”麒麟は来なかったか” 読みました  (37 菅谷國雄)

9日のブログを拝見しました。「大河ドラマ」は今まで見たり見なかったりでしたが、「麒麟が来る」は従来の単なる軍記物ではなく、登場人物の心理描写など巧みで見応えがありました。

「江戸時代は最良の時代、麒麟が来ていたのではないか」のお考えに賛成です。3世紀に及ぶ安定した平和の時代は、「パクス・トクガワ―ナ」と言われるほど戦乱の時代に終止符を打ち、物質的・精神的な豊かさをもたらしてくれました。日本の文化の素晴らしさ、繊細な美への眼差し、自制のある生活習慣など、江戸の遺伝子は、今なお我々の心底に流れる「日本らしさ」であります。

実は小生、地元の三田会から「蕎麦今昔・江戸の食文化」と言うテーマで講演を依頼され安請け合いしてしまい、慌てて積んでおいた本を読み直しています。最近は、若手歴史学者の磯田道史氏などが持て囃されていますが慶應義塾大学名誉教授で文化勲章を受章された、速水融氏の「歴史の中の江戸時代」徳川宗家18代当主で日本郵船副社長を歴任された、徳川恒孝氏の「江戸の遺伝子」この2冊はお薦めで、江戸時代の豊かさと奥行きを改めて教えて貰いました。

又偶然ながら速水融先生は、私の畏友で早世した川島亮三君のゼミの先生で彼がKWVを辞める時に「ゼミに集中して大学に残るため」と言ったことを60数年ぶりに思い出しながら、感慨一入でした。