エーガ愛好会 (201) 裏窓 

(船津)グレースケリーの綺麗さとあの服装。かって映画の服装について高校新聞に書いた記憶があり美人の?衣装に興味在りです。映画衣装デザイナーの大物イーディス・ヘッドがデザインした、ゴージャスな衣装やドレスを、グレース・ケリー演じるリサが着る。
1920年代当時、映画全盛期のハリウッド映画において、女優の衣裳はきらびやかに飾り立てた華美なもの、という考えが主流であった。しかし彼女は、映画衣裳の世界に初めてシンプルな美しさとファッションセンスを持ち込んだ。1981年に死去するまで58年間にわたりハリウッドの衣裳デザインの第一人者であり続けた。駆け出しの頃は、セシル・B・デミル制作の映画作品での衣裳の仕事が多く、当時は「アイデアに困ると、何でも金ピカにしたり鳥の羽を付けるとデミルは喜んだ」という。
大ヒット映画、『ローマの休日』(1953年)のアン王女役の衣裳や、『麗しのサブリナ』(1954年)のサブリナ役の衣裳などは、主演のオードリー・ヘプバーンの可憐さを際立たせ、彼女の女優としてのイメージを決定付けることとなった(サブリナがパリから帰国するシーンから後半はジバンシーが担当)。
アルフレッド・ヒッチコック監督はイーディスのデザインセンスを大いに気に入り、『裏窓』(1954)以降ほとんどの映画作品の衣裳を任せた。クール・ビューティな女優グレース・ケリーのセクシーな魅力を余すところなく引き出すために、彼女はこの仕事に全精力を傾けたという。彼女は、デザイナーとして自分の理想的女優であったグレースを生涯気に入った。

(河瀬) 金藤さんのご案内で今日、NHKBSの映画「裏窓」を初めて見ましたが、ジェームススチュワート、グレースケリー主演の昔の(1954)映画ならではのヒッチコックのゆったりとしたロマンとラストのスリルを感じました。ありがとうございました。

(金藤)「裏窓」 よかったですね!

僕の一番好きな画面です(安田)

(菅原)この映画、本当のことを言えば「覗き見」映画。それは別として、公開時、高校2年の小生がとんでもない衝撃を受けたのが、妻殺し。前にも言ったかも知れませんが、親父がオフクロを殺すなんて想像すら出来なかった。これは何度も言いますがスゴイ衝撃でした。

 

 

裏窓』(うらまど、Rear Window)は、1954年アメリカ合衆国サスペンス映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はジェームズ・ステュアートグレース・ケリーなど。コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)による同名の短編小説(原題は『It Had to Be Murder』)を原作とし、事故で車椅子生活を送る男がアパートの部屋の裏窓から目撃した事件の顛末を描いている。現在、パブリックドメインとなっている。AFIが選出した「アメリカ映画ベスト100」では42位にランクインした。Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「ヒッチコックはこの傑作でサスペンスの才能を存分に発揮した。」であり、76件の評論のうち高評価は99%にあたる75件で、平均点は10点満点中9.2点となっている。 Metacriticによれば、18件の評論の全てが高評価で平均点は100点満点となっている。

(編集子)本稿で船津が触れているエディス・ヘッドのことだ。慶応高校の新聞 ハイスクールニューズでは、毎夏、新人(2年生)に取材編集を任せて力量を図る目的で、いわばサブ版として ジャーミネータ(発芽試験機という意味だそうだ)というのを発行していた。昭和30年(1950年)8月1日発行のジャーミネータは映画特集というページを作成した。この面を主に担当したのが船津於菟彦で、かれの直筆は左下にある 流行を作り出す という欄である。此処ですでに彼は (小生など聞いたこともなかった)エディス・ヘッド、なんてのを論じている(虫メガネで判読できればいいのだが)。 このころからエーガの論評を楽しんでいたというわけだ。栴檀は二葉より匂うのか、三つ子の魂百までか知らないが。小生この版では論説調のぐんと硬いテーマでっ文化祭の在り方、なんてのをエラソーに書いてる。ま、若き日のことですな。

(船津)
このカメラ当時としては最先端のエキザクタ 一眼レフの元祖と言われる、エキザクタシリーズのVXです。エキザクタは旧東ドイツのドレスデンですが、オランダ資本のイハゲー社は例外的に高い品質を維持したそうです。使いにくいカメラです。何故かシャッターは左側にあったり使い勝手の悪いカメラですが、当時としては最先端。その後日本のカメラメーカーがライカのM3には勝てないと判断して、一斉に一眼レフカメラを開発して今や世界一となったというわけです。
Heinz-Kilfitt-Fern-Kilar-400mm-F5.6-1024x682-1.jpegこの映画でジェフがつけたレンズはHeinz Kilfitt Fern-Kilar 400mm F5.6という超望遠レンズです。400mmにとって、F5.6のは今で見ても相当明るいです。その大きさからも納得できます。当時は相当高価だったと思います。

(菅原)ここで、一番、印象に残っているのは、何と言っても、犯人役を演じたR.バーだ。先ず、裏窓越しのトイメンの室内は、当然、音もなく不気味。加えて、そのバーのやっていることは、妻殺しであり、世にも恐ろしい犯罪だ。世の中には、こんな奴がいるのかとかなり衝撃を受けた。安田さんのバーの写真、その恐ろしさとバレたやばさを見事に写し取っている。ただし、「陽の当たる場所」に地方検事で出ていたらしいが、全く記憶にない。

ura2.jpgテレビでは「弁護士ペリー・メイソン」(安田さんは、「弁護士ペイトン・プレイス」と誤って表記しているが、人間「グーグル」であっても間違えることはある。別の意味で、「ペイトン・プレイス」の方が面白かったが)、車椅子の「鬼刑事アイアンサイド」など良く見たものだが、バーの代表作は、この「裏窓」だろう(しかし、バーはゲイだったと言うから、いささか吃驚仰天だ)。