閑のあるまま―”三大”なんとか、の話(1)

ここのところ、メル友グループの間で、”三奇人” とかなんとか、よくある ”三大XXX” で冗談交じりの会話が弾みだした。この話題に加わる前に、”そういえばなんで 三大 という事が意味を持つのか?”という疑問を持った。そして仲間内でいろいろな場での 三大 を集めてみたら面白いか、と思い立って提案してみたら結構の数の投稿があったので纏めてみようと思う。

博報堂行動デザイン研究所が、人間が無意識にとる行動のきっかけとなる刺激の中で、数字の大きさが果たす役割はなんだろうか、というテーマでの研究で、特に 3 という数字が持つ意味について触れている。人間の行動、のなかで特にコミュニケーションに着目すると、情報の送り手、受け手双方で3項目に絞ることが負荷が少ないと感じ、4,5、となると双方ともに多すぎると感じるものだそうだ。事実、ことわざや故事が3という数に限るのは日本だけでなく世界共通の現象で、ほぼすべての文化において、3という数字は意味を持つ。ヨーロッパにおいて中世から 3 は ”調和・安定・総合・均整“ をあらわすものとされていたという。たとえば人類三大発明として活版印刷・火薬・羅針盤を上げたり、三大珍味はトリュフにキャビアにフォアグラを上げる、といった具合である。ただその源はやはり欧州にあり、やはり”世界“が欧州を意味している(だからアメリカは新世界なのだ)のは事実であろう。因みにそのアメリカ人が言う ”世界”三大なんとか、はすべてアメリカのものだというおちがつく。

その欧州をはじめとしてここ30年くらいの間、有名なノーキョー旅行を皮切りに日本人の足跡は地球上いたるところに残るようになってきた。そのあたりから話を始めてみよう。

本ブログでもたびたび紹介しているが、”エーガ愛好会“というメル友グループがある。この中で健筆をふるっているひとり小田さんは編集子と同じ職場にいた人だが、退職後は旅行好きの夫君とともに文字通り世界を駆け巡っている一人である。彼女があまたの場所から特に選んだ3つ、は

1.カナディアンロッキーのマウント・アシ二ボイン                                        2.アメリカ、コロラド州の先住民族遺跡メサ・ヴェルデ                                     3.イギリスで言えば緑多くシックなコッツウォルズ

だという。小生もロッキーのあたりには何度も足を運んだが、ありきたりのポイントしか回っていない。小田さんの夫君は早稲田の山屋のひとりだから、そのせいか山よりの場所が多いようだ。

KWV同期の吉牟田夫人は歩くよりビール、の亭主を尻目に世界遺産巡りのベテランであるが、彼女のご推薦は

1,想像を絶したスケールの大きさ、南米イグアスの滝                                          2.ボリビアのウユニ塩湖                                                                                         3.アイスランドの ”地球の割れ目“   

である。さらにシチュエーションを設定すればアフリカはザンベジ河の夕陽、だという。夕陽といえば釧路かワイキキくらいしか浮かばない小生とはだいぶ違うようだ。

この項の最後にパリ在住の平井愛子さんからのメモを転載する。 旅行会社のプログラムにはまずないだろう、現地生活の長い彼女のおすすめ三つ、は下記の通りだ。

.モン・サン・ミッシェルへ、ヘリコプタ-で行く:パリ15区にあるへリポ-トから車だと片道4,5時間かかる所を1時間半で着き、途中の景色が最高。                              .シャンパ-ニュのぶどう畑ドライブ:シャンパ-ニュの有名シャンパン会社Mumの見学の後、美味しいシャンパン昼食を味わってから。        .ドルド-ニュ川の川下り:フランスの南西部ドルド-ニュには素晴らしい自然の山岳地帯で山あり谷あり河あり世界遺産があちこちに散らばる。ラ・ロック・ガジャックという美しい断崖絶壁に沿った、フランスの最も美しい村のひとつで、滔々と流れるドルド-ニュ川をギャバ-ルと呼ばれるノスタルジックな船に乗って川下りをすると鷺が目の前を飛んでくれたりする素晴らしい自然です。

フランスという場所自体、今まで無縁の小生は、もしできるならばノルマンディ上陸の焦点だったオマハビーチへ行ってみたいというくらいのことしかないが、フランスが好きな方には有益なアドバイスになるだろう。

このほか、それぞれにおススメは千差万別だろうが、期待していったのにがっかりした、という経験をお持ちの方も少なくあるまい。世界を股にかけた経験者安田耕太郎君の三大がっかりポイント、は

1.シンガポールのマーライオン                         2.ブリュッセルの小便小僧                      3.コペンハーゲンの人魚像

だそうだ。小生がライン河下りを企画したとき、久米行子さんから、”ローレライ、なんて三大がっかりの一つですから期待しないで“ と言われた。ま、そういうもんでもなかろう、とまさに夕陽に映えるデッキでビールの満を引いて待っていたがやはりそうだった、という苦い経験もある。彼女のあと二つは何だったかはまだ聞いていない。ついでに日本での三大がっかり、は安田君の曰く

1.はりまや橋                            2.札幌時計台                             3.長崎オランダ坂

だという。小生も長崎オランダ坂のがっかりには同感。長崎の印象がとてもいいだけにもう少しなんかあったんじゃねえか感がぬぐえない。よおるのまあるやまあ、と前川清の絶唱を思い出しながらさまよった夜の記憶だけが失望だった。坂本龍馬の旧跡、海援隊の本拠だとか、まだ残っている血痕など、長崎ならではの史跡に感動しただけに残念だった。

少し観点はちがうが飯田武昭君は都会の中の三大田舎、という面白い観察をしている。ご存じの方も多いかもしれないが(36年卒山室修君はここを訪れてアイデアを得、鎌倉にアーミッシュレストランを開業)、ペンシルヴァニアにある、電気もガスもなかった時代そのままの生活が残っている地域からの連想だそうだ。

1.大阪市北区にある中崎町。1974年に地下鉄サービスができるまでいわば陸の孤島だった地域で、現在昭和レトロ風情が残っていると評判。        2.東京の池上線沿線地域                       3.奈良と大阪県境に作られた京阪奈学研都市

さて、このあたりにお住いの方々、いかがお考えだろうか。次回はこの”旅”から連想してグルメの話題を探ってみたい。まだ2つの投稿しかないので、各位のヒミツ情報の投稿をお待ちする。