今夏最後の縦走行      (39 堀川義夫)

今夏、最後の登山に行ってきました。6月の80歳の誕生日以降の山行に関しては、普段の山行とは異なり、自分の気持ちの中では「さよなら〇○〇山」登山と位置づけ、この山行がこの山に来る最後の登山になっても悔いのないように、そして素晴らしい思い出を演出してくれた〇○〇山の登山路、植物、景色等々の全てに感謝を込めながら、歩かせてもらっています。もちろん、これから先も訪れるに越したことはありませんが・・・

2021年8月18日(水)                         新宿発23:15の夜行バスで扇沢へ。久しぶりに夜行バスで寝られるか心配だったが、ビールと缶酎ハイでぐっすりと良く寝られた。これも特技か・・・?? 夜行としては十分な睡眠で扇沢に到着しました。

8月19日(木)                            扇沢から15分ほど歩いて戻り、柏原新道から入山。心配していた雨は全く影響なし。コースタイム通りに種池山荘に到着しました。雲が低く頂上の辺りは雲が掛かってしまいますが素晴らしい景色です。爺岳への登りには猿が歓迎してくれ、また、雷鳥の声がずっとしていたけど遂に姿を見せて呉れませんでした。途中、振り返ると立山そして剱岳が素晴らしい!

岳山頂到着前から小雨が降り始め、我慢して山頂へ到着し、思い切って雨具を着けたとたんに雨は止み、面倒なので雨具を着たまま冷池山荘へ到着。途中、赤岩尾根からの登山路との合流地点に素晴らしい大理石の道標が出来ていた。こんな道標見たことない!!

 

8月20日(金)

20日の日の出に祝福され鹿島槍(北峰)頂上へ。今日の午前中は天気も良いようなのでゆっくりと稜線歩きを楽しむ。そして、大学4年の夏合宿(58年前)に北峰に向う釣り尾根に残る雪渓のところでテントを張ったのを懐かしく思いながらしばしたたずんで懐古した。今では絶対に出来ない古き良き時代の思い出である。

冷池山荘より釣尾根を望む           大学4年の夏合宿に、あの雪渓の所でテン張ったんだ!

そして、荒れて恐怖感一杯の登山路をキレット小屋目指して下降を開始、この道は登るのも大変だろうが下りも物凄く神経を使う。やがて、キレットの核心部を通過し、雨の降り始める前(正午過ぎ)に無事キレット小屋に到着です。

8月21日(土)

今日は午後から雨になるとのことで、早めに目的地に着くようにと小屋からのアドバイスがあり、5時30分にキレット小屋を出発して五竜岳へ向かいました。ところが、直ぐに小雨ながら降り始め、滑るのと悪路に難儀しながら約5時間、五竜岳にやっとの思いで登頂することが出来ました。五竜岳山頂には誰もおらず、天気は最高とは言えませんでしたが、振り返れば八峰の急峻な登山路を見返ることが出来ました。2年前のKWV三田会夏合宿で五竜岳から冷池山荘まで、今回の逆コースで行く予定でしたが、私の体調が前日から悪く、若いリーダが気遣って台風接近を理由にして五竜山荘から遠見尾根を下ることにしてくれました。メンバーに大変迷惑をかけたことが悔やまれました。あれから2年。歳を取り、体力も落ちました。でも、工夫次第でまだ行く方法はあることを実証できました。当時のメンバーには申し訳ありませんでしたが、個人的にはリベンジでき満足の山旅となりました。

(編集子)ったく !!!

(36 田中新弥)堀川の気持ちは、判るような気がする。俺達の針ノ木の下りは俺の記憶では、一つには、あの時の気象条件、みぞれ、残雪、雪の条件、二つ目には、俺達のザックは二人とも重すぎたよ。
俺達は重装備、あれで滑落を針ノ木でしたら、とてもストップ出来ない。
それに、ザイルは確か持ってゆかなかった?ではないか・・・?
あのジャイとの山行は、俺にとっては命を落とす山行との決別だったのかもしれない。だが、針ノ木の斜面のキツさと雪には、ちょっと俺はビビっていた。
どちらかが滑落して命を失ったら・・・・、こんな楽しい人生を享受できなかった、と考えると、未だに身震いするよ。また、何時か、酒でも飲んで話そう。

(37 杉本光祥)コロナ禍の中、相変わらずすごいですね、

このコースは銀行の山岳会で八方尾根から唐松経由で爺岳へとほぼ逆に行ったことがあり懐かしいです。

それにしても80歳で単独行とはそろそろ気を付けてくださいよ。私の友人でも自信過剰の遭難が出ています。自分ではまだ若いつもりでも臓器は老化しているのです。くれぐれもご自戒を、