COVIDの爆発的蔓延について   (34 船曳孝彦)

新規感染者が東京3000,5000を超える日が近いと理解していたら、なんとあっと言う間に3000をこえ、全国では1万5千人を超える大変な勢いとなってきました。

爆発的蔓延と言ってよい感染拡大で、パンデミックの典型的な型を取ってきたようです。国は感染者全員を調べないのでハッキリはしませんが、デルタ型が大部分を占めるようになってきています。そのこと自体は必然的なものであり、本来ならデルタ型にもワクチンが有効なはずですが、問題はVirus がこのような旺盛な繁殖・蔓延をしている時は、変異を起こしやすいとされています。デルタ型から次の変異株(デルタ+等)になって、ワクチンが効かなくなる可能性もあります。Virusの詳細な検索、研究とともに、ワクチンについても研究を進める必要があります。

「家庭でのTV観戦で人流は減少する」などと都知事はいいますし、首相は「五輪と感染拡大は関係ない」といいますが、緊急事態宣言は酒類提供店規制だけであるかのように宣言に人出抑制効果はなくなってきており、現実はオリンピック開幕以来人出が減っていません。第1回目の緊急事態宣言時の人流の変化とは大違いです。一般市民のコロナ慣れ、緊急事態宣言慣れが広がっています。TVでオリンピックの番組を見ていますと試合の時の各国選手団、関係者は、まさに密な状態で大声を挙げて応援しており、オリンピック関係者に感染者が続いております。オリンピックと同時に一般市民の間にも拡散していることは明らかで、かっての『スペイン風邪』(本来スペインは無関係)の名前がついてしまったように、不名誉な『東京五輪風邪』などと呼ばれる程の世界的蔓延とならぬよう祈るばかりです。
幸いに致死率は高くなっていませんが、感染者増加で一番困るのは病床不足となり、医療崩壊を早めることです。中等症、軽症者も本来全員入院が必要ですから、物理的に全く入院出来ない事態も想定されます。インドのように病院前に寝転がされている事態を想像してください。病院ベッドをもっとコロナ患者用に回せという声は大きいですが、現実は既に厳しい状態となっています。

オリンピック競技中にも熱中症が出ていますが、そのほかに心筋梗塞、胃癌、脳梗塞などの患者さんの治療を手付かずで放置するわけにもいきません。

Virusの蔓延で人口の何割という感染者を生むようになるか、何とかVirusを抑え込むことが出来るか、今は日本人の、ひょっとすると人類の運命の分岐点かもしれません。 今の感染者の年齢層は、20,30,10代が主となってきております。彼らに1日でも早くワクチン接種を受けさせるよう国に要望するとともに、接種回避ムードを打ち消さねばなりません。街中街頭飲酒は勿論のこと、「店に入らなけりゃいいんだろう」と連れ立って歩く若者を説得することも必要です。

感染者の多くが比較的長時間、多人数で、会食しています。私たちも残念ながら我慢を続けましょう。