一反市民的行動の記録     (投稿者不明)

国を挙げて行動自粛が叫ばれている中ではあるが、浜の真砂と盗人は絶えず、おかみに逆らって県外行動をした男女(70歳代後半、そういうことはないと思うが万が一大学卒であれば昭和41年位の卒業生と推測され、居住地は埼玉県北部朝霞あたりと思われる)から本稿あて送られてきた投稿を転載する。

にっくきコロナで朝霞の川土手4Kmだけを歩き回っていた夫婦には、少々アキが来ておりました。京都上洛も出来ずに愛車を1カ月半近く車庫止めさせていたので、天気が良ければ誰にも会わない夫婦二人だけで慣らし運転兼ねてのドライブを敢行しようかと不埒な計画を考えておりました。

ルートは関越ぶっ飛ばして心のふるさと三国山荘へ、紅山桜を観に行こうと意見は一致したのです。トイレとコンビニ弁当買う時だけは人との接触場所になるので最善の注意と感染予防準備怠りなく、さていつ敢行しようかと思っていた矢先に、XX様(この3文字、解読不能)からの早朝メールが届きました。一報曰く「反逆行為の成果、かたずをのんでお待ち申し上げ候。」…こいつは即行かねばなるまい!

5月1日天気良好にて、おだやかな春霞の日でした。午前11時二人は奮って朝霞宅を愛車で反逆の旅へと出発致しました。運転席はカミさん、助手席は旦那が当家のドライブ定席なのです。街中は結構車で混雑していて、買い物客が通常の生活感を漂わせて普通にあふれておりました。関越道所沢ICから入線しばらくはトラック、自家用車と並走していましたが、だんだん車が減って来るのを感じてはおりましたが、東松山辺りからは前方に車が消えたように見えなくなりました。

GWなのにとても信じられません。この様がにっくきコロナがもたらす“自粛”という現況なのでしょうか?初体験にもうビックリの連続です。軽井沢方面への分岐藤岡JCTを過ぎ車は2~3台しか目に入らない関越道を高崎、前橋、渋川へと進み赤城高原SAでトイレタイム、駐車場はガラガラです。

越後湯沢の中野屋でヘギ蕎麦でも食べようかとTELするも臨時休で不通、やむなくSAの食堂で舞茸てんぷらそばをお互い2m離れて食す、人の作ったものはとても美味なのだ!でSAスタート。

ルートを月夜野ICから17号線三国トンネルコースに変更し、春のどかな利根の里を気持ち良く快走、猿ヶ京では雪をかぶった谷川前衛峰小出俣山が豪快に迫り、三国トンネルの手前街道からは名峰・稲包山が凛々しく仰ぎ見える。気分は最高いよいよふるさと浅貝が近いぞ!紅山桜ははたして咲いているのかな?と思案を巡らしながら暗いトンネルを出て、三国街道を一路三国山荘へと下る。

別荘地入口付近の紅山桜の小並木は残念無念、紅色の小花は一分咲きという具合でございました。気を取りなおして三国山荘へ。誰もいない山荘ではいろいろな春の色を生み出しておりました。

フキノトウの淡黄花、カタクリの紫花、サンシュユの鮮やかな若緑、白樺の緑小葉、青い空と白い雲、いいな、いいな!夫婦は勝手にあちこち庭を歩き回って春の上越の息吹を身体に染み込ませました。残念ながら征蔵桜の芽吹きはまだまだでしたが枝木を通して見える残雪の筍山が大きくそびえています。これこそが最高な反逆の成果です!我が心のふるさと浅貝の静かな春をおおいに堪能致しました。

山荘あたりのカタクリの花

今回は福島屋の母ちゃんにも会いませんのでお墓にお参り挨拶をして、後半ルートの開始です。帰路は越後湯沢に周って、湯沢パーク広場の紅山桜に少しの望みを託し静かな街道を一路下ります。下り三国街道では山々に咲く白い山桜、清流の若葉林などを見物しながら、相変わらず対抗車少ない曲道を快走して湯沢パーク広場に到着、山桜は盛りを終え散り桜に、紅山桜はこれから桜で5分咲きでしたが綺麗な紅色を見せてくれました。ちょっと満足を感じながらも次回こそ満開
時に観桜行をしたい!

そして、関越道・越後湯沢ICから自宅に向かいます。土樽付近からは上越のマッターホルン太源太山がカッコ良く迫ります、長い清水トンネルを抜け、行き交う車は相変わらず少なく、出ましたスピードが……旦那は助手席でコックリ居眠り中、「ちょっと、ちょっと!」とカミさんの声「後ろは覆面パトカー?」で飛び起き、確信しました。覆面パトカーの誘導で赤城ICで取り調べ、老警官から「40Kスピードオーバーと追い抜き車線走行2Km」の違反警告です。これは交通違反大罪だぞ!と思った時でした老警官のコロナ(心)良い一言は「コロナでパトカーへのメーター確認移動は困難ですので今回は通行帯違反だけにします!」
との判決です。何と6000円の罰金、原点1点でお許しを頂けたのでした。

結果、反逆のドライブ行は「にっくきコロナ」のお陰でお開きになりました。 功罪半々でメデタシメデタシ!

山麓の春はこんなだった