エーガ愛好会 (215) シャレード     (42 河瀬斌)

60年ぶりにこの懐かしい曲を聴きながら、ヘップバーンとケリーグラント扮する1963年製作の「シャレード」を本日見ました。私は1970年以降は夜昼のない多忙な仕事に打ち込んだため、40年間一切の映画を見ませんでしたので、筋は覚えていませんでした。しかし学生時代に聞いたこの曲は私の脳裏にも刻まれています。
 舞台はスイス。夫と離婚を考えていたレジーナは旅行中突然自宅がもぬけの殻で競売になり、自分の夫が死体で発見されたことを知らされる。売られた金25万ドルの行方を巡って未知な男性3人が現れ、金を渡さないと貴方も同じ運命にある、と脅される。米国大使館に呼ばれてその金は国から盗んだものでCIAから追われていたことを知る。旅行中知り合った男ジョシュアが介在し助けようとすると、彼女は彼を次第に好きになってゆく。しかし彼も偽名を使って脅しのグループの一味のような振る舞いを見せ始める。脅した人は次々と不明の死を遂げる。 不明の25万ドルはどこに行ったのか、殺されそうな窮地のレジーナはどうなるのか、偽名を繰り返し使って助けるように見える男の最終目的は金か、果たして何者か?
筋書きを覚えていない私は返ってロマンと複雑な筋書きを楽しめました!この時代のシネマは大人のロマンに満ちたセリフ、ウイット、じれったさを感じさせますし、米国映画のせいか死体の場面も生々しくありません。ヘップバーンの大きな眼と裏腹にズバッと発する言葉から出る感情とそれを受けるグラントのやや冷たいセリフと行動も、現代のベタベタする恋愛映画と違って楽しい。私は生々しい場面を日常見ている外科医のせいか、西部劇や現代の激しく戦う映画よりもこの時代の映画が好きです。それとも私もやはりその時代にあったレトロな人間なんでしょうかね。
(船津)まぁオードリーのジバンシィの洋服の素晴らしいこと。タイトルも斬新ですね。タイトルデザインをモーリス・バインダー。ヘンリー・マンシーニ作曲のテーマ曲も良いですね。
主演のグラントは、共演するヘプバーンとの年齢差(グラント59歳、ヘプバーン33歳)を気にしており、観客にどう見られるか不安を抱いていた様ですが、そんな心配ナーシでしたね。
しかし、あの可憐なオードリーもややいだけない感じしましたが、あの色男ケリーグランドとの何とも不思議なやりとりがこのエーガのキモでしょうね。
結末のネタばらしは内緒にした方が良いというかどうでも良い感じの映画ですね。その良さは河瀬斌医師のご感想の通りですね。面白い。こう言うエーガ好きです。

シャレードってどういう意味ですか? 映画のタイトルになっていますが・・・シャレード(charade)は、身振り手振りで言葉あてをする遊びです。 ジェスチャー・ゲームのひとつです。 映画・ドラマ・舞台(芝居)では、台詞によらない描写です。