きな臭い話だが    (普通部OB 菅原勲)

多少きな臭い話しで申し訳ありませんが、ご存知の通り、1月13日(土)、台湾で総統選、立法院選(議員選)が行われます。総統選は民進党の頼が勝ち、立法院選は民進党が多数派を維持すれば、当面は、さしたる問題はないと思います。しかし、中共の干渉が余りにも凄まじいので、総統選は国民党の侯、立法院選は国民党が多数派となることも強ち否定できないようです。その国民党は、中共と仲良くなりたがっています。

ここからは、誠に悲観的な見方になりますが、そうなると、習近平は濡れ手に粟、戦わずして台湾を手に入れることになります。こうして中共の掌中に収められた台湾を、果たして米国は取り戻しに来るでしょうか。また、台湾有事は日本の有事だそうですが、米国が手を引いた台湾に、軍隊を持たない日本がチョッカイを出すことが出来るでしょうか。

勿論、総統選と立法選の結果、ねじれ現象が起こるかもしれません。ただし、そうなった場合の事を云々する能力は小生にはありません。皆さんは、どうお考えでしょうか?

グーグルによる ”台湾有事” の背景の解説ー

――台湾海峡の中間線とはどのような線ですか。

海峡のほぼ中央に引かれた折れ線です。中間線を明示した公的な地図は意外と少なく、2004年に台湾の国防部長が立法院で中間線が通る緯度と経度を明らかにしたのが数少ない資料です。最近、よくニュースになりますが、実は国際法上は何の意味もない線なんです。

――何の意味もないのですか。なぜそんな線があるのでしょうか。

1949年に蔣介石の国民党政府が大陸から台湾に逃れた際に、共産党側がそこを越えてきたら色んな対応をとるということを示すために海峡の真ん中に作戦用の線を引いたからです。当時は米軍も台湾を支援していましたから、米軍の航空部隊の戦術上もそのような線が必要でした。

 ――米軍が関わっているのですね。

はい、当時はまだ米軍の支援を受ける国民党の軍の方が共産党の軍より強かったんです。国民党は「大陸反攻」と言って、また大陸に戻る気構えで爆撃や偵察、工作員潜入などを仕掛けていました。中国の大陸沿岸は台湾海軍がおさえていて、中国の船を妨害することもありました。米国としては国民党軍にあまり手を出してほしくないという気持ちがあり、中間線を引いて台湾海峡をどちら側からも渡らせない、という意味がありました。

――その線が今まで続いているのですか。

はい。台湾側が勝手に引いた線ではありますが、これを越えたら敵対的な意図があるとか、挑発をしているだとか、政治的な意味を持ってきたことは間違いありません。

(編集子)先に中国経済についての識者の著述を紹介したばかりだが、大規模戦争が国内の不満をそらすために外敵をでっちあげ、国民の不安をあおった結果勃発した例はいくつもある。まして中国は共産党独裁によって国民の思想まで制御しているわけだから、その気になれば戦争に訴えるのは簡単だろう。もしそのとばっちりを日本が受けたとき、国民が一致してそれに対応できるのかどうか、誠に心もとないと思うのだが。