フレイル(高齢者にみられる下肢の筋力低下、立ち上がる時のいわゆるドッコイショ症候群もその表れです)についての話です。
テレビではトランプが「慢性静脈不全」だと騒いでいますね。皆さんには耳慣れない病名かもしれません。日本ではこのような言い方や診断名はあまり使いませんが、下肢の静脈血栓という病名は聞いたことがあるでしょう。それによく似た病態です。
多分、トランプ氏は下肢がひどく浮腫(むく)んで腫れあがり、その原因として心臓や腎臓には異常がない?ので、下肢の静脈が血管硬化で固くなり、足の血液を心臓に戻す働きをする静脈弁の働きも極端の悪くなったのが浮腫の原因という説明です。要するに心臓に帰るべき下肢の血液が大渋滞を起こし 静脈がはれ上がり血液中の水分が血管外に漏れ出て浮腫(むくみ)になったという事です。「動脈硬化」という言葉はポピュラーですが、こちらは簡単に言えば「静脈硬化」ですかね。静脈だけが硬化するわけはないので一緒に可なりの「動脈硬化」も彼の身体には起こっているのでしょうね。
最近の彼の言動をみているとそれもうなずけます。
握手のし過ぎとのことで彼の上肢にはアザが出来ていましたね。これは下肢静脈にできた血栓が肺に飛ばないように抗凝固薬という血液が固まりにくくする薬を飲んだせいかもしれません。この薬は心房細動などにも使う薬ですが、大量に摂取すると身体じゅうどこにでも出血が起こりうる非常に使い方の難しい薬です。私も沢山の患者さんに処方していますが、非常に気を使って使用しています。
もし彼が治療してはいないが高血圧があったり、興奮すると血圧が上がる体質だったら脳出血や他の部位の出血の危険もありますね。 イスラエルのネタニヤフがシリアに爆撃を仕かけたのが、彼の血圧に影響しなければいいのですが。或いはこれはネタニヤフの策略? これは一寸考え過ぎかな。
