まえに「物忘れ日誌のすすめ」を書きましたが、覚えていますか? 認知症とは縁遠いと自負している貴方こそ、些細な物忘れのエピソードがどのくらいの頻度で起こったかを日時と共に記載しておくことが、5年先を考えると必要だと思いますよ。
最近、新しい抗認知症薬(レケンビ)が発売され、小生の病院でも可なりの患者さんに試みています。そのためにも、物忘れなどの発症の正確な時期の把握が重要で、「物忘れ日誌」にちょっとしたエピソードの記載が日時と共に残っていると、専門医師は大変助かります。
認知障害は物忘れだけとは限りません。計算力・注意力その他が先に衰えることもあります。これも以前に書きました。
小生はシルバーウィークを利用してまた軽井沢で過ごしていましたが、先週末、車で上田市の別所温泉付近の松茸山まで片道1時間半強もドライブし、松茸料理を堪能してきました。その帰り道、付近の真田家ゆかりの生島足島神社に柄にもなくお参りしましたが、帰り道の選択で家内と一寸口論しながら細いT字路を右折しようとして、危うく直進車と接触しそうになりました。典型的な「ヒヤリ・ハット」です。私の注意力不足は明らか。
こんなエピソードを私は「物忘れ日誌」の小ノートを逆にして、最終頁から自分の「ヒヤリ・ハット集」として記載を残すことにしています。まだ2冊目に移るほどのエピソードは多くありませんが。
皆さんも沢山のヒヤリとしたり、ハッとする経験があると思います。無論、相手側が100%悪い時もあるでしょう。そんな時も含めて、是非皆さん、これも始めませんか? これを始めることで、却ってヒヤリ・ハットが減るかもしれません。そのノートがお医者さんに皆さんが自分の症状を説明するのに役立たないことを祈っています。この逆説的な言い方、理解してください。