梅雨明けとともに猛暑到来。コロナ感染者も急増。蒙古襲来ではないですが、オリンピックを前に身が引き締まる思いです。
ところで、船曳先生、篠原先生からコロナ関連のお話が続きましたが、たまたま昨晩ワンゲル40年卒のぴょこさんと42卒の河瀬さんが会長、副会長を務めているサイエンス映像学会主催のワクチンに関する講演会をZOOMで聞きました。講師は英国のインペリアル・カレッジ・ロンドン在籍の免疫学者小野昌弘先生です。
コロナウイルスがデルタ株に変異した後のイギリスでの感染状況やワクチン効果がどのように表れているかなどについて統計データに基づくお話をお聞きしましたが、気になる話がいくつかありましたので、ご参考にお知らせします。
変異したデルタ株はそれまでのウイルスに比べて、
- 感染力が非常に強い。
- 重症化率が高い。
- 既得の免疫をすり抜ける、とのことでした。
* 従来株は感染者数が集団の70%を超えると集団免疫効果が働き終息に向かったが、デルタ株は感染力が非常に強く自然体で集団免疫を獲得する状態には至らない。集団の98%以上の人のワクチン接種が必要と考えている。
* ワクチンの持続効果が短くなり、恒久的に一定の生活制限・感染防止対策を続ける必要がある(新型コロナウイルスの変異による脅威の度合いは今のところ予測不能だが、世界各地で変異の系統ごとに異なる進化を続けていく恐れがある)。
* 事例として、ブラジル・アマゾナス州マナウスでは2020年秋に住民の76%が新型コロナに感染し、その後収束に向かったが、2021年1月以降再度急増。ウイルスがデルタ株に変異したためと考えられる。
* ワクチンを接種しても他の人に感染させる事例が出ており、ワクチン接種は100%の防御策にはならない。
* コロナに感染すると若い人でも合併症を起こし、感染者の10%以上の人が1か月以上後遺症に苦しむケースがある。
* 80代以上の人は中和抗体のでき方が少ない(ワクチン効果が少ない)。このため英国では3回目のワクチン接種の検討を始めている。
* 別の講師(元東大医学部教授の上(カミ)昌広先生によるとデルタ株は「空気感染する」などです。