エーガ愛好会 (128) ドリーム  を見ました

(小田)NHK総合 1ch で、数学が得意な黒人女性達がNASAで活躍する映画「ドリーム」が放映されます。私が感動した映画です。よろしかったら、録画して観てください。

(保屋野)ミッキーさんご推薦の「ドリーム」観ました。.

人種差別がまだ色濃く残る時代に、黒人の女性天才数学者3名がNASAの宇宙開発で活躍する「アメリカンドリーム」(実話)です。当時の進歩的なNASAの科学者でさえまだまだ黒人への偏見が多い中、ケビン・コスナー演ずる「本部長」が白人専用と書いたトイレの看板を壊すシーンが印象的でした。また、後述するグレンがロケットに搭乗する前に、集まったNASAの職員にあいさつする場面で、他のスタッフが白人集団だけにあいさつしたのに対し、グレンだけが、黒人集団にもあいさつしていたのも好ましいシーンでした。

当時ソ連との宇宙開発競争が熾烈で、ロケットの軌道設計等に優れた計算技術が欠かせなかった時代、コンピュータの性能も低く、人力で超複雑な計算をする数学者達・・・、凄い、としか言いようがありません。そういえば、その後のASAの宇宙開発で、特にロケット軌道計算の分野で、女性が大活躍した、というテレビドキュメントが放映されてました。

エンディングは、グレンによるアメリカ初の地球周回有人飛行で、ロケット(フレンドシップ7)のカプセルが、上記女性数学者の一人の計算によって、無事着水するというハッピーエンドでしたが、改めて、人間の能力に人種間の差は無い、ということが再認識できました。

(船津)小田さんこの映画で色々な事が甦りました。先に書いたケープカナベラル後のケネディー宇宙センターを訪ねたことと、もう一つ会社に入ったばかりの頃周りの先輩達は算盤3級以上で中には多数桁の暗算も平気でやる人ばかり、コチトラ算盤なんか初めて触るぐらいでどうしようも無い、しかたがないので手回しのタイガー計算機を買ってもらった!その内に部屋に一台電導のモンローマテック計算機がやって来た。朝からその前に座って独占していました。たいしたことない掛け算と割り算でしたがね。それすら算盤では中々出来なかった。その後ずーっと経ってソニーの計算機とかが高価ですが出来てきた。しかし、天才的な女性達が宇宙開発を支えていたとはね!全く知りませんでした。凄いですね。そのやや高級なのこの映画にでて来ました。感激。

(斎藤)確か実話に基づく小説をアレンジして、黒人の問題に置き変えた脚本にしたと聞いています。
NASAは黒人差別はなかったし、今で言う自閉症やHDSD(注意欠如・多動性障害)の方たちで特異的な能力をった人達も集めていたとのことで、能力あるものに働いてもらうという方針をとっていたと聞いています。ただ、男女差別はあったそうです。
実際はどうであれ、映画の目指したところは、「人の能力を見極めて使ってい
く」姿を描いていると思っています。

(金藤) 原作は マーゴット・リー・シェッタリー 『ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち』英文 のようです。

1961年、ソ連はガガーリンが搭乗した人類初の有人飛行に成功。
宇宙開発で一歩遅れをとった米国では、アメリカ初の有人飛行プロジェクト
マーキュリー計画を成功に導くため NASAで陰ながら活躍していた優秀な黒人女性:  数学に天才的才能を持つキャサリン、管理職への実質を伴った昇進を目指すドロシー、エンジニアになるために必要な条件のクリアを目指すメアリー
3人の黒人女性が、人種差別や偏見がある中、優れた能力を発揮して活躍し、新たな道を切り開くストーリー。
実話を元に制作された映画だという事でしたが、保屋野さん 船津さんが既に書かれていらっしゃるように、トイレの有色人種使用禁止の看板を叩き壊すシーンは演出がオーバーだと思いながらもケビン・コスナーが演じる上司が即、行動するところにグッときました。飛行直前にマーキュリーセブンの一員、宇宙飛行士 ジョン・グレンがキャサリンに挨拶するシーンも実際にはなかった事でしょうが、この映画に於いては大切な良いシーンでした!
人種差別を受けながらも殆ど暗い部分がなく、前向きな姿勢が明るく描かれていました。ケビン・コスナーが優しい上司役でよかったです。

(ウイキペディアより転載)

1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。ソ連とアメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。キャサリン役で「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のタラジ・P・ヘンソンが主演し、ドロシー役を「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタビア・スペンサー、メアリー役を「ムーンライト」などにも出演している歌手のジャネール・モネイが演じた。監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ。ミュージシャンのファレル・ウィリアムスが製作と音楽を担当。

 

(編集子)在職中、カリフォルニアへの駐在を2度経験した。第一回目は1967年、ベトナム反戦運動がサンフランシスコ近辺で噴き出したころ、HP社があったパロアルトは高速道路を隔てて東と西では全く違う町、イーストパロアルトはいわゆる黒人街で、まず白人の入らない領域だったが、ここの貧困を助けるために創立者のパッカードが採算を無視して小さな工場を開いていた。日本人も一度見たほうがいいだろうと思ったのだろう、連れていかれてただびっくりしたものだったが、2度目、1980年には人種や男女差別に対する変化が始まったころだった。Chairman、と言ったら、no, you must say chairperson  !  などとたしなめられて何が何だかわからなかったことを思い出す。あれから何年たったか、この国の悩みはつきないのが実態のようだ。