コロナ対策最新情報です  (34 船曳孝彦)

新型コロナウィルス感染症が発生して7か月になります。日本では第2波もやっと峠が見え始めたといってもよいかと思います。永年山を歩いてきた皆さんは良くお分かりと思いますが、これが偽のピークで本峰はまだその先ということもアリ、とは思いますが。

 一流医学誌に、ある種の変異(専門的には382ヌクレオチッド欠損)によって重症度は下がり、酸素補充療法使用率が下がっているという論文が載りました。想定されていたことですが、科学的データとして出始めたのです。

前回も述べましたが、ごく少数のスーパースプレッダーが感染を広めており、それがどういう患者か区別しがたいことが問題です。軽症、無症状感染者と健常者が区別できないのですから、この熱中症が多発し(死亡率は熱中症の方が高い)新型コロナとの鑑別が問題とされているとき、PCRなり抗原検査なりを、何時でも何処でも何回でも行う必要があると思います。感染者との濃厚接触者を知らせるアプリは、検査が行き届いた後の話でしょう。

 厚生労働省は万死に値するといってもよい程の罪を犯しています。

21世紀に入って最初のパンデミック(2009年の新型インフルエンザ)は何とか乗り切れたのですが、その時の総括報告書で指摘され提案された諸問題(PCR検査の準備、迅速検査法の開発導入、医療体制計画など)が、今回のコロナ伝播までに、何一つ対処していなかったことが、今日の右往左往に繋がっています。

PCR検査(もちろん抗原検査も含め)基礎Big Data が整っていない。これでは科学的検討が不能です。やがて収束された暁には、世界的に科学的検討がなされ、次なる感染症対策が検討されるでしょうが、日本のデータは研究対象外となってしまいます。低開発国というか後進国です。

新型コロナ対策で、感染症法第2類に準ずるとしたことも、現在はいろいろ問題があり、新たな類として検討し直すべきであると指摘されても、あるいは新検査法が次々に開発されても、保健所に全て業務を集中していては無理だと指摘されても、一向に改めずに固執していること。信じられない行政です。

 そのような社会ではありますが、この自粛、自粛を迫られる中、どうすればよいのでしょうか。

A葬儀を始め、日本古来の文化、伝統が崩れています。学校教育も、早めの2学期で元に戻ったでしょうか。10代以下のコロナ感染率は低く、重症例は極く稀です。面と向き合っての教育、友達との会話、付き合い方、青春時代特有の交流、これ等は何物にも代えがたい経験です。ウェブ授業では決して補えません。もしこのまま大人になったら、どういう大人になるのでしょう。

B一般の医療離れが進んでいます。感染を恐れての受診自粛は分かりますが、今はもう大丈夫ですといってよいでしょう。勝手にサボって重症化しないようご注意ください。心筋梗塞のカテ処置が昨年比で25%減と言います。心筋梗塞自体が減っている筈はありませんから、その25%のうち相当数が命を落としている可能性があります。

C自粛の枠にオーバーな部分もあります。例えば外出するとき、私はなるべく人のいない道を選びますが、そのような時にはマスクは外しています。電車、バスに乗るときは勿論マスクをしますが。ソーシャルディスタンスも1.2m弱でよいと思います。2mだ1.5mだといっても、後ろの方では密接しています。

国としては、自粛解除の目標を明示し、国民が希望をもって自粛できるような、そしてGo To Travel 東京除外から外すべきかどうかの判断前に、専門家と十分協議して決めるべきと考えます。

D医療崩壊はじわりじわりと内部から進んでいるようです。KWV三田会員の中に、例の10万円をそっくり寄付された方もおられますが、本来は国が手当てをすべき国民の危機だと思います。

 やがて、とりあえずの収束を迎えるでしょう。良い空気の大自然の下で身体を動かしましょう。コロナ鬱になっては元も子もありません。その日のために心身ともに準備しておきましょう。