コロナ対策について   (34 船曳孝彦)

首相が変わっても、やはりコロナ対策が大きく変わることはありませんでした。安倍首相がオリンピック待ちで後手後手となり、感染者が増加し、一斉休校、アベノマスクで不評を買い、PCR検査を増やすと盛んに宣伝していた(5月)ころ、厚生労働省は「検査を増やせば陽性者が増え、医療崩壊につながる」と検査抑制方針を崩さなかった内部資料が、民間団体(シンクタンク)の調査で分かりました。PCR検査で正確に判定できるのは陽性者の70%、陰性者の99%であるから、百万人都市で全例検査し、感染者が1000人いたと仮定すると、感染者300人は陰性の判定で健康だと誤解して出歩き、一方本当は未感染者であっても999,000人の1%(9,990人)が陽性と出て、病院なり指定施設なりに収容が必要となって医療崩壊につながるという理論でした。この偽陽性者を少なくするために、濃厚接触者や間違いなく感染患者と思われる人のみ検査を絞ったため、検査をしてもらえない人が多く出て社会問題化したのです。感染した人の調査では、約半数が無症状(毎度述べているが無症状というより未発症)感染者から感染したというデータもあります。

本来検査で100%などという検査はないし、健康な陰性であっても翌日に感染してしまうことだってありえます。それは再検査をどこまでやるかにかかってきます。プロ野球で感染者が出た球団では2,3日単位で再三検査をするところもでてきました。

確かにこのところ感染者が出たという話が身近になってきました。例の有効再生産数が1.0を前後し続けており、日本の数値はヨーロッパの数値より悪いのです。これが小さくならないと収束に向かいません。

死亡率は下がっているもののVirusの感染力は衰えていません。うつされない・うつさない対策をしっかり守る必要があります。そのためにも検査の重要性は大きいのです。検査の精度は上がって(90%以上)きていますし、唾液検査の成績が鼻咽頭ぬぐい液検査と全く遜色ないという論文も出てきています。まだ ‟希望” 検査が何万円という状態が続いています。抗原の簡易検査も出ていますし、PCR検査でも複数検体一括検査(プール式検査)なら、例え全国民を検査したと仮定しても、Go-To-○○に掛ける1兆3千万円の1/5で済むという提言(ノーベル賞受賞者本庶氏)もあります。

死亡率が減って来たのは、重症化予測できるマーカーを発見したり、重症管理医療が進歩したりしたためであり、弱毒化したのではないと警鐘が鳴らされています。私達高齢者は十分な注意が必要です。

常識外れのトランプ大統領が、未承認ワクチンと重症者対象薬を使って快復したと大見得を切っていますが、真相は如何なものでしょうか。政争の具にされてはかなわないと、お膝元のアメリカ製薬会社CEOから評価申請の提出は早くても11月末になると慎重論が出ています。

町中では多少緩んできているようにも見受けますが、マスク着用による感染抑制効果は、医療従事者を対象にした研究で証明されましたので、ヒト気のない場合を除いてマスクはやはり積極的に活用しましよう。三密については、世の中神経質になりすぎている場面と、密すぎるという場面が混在していると感じます。クラシック演奏会など復活して欲しいし、外野席がらがらのスタンドは虚しさを感じます。With Coronaの時代であっても、むやみに怖れることなく、適正に行動し、日本の文化、伝統を守りましょう。学校を始め、人と人とのコミュニケーションは大切です。 まだまだ先が見えて来ません。あと半年と目標を立てて踏ん張りましょう。

12月25日には世界的科学者であり我が畏友黒木登志夫氏著『コロナの科学』が中公新書から出版されます。私も期待しています。