最近売り出し中の推理小説作家 中山七里 に、クラシック音楽をテーマというか背景にしたシリーズがある。タイトルにいわく、”いつまでもショパン” ”どこかでベートーヴェン” といった具合で音楽家岬洋介がポワロ役で活躍する。そのシリーズで一番初めに読んだのが ”おやすみラフマニノフ” で、その中でプロの音楽家は彼を ラフマ と呼ぶことを知った。その調子でいえば ”ラフマの二番” がここのところ話題の中心になっている。コロナ話題に押されて多少遅くなってしまったがこのラフマをはじめ、”文芸もの” が話題になってきたのは菅原勲、安田耕太郎、そのほかの文芸映画に関するやり取りからであるので、仲間内の時ならぬラフマ症候群をご紹介しておこう。時系列的には順不同であるが、きっかけは前回紹介したが小泉発のこの一文のようだ。
(小泉)あまた数ある中で、英国映画「逢びき」。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が全編に溢れるように流れている・・・・その後マリリンモンローの「七年目の浮気」、ジョーンフォンティーンの「旅愁」、エリザベステイラーの「ラプソディー」や最近の「のだめカンタービレ」等に、この第2番が登場する・・
(金藤)ラフマニノフの曲はフィギュアスケートでもよく使われていますね。他の曲だったと思いますが、パトリック・チャン 安藤美姫等がラフマニノフの調べに乗って滑っていたような気がします。
(小泉―金藤)「逢いびき」苦労されての入手からの鑑賞、感動も一入だったことでしょう。ラフマニノフの協奏曲第2番、他の映画では、出演者がピアノを弾く場面がクライマックスとなりますが、「逢びき」では、恋に落ちた人妻の感情の起伏が音楽の中に埋没している感じでした。「旅愁」では、原題のセプテンバーソングとこの2番との係わり合いが、何とも言えなかったですが、最後、恋を諦め、ピアニストとして再出発するコンサートの場面がクライマックス。「ラプソディ」は、エリザベステイラー扮する裕福な美しい娘が、気難しいが、魅力的なヴァイオリニスト、ヴィットリオ・ガスマンと生真面目一点張りのピアニスト、ジョン・エリクソンとの間で揺れ動く中、ヤキモキするが、結局第2番を弾くピアニストの方を選ぶ。「七年目の浮氣」は、先日の5月11日に放映されたが、トム・イーウエルが第2番を弾きながら、マリリン・モンローに妄想を描く場面でのモンローの言葉「この曲に弱いの。ゾクゾク感じる。鳥肌がたつわ・・・どうかやめないで・・・」この映画自体が「逢びき」のパロディなのだろう。・・・ラフマニノフの交響曲第2番とありましたが、誤植かと思いますが、この交響曲第2番の旋律が協奏曲第2番に匹敵するぐらい、その旋律が何とも言えません。特に第3楽章の旋律は、ポピュラーな響きから、TVドラマの挿入曲に使われたりしたらしい。また平原綾香がアダージオの名前で歌っているのは聴いたことがあります。
(久米)小泉先輩のラフマニノフ愛はすごいと思います。クラッシック倶楽部のN響はなぜか見逃しておりますが、6月3日にはクラッシック倶楽部でラフマニノフの前奏曲集23番と32番をニコライ・グランスキーの演奏で放映しておりました。やはりピアノ協奏曲2番が感動ものですね。
(安田)小泉さんの専門家はだしのご説明分かり易く有難い限りです。ロータの音楽は「道」「太陽がいっぱい」「山猫」「ロメオとジュリエット」など忘れない名曲ばかり。プロコフィエフのクラシック曲「ロメオとジュリエット」両方楽しめます。コッポラ映画「地獄の黙示録」のヘリコプターが飛来するときの「ワルキューレの騎行」は迫力満点。気に入った映画・音楽のコンビは、「2001年宇宙の旅」と「ツァラトゥストラはかく語りき」、「羊たちの沈黙」と「バッハ・ゴールドバーグ」、「戦場のピアニスト」・・・・・ちょっと古くは、「ヴェニスに死すと「マーラー・交響曲5番」、「逢いびき」「旅愁」「七年目の浮気」と「ラフマニノフピアノコンチェルト2番」です。
(後藤)小泉さんの音楽や映画に関する知識とその縦横の広さと深さには本当に唯敬意あるのみであり驚いております。先のメールにあったラフマニノフの作曲した”Lilacs”と言う歌曲の小品は私がカルーソーの次に大好きだったスエーデンの名テノールJussi Bjoerlingがカーネギーホールで1958年にコンサートを開催した演奏会で歌っておりました。何故この歌が英語で歌われたのか不思議に思っておりましたが逸話を読んで納得しました。ラフマニノフの歌曲には素敵なものが幾つかあるようですが歴史を知るとまた探して歌ってみたいと思います。話は少し逸れますがBjoerlingは大酒飲みだったそうでカルーソーと同じ48歳で亡くなりましたが素晴らしい演奏を数多く残しております。また、明年はEnrico Carusoが亡くなって100年(1921.8.02)となりますので私も保有している彼のオリジナル録音のSPレコードのコンサートを原宿の小ホールをお借りして追悼の会をやろうと思っております。その節はどうぞ聴きにきてください。
(金藤) 皆様の高尚な流れるような文章が次々飛び交う中、ただ感嘆して読ませていただいておりました。 今週観た映画です。
ジェーン・エア 1943年 Amazon プライム オーソン・ウエルズの眼光・存在感!
恋人たちの予感 BSプレミアム 久米様 ご紹介ありがとうございました
男女の友情は成立するのか? メグ・ライアンが元祖ラブコメ女王としてスターダムを駆け上がった最初のヒット作とWebにありましたがラブコメ? メグ・ライアンがキュートでした
サイコ BSプレミアム 子供の時にシャワーのシーンが怖くてTVの前から逃げて最後のシーンをまた見に戻った映画です。今回は全部見ました。
翼よ!あれがパリの灯だ BSプレミアム 途中からどんな飛行機で大西洋横断したのか興味ありましたが、よく無事で・・・
次の映画鑑賞は 小泉様からご紹介いただきました 「ラフマニノフ愛の調べ」 がAmazonプライムにありましたのでこちらの映画にします。
今日は、後藤様の、Jussi Bjoerling 美しい歌声の”Lilacs” と後にピアノ独奏用にも編曲されたという リラ(ライラック)の花 Op21-5 のピアノ演奏(こちらも情感豊かで美しい曲でした) がYouTubeにありましたので映画鑑賞前夜試聴会です。夜 遅くなり大変失礼いたしました。蒸し暑くなってきましたので、熱中症にお気をつけてお過ごしください。
(編集子注)”栄光の70年代”後半、HP八王子工場の片隅にあったマネジメントシステムサービス(通称MSS)という名前ばかりがまがまがしい職場、初めて”マネージャ” にしてもらった小生の隣で、”セクレタリ” の やっこ のイメージは職場の雰囲気をいつも明るくしてくれた人柄とときどきやらかす他愛ないチョンボの数々、それとほかの連中に手ほどきを受けながら COBOL に挑戦していた彼女が(IBMのしつけでアセンブラしか知らなかった小生にはIDENTIFICATION DIVISION、なんて書いてる彼女がえらく見えたものだが)これほどのエーガファンとは、これまで知らなかった。人間、長生きはしてみるもんだ。それと、このラフマの二番、であるが、”アラビアのロレンス” にもフィーチュアされていたと記憶しているのだが?今手元にDVDがなく検証できないのだが。
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