降り《ミール城》を見学、バスを待つ間周りを歩くと、「ひまわり」の映画に出たような家を発見…、

『頭の中で、あのヘンリー·マンシーニの名曲が鳴りひびいた…』と。

(編集子)小生の映画音楽ベストワンは ”白い恋人たち”。これで決まり、であります。生まれて初めて、カリフォルニアでスキーをしたのが Soda Springs という小さなスキー場でしたが、その時、ゲレンデに流れていたのもこの曲でした。”…….from Grenoble, France,   というアナウンスに改めて異国を感じたものです。