今年のインフルエンザ予防接種について   (普通部OB 篠原幸人)

読者の一人、O君からインフルエンザのワクチン接種は今年はどうしたら良いかとの質問がありました。確かに気になる問題ですね。

昨年冬のコロナ騒ぎの最中は、インフルエンザ(以下インフと略します)は本当に影を潜めていました。私は呼吸器病の専門家ではありませんが、それでも毎年流行期には他の病気で通院中の患者さんでも、週に1-2人はインフに罹って来院されていました。こちらもそのトバッチリで、2月ごろにはインフの予防接種をしていても、軽いインフには罹っていました。毎年です。

これはインフの予防接種が効かなかったからとは言いきれません。インフのウイルスにはコロナ以上に沢山のバリエーションがあり、その年によって流行のタイプが大きく異なります。専門家がこんなタイプが来年は流行るのではないかと予想して、次年度のワクチンを作るのですが、当たる時も当たらない時もあります。占いみたいなものです。平均して、インフのワクチンは小児では60%、高齢者では30-55%に有効との報告あります。あまり有効性は高くはないですね。しかし、接種は高齢者のインフによる死亡率は明らかに下げることが知られています。決して無駄ではないわけです。従って、皆さんは今年もインフのワクチン接種もされたほうが良いと私は思います。毎年、副反応が出ていた人は別ですが。

毎年、インフのワクチン接種をされていて、今まで高熱などの副反応が出たこともなく、コロナワクチン接種後も微熱が出る程度だった方は、是非お勧めです。問題は3回目のコロナワクチンとの兼ね合いです。厚生労働省は二つのワクチン接種は2週間以上は空けてほしいという見解です。私は一緒に打っても大丈夫ではないかとすら思っていますが。

私のいる国家公務員共済組合連合会立川病院では、医師のインフ ワクチン接種が始まっていますが、一般用のインフ ワクチンは今年は品薄の様です。3回目のコロナワクチンはまだ先でしょぅから、インフ ワクチン接種の予約は早めにされていたほうが良いと思います。但しインフ ワクチンの効果はあったとしても、数か月しか続きません。従って、インフ ワクチンの接種は12月ごろ、3回目のコロナワクチンを若し打つようなら来年初めあたりが適当でないでしょうか。

これらの2種のワクチンがお互いに悪さをするかどうかはまだ不明ですし、3回目のコロナワクチン接種にはまだ日本政府は正式には踏み切っていません。毎年、インフ ワクチン接種をされていた方は、今年も早めにかかりつけ医または近所の診療所に今から申し込みをされたほうが良いと思います。