フランスの現状です   (在パリ 平井愛子)

皆様、ご存知のように、すんでの所で、極右のRNが過半数を取る事は避けられました。

第一回目の投票は、マクロン大統領の政治に対する批判票の結果でRNが飛躍的に伸びましたが、オットットット-、ちょっと危険な所まで行ってしまった、というので、第二回目は左派に票が入りました。やはり革命の国フランスなのですね。でも極左はそんなに伸びていません。
私は南仏の親友夫妻の所に招かれていたのですが、昨日の結果に友人達は胸を撫で下ろしていました。「Aiko,フランスはこれまで極右政権になった事は一度もないのだ、レプブリックであるべきなのだ。でも危ないところだった」と言っていました。南仏は移民が多いですが、フランス人として定着しています。でも北のリルあたりは、極右が強く人種差別意識も結構強い気がします。私の別な友人夫妻は右派で極右に限りなく近くなっていますね。移民の犯罪が多くなっていますから。

今回の選挙では、左派連合、マクロン中道派、極右RN が同じくらいで、左派連合が一番議席数を獲得したのですが、首相のポジションは渡したくないということで波乱を呼びますね。

(船津)早速に仏蘭西の現地も矢張り胸をなで下ろしているようですね。ヤレヤレですね。でも世界は何か大きく変化しそうな雲行きですね。

(菅原)小生、ルペンの肩を持つわけではありませんが、油断は禁物。ルペン曰く、「私たちの勝利の時は延期されたただけだ」。

(河瀬)平和な国の象徴であるフランスが移民過剰のため、極右が台頭している現状をなんとか食い止めた今度の選挙、とりあえずは安心しました。やはりフランスは共和制の道を歩いて行って欲しいですね。故国を失った移民がそれなりになんとか生きる道があればいいのですが、中東系の移民は宗教も異なり、平井さんに代表される日本人のように、皆忍耐強い人たちとは限りませんので、彼らが同化するまでは大変でしょうね。 日本は今まで人口過剰でしたので移民を制限していましたが、これから減少しますので、将来は移民をもっと受け入れるべきか、同じような議論が起きつつあります。

(安田)フランスの人口は5830万人。移民人口は総人口の10.3%、600万人います。因みにドイツは人口8324万人(2021年統計)。その内27.2%(2230万人)が外国人または移民系で、この内、53%(1180万人)がドイツ国籍を有し、残りの47%(1050万人)が外国籍である。フランスではイスラム系移民、ドイツではトルコ系を最大としてバルカン半島及び東欧出身移民も多く、両国とも社会と文化の分断は顕著で、政治的・経済的・治安面の問題となっている。準々決勝でスペインに敗れた、サッカーのドイツチームの主将はトルコ系だし、何人かの選手もトルコ系がいる。フランスにもイスラム系(アルジェリアなど)とアフリカ系移民(黒人)選手が結構いる。

1907年前の最盛期(117年・トライヤヌス帝治世)には面積500万平方キロ(日本の13倍、カナダの半分)、人口5000万人強(人口密度10人/1平方キロ当たり、現在ロシアやボリビヤと同じ、日本は328人)を有したローマ帝国は、以後200年強に亘るドナウ川以北のゲルマン民族の継続的な移入によってついに滅亡した。移民に関わる問題だけではなく、長期間に亘る政治・経済・社会の金属疲労も衰亡の原因だったに違いないが、移民の流入がもたらした問題は決して小さくはなかったと思われる。この点、フランス、ドイツの移民問題は日本の今後の移民政策を占う意味で、大きな関心を持たざるを得ない。

(編集子)欧州や現在中南米からの不法移民に悩む米国のことを見ると、わが日本が島国であり、温暖な気候に恵まれ、どこの国よりも長い時間、単一民族であり得たことの幸運を感じる。さらに付け加えるならば、我が国には土着の宗教というものがない(神道は宗教ではあり得ない)こと、も付け加えるべきかも知れない。なぜイギリスはドーバー海峡にトンネルなんか作ったんだろうか?外国人を歓迎することにやぶさかではないが、国の基本になる部分だけは、なんと言われようと日本人だけで守り抜くことが必要だと思うのだが。