新政権に期待するコロナ対策    (34 船曳孝彦)

第5波は理由が説明つかぬまま、収束に向かっています。このまま終息して欲しいところですが、まだまだ安心はできません。やがて第6波がやってきます。私は日本で大流行したデルタ株自体の波はほぼ終わったと見ていますが、デルタ株からの変異株がすでに数種類見つかっております。デルタ株以外からの変異株も発見されています。日本では急速に収まって来ていても、世界ではまだまだ拡大していますから、これらからの新たなパンデミックが起きる可能性は大いにあるといってよいでしょう。

最も重要な第6波対策は、海外からの新変異株の流入を何とか阻止することです。業界は観光客激減を回復すべく躍起になっていますが、観光客、日本人帰国者全員のPCR検査をし、検疫の徹底と分析、そしてその追跡が必要です。

対策の第2は新しい株に有効なワクチンを早く作成することです。RNAワクチンですから可能と思います。実績のない研究に冷たい日本の科学研究費体制を変えて、研究費を注ぎ込んで欲しいと思います。さらに文科省が出した「ワクチン接種を強制しない」という通達はネガティブキャンペーンです。接種率を100%に近づけるようにするのが国の努力義務だと思います。

対策として、病床確保があります。選挙公約に使いやすいので、いろいろと言われておりますが、要はベッド数ではありません。中身と運営上の改善です。ここまでコロナ患者が減ってくると、病院側としても空床としておく訳にもゆかず、そうかといって入院できずに自宅で亡くなる人を出すことは二度と許されません。患者の流れを調整することがキーとなります。

これだけの世界的大災害ともいうべき新型コロナウィルスのパンデミックですから、何の対策も心配していなかった2年前の社会にそっくり戻ることはないでしょう。ワクチンも必要でしょうし、マスク頻用や大声での会話、三密回避など感染防御も必要でしょうが、インフルエンザ並みとなって、誰しもこの束縛から脱したいと思っていることでしょう。やがて新しく発足する政権が、科学者の意見を尊重する政治をしていただくことに望みをかけています。