春の鎌倉散策      (44 安田耕太郎)

啓蟄の時期には人間様も蠢かねばと、鎌倉散策を楽しみ、陶芸にも初めて挑戦してみた。去年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」放映中は混んでいるだろうと敢えて鎌倉行は断念し、春めいて桜も咲き始めた先週久し振りの鎌倉を散策。JR北鎌倉駅から歩き出し、西の方角に位置する駆け込み寺として知られる「東慶寺」へ。境内の墓苑には有名人の墓の多さにびっくり。小林秀雄、西田幾多郎、鈴木大拙、出光佐三(出光創業者)、和辻哲郎、高見順、谷川徹三、野上弥生、安倍能成、織田幹雄、大松博文など。

小林秀雄の墓

法華堂後跡の源頼朝の墓所(裏手には北条義時の墓もある)を訪れる。現在の墓は薩摩藩主島津重豪により、1779年に建てられたという。行く途中、畠山重忠の住居跡を通る。頼朝から北条執権政治への移行期を後追いしているかのようだ。

足利尊氏と対立して捉えられ28歳に若さで非業の死を遂げた、後醍醐天皇の皇子・護良(もりなが)親王を祭る鎌倉宮と親王の墓を足早に通り過ぎ、足利、上杉氏の菩提寺として栄えた報国寺を訪れた。孟宗竹の竹林が有名で、竹の寺とも呼ばれる。竹林を眺めながら美味しい緑茶を堪能。

初めて“ろくろ”を回し陶器の型造りを経験した。素焼きされた陶器に先日、釉薬をかけ窯に入れて焼き上げる作業にはいった。釉薬が陶器の上でどのような色味と模様を創るのか、焼きあがるまで判明せず楽しみではある。

帰路、稲村ケ崎の漁師宅に立ち寄り鎌倉名物「釜揚げシラス」を買い求めた。2万歩の終日におよんだ心地よい疲労感を覚えた鎌倉散策だった。