コロナは終息したのか    (34 船曳孝彦)

日本政府はコロナから逃げ出し(脱コロナ)、社会はコロナ終息と勘違いし、国民は自由に様々な行動をしてはおりますが、Withコロナであることは意識しておいてほしいと思います。日本の場合、これ迄いくつかの幸運が重なってきましたが、今も1日1万人の感染があると予測され(実数は誰も分かりません)1日10人は死亡しているようです。これはまさにインフルエンザ並みとなっています。風邪との区別も難しくなり、ごく身近に流行っているという印象です。実は私自身ニアミス状態を経験しました。ある会食で私の目の前の席にいた人が、翌日の定期的予定検査で陽性と判定され(全く無症状)2類時代なら濃厚接触者に当たる訳ですので、私も何ら症状はなかったのですが、念のため2回薬局でキット購入して抗原検査を行い、陰性でホッとしました。同席会食者たちも皆検査し陰性でしたので一件落着ということになりました。

世界的にも感染は続いており、WHOは警戒を緩めないようにとは言いつつも、大流行はなかろうという展望をしています。感染経験とワクチンにより免疫を持った人も増えています。しかしながら、高齢者や心肺疾患、糖尿病などのリスクを持つ人にとっては危険な感染症であることに変わりありません。

WHOは “高リスク者には春、秋の2回、一般に人は年1回全員が秋冬期にワクチン接種” を推奨しています。日本でもいわゆる6回目の接種が始まっています。私もすでに接種を済ませました。副反応なしです。

このCOVID-19の3年余りで、日本の政治のお粗末振りが世界にバレてしまい、1流国と見做されていたのが3流国になってしまいました。ウィルス学、ゲノム解析、ワクチン開発など各分野で研究者が減り、研究費が開発途上国や小規模国に比べても僅少となり、日本からの研究論文が量質ともにランクダウンして(黒木レポート)いることは悔しい限りです。

前報でも述べましたが、このポストコロナ期に、①タテ割り行政を改善し、②十分な検証を行い、③研究費を増額し、次なるパンデミック感染症への備えを構築せねばなりません。10年前新型ウィルス感染症にしっかりした報告書を出していながら、行政へ反応させずに失敗しています。今度こそと願いを込めております。

 

社会はポストコロナとして動いています。一部では抑制されたコロナ禍時代の反動的にコロナ前よりも大きく、一方一部ではコロナ禍で縮小したままで、そして多くはコロナ前を目指してと3方向あるようです。在宅勤務やWEB活用などコロナ期に伸びた利点は生かしつつも、伝統に根付いた人間関係を尊重するコロナ前の社会への復帰を目指そうではありませんか。