コロナ対策-新局面を迎えます   (34 船曳孝彦)

世界の感染者数が1年1か月でついに1億人を突破しました。

一方、暮れ正月に激増した日本の第3波は、やっと峠を越えかけたかに見えます。再生産数を見ても1.0を下回っては来ていますが、減少速度は弱まっており、まだ安心できません。さらに、イギリス、南アフリカ、ブラジルで変異株が相次いで見つかっており、感染経路のつかめない、すなわち水際作戦をかいくぐり入ってきたVirusが、無症状で次なる感染者へと広がっている可能性が出てきました。この変異株Virusは感染力が強いので、再び大きな波が来る可能性があります。このVirusによる重症化率、致死率の上昇はないといわれてきたのに、最近上昇するという報告も散見します。もしそうなれば大事です。肝心なことは感染しないことで、一層の注意をしつつ様子を見るほかありません。

いよいよ医療従事者からワクチン接種が始まりました。これには安全性に関しての日本人データをとるという側面もあります。私は現役を外れたので、高齢者グループになるでしょう。日本人は世界でワクチンの重要性、有効性、安全性に最も疑問を持っている国(149か国中149位)のようです。今問題になっているGender-gap(127位)より下回ります。これは副作用を大々的に報じているメディアの影響でしょう。最も怖いADE(感染増強)は既に接種を受けた1.1億人でゼロであり、アナフィラキシーも0.0011%ですから飛行機に乗るより安全です。ワクチンには個人を守るという意味と、集団を守る(天然痘、ポリオなどで実証済み)という意味がありますので、順番が来たら受けましょう。

現在のワクチンが変異したVirusに効くのか、という問題はまだ完全には解決していませんが、弱まっても効果はあるようです。感染者が増えればVirusの次の変異チャンスも増えることになります。どれだけ変異株が混ざっているかを掴まなくてはVirusとの戦いに勝てません。それにはPCR検査⇒PCR精密検査⇒ゲノム検査と3段階進めないといけないのですが、厚労省は犬猿の仲の文科省傘下の先行している大学、研究所には協力要請しないという ‟お役所の壁” が立ちはだかっているようです。

ワクチンも現在認められている4種の外にまだまだ、4,50種のものが研究、開発中ですし、抗新型コロナ薬も研究開発されており、有望薬品もあるようです。

しかし、最も大切なことは、罹らないことで、是非これからも3密を避けることは続けてください。山歩きや、ゴルフなど感染の危険が少ない外出、大騒ぎをしない少人数での会食は、再開の目途が立ちそうな気がしますが、国から補助金が出て「さあ旅行しろ、会食してよろしい」というGo-Toトラベル、G0-Toイートは、歯止めを外してしまいますから、第4波を作成するようなものです。再開は2年間位凍結してほしいものです。オーストラリア、シンガポールなどに比べると、日本の取り組みとは本気度に大差があるようです。私たちも節度を持って、本気に感染防止に努めましょう。