コロナ脱却の現状について(2)    (34 船曳孝彦)

さて、5月8日から5類へ移行しました。感染拡大を抑えてきた大方針が一番大きく変化するのは、入院勧告外出自粛要請などがなくなり、感染者の就業制限もなくなります。感染症法5類は無症状感染者へは適応されません。自己責任が重んじられ、もしやと思ったらまず検査キット(国の承認済みのもの)を購入して自分で検査し、陽性と出ても症状が軽ければ自宅療養を、高リスク者や症状が重い人は医療機関を受診します。この対応機関は自治体が公表することになっています。診療側では診療時間や人件費に見合った報酬が無ければ手を挙げないでしょう。欧米と異なり診療側のキャパシティが小さいままで、診療を受け入れ難く、たらい回しも起きかねません。

医療費は自己負担が原則となります。保険診療は予防には適応されず、治療面のみにしか適応されませんので、コロナとはっきりするまでは検査キットの購入など自費払いが原則です。コロナと判れば、抗ウィルス薬などの高額治療薬代などを対象に9月末まで公費支援が継続されます。入院費は自己負担に上限を設ける高額療養費制度が適応されます。ワクチン接種も9月までは無料です。しかし公費補助が時限的であり、発症前は自己負担制度であることから検査も受けなくなり、発病しても治療に高額な治療薬を使うことは拒否する人が増えることが懸念されています。

本来一般の疾病とこのような疫病(伝染病)は医療費を同じレベルで考えてよいものでしょうか。疫病は個人の病気であるばかりでなく、社会を巻き込んだ疾病でもあるのです。常に蔓延する危険を考えねばなりません。保険医療に公費補助をすればいいだろうでは済まされません。

これまで7日間の外出自粛要請(発症後7日のウィルス残存は24%)だったものが、発症から5日間の外出自粛推奨へと変わりました。学童の登校停止も5または症状軽快後+1日となります。濃厚接触者という特定もなくなります。

予防面では、人込みの多い場所でのマスク着用(特に高齢者などリスクの高い人)、換気、手洗い、うがいが推奨されています。これは是非守ってください。

一番の心配は第9波、もしくは新しいウィルスによる感染症(パンデミック)に対する備えです。新型ウィルスインフルエンザ(H1N1)に対して2010年に総括報告書が出されました。①危機管理体制 ②医療体制 ③公衆衛生対策(学校など)などの見直し ④PCRなど検査体制強化 ⑤水際作戦強化 そして⑥ワクチンの接種体制確立とワクチン製造ならびに開発の促進 まで及ぶ立派な報告であったにも拘らず、日本における死亡率が低かったという理由で、10年間何一つ検討、制度化されなかったばかりか、ワクチン開発などに出していた補助金をストップしてしまったのです。続けていればワクチン製造一流国となっていたでしょう。00過去に学ぶことの無い日本の政治の欠陥です。この過ちを繰り返してほしくありません。

 

表面に出てこないのですが、病院入院患者や高齢者施設での面会制限も解除されるべきだと思っています。

コロナ禍で出来上がった葬儀の縮小など誤った風習も元に戻すべきだと声を大にして主張します。

とにもかくにも、実質収束宣言で、脱コロナです。世界の傾向でもあります。

日本は反科学的政策、不十分な対策や統計の下でも、当初Japan Miracleとよばれた低死亡率(それでも死亡者はついに7万人超え)に恵まれ、感染者数が世界で最も多い(中国を除き)時期があったりしながらも、次々と変異するウィルス株も日本流行した亜株は悪性度が高くなく、しかもウィルスの自壊があったりして、諸外国と比べれば軽く乗り切れたといえるでしょうか。

とはいえ、世界を震撼させた新型コロナウィルスは、まだ続いています。しかもXBB,BA型変異株が増えています。今後再びより大きな第9波が来る可能性もあるというのに、なんとも淋しい政治ではないかと感じます。決して終息ではありませんが、ここらが一つの転機には違いありません。