展覧会ワンデルングしてます   (34 小泉幾太郎)

平年より22日も早い梅雨明けの暑さの後は、台風一過後は本土を縦断する豪雨やらで、自然との係わりもなく、80過ぎのアサ会の仲間と一部新聞社の無料チケットを利用しての絵画展示会を漫遊している。

4月、横浜美術館の英国テートコレクションよりのNUDE展。ロダンの大理石彫刻接吻をはじめ、19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画や歴史画から現代の身体表現まで西洋美術200年にわたる裸体表現は日本の浮世絵の生活風俗の一断面としてのイメージとは異なる理想的裸体画のオンパレード。

5月、東京都美術館でのプーシキン美術館展は17~20世紀フランス近代の風景画の流れを満喫。

6月、国立新美術館のルーヴル美術館肖像画展、古代から19世紀まで肖像の傑作が集結した。エジプトの棺に由来するマスクから始まり、記憶、記念する、権力の誇示、イメージの伝達のための肖像。権力の顔ではナポレオンコーナーがデスマスクを含む5作品が目立った。古代ローマの皇帝から古今の君主像、華麗な女性像から子供の肖像まで幅広い階級の肖像画の変遷を展開してくれた。
西洋美術館でのミケランジェロと理想の身体展、ミケランジェロ初期の傑作、洗礼者ヨハネを8歳祖子供の姿で表した若き洗礼者ヨハネ像と壮年期の傑作、片足に重心を置いて身体のひねりを出すポーズのダヴィテ=アポロ像が呼び物。古代とルネッサンスを比較しての子供と青年、アスリートと戦士といった男性美と理想の身体のオンパレードは貧弱なる身体の劣等感を今更ながら再認識させられてしまった。古代彫刻の傑作ラオコーンと二人の息子が大蛇に取り殺されるラオコーン像のみ撮影可となっていたので撮ってきた。

世界報道写真展2018、ここ2~3年東京都写真美術館ヘ来ているが、毎年のように、戦闘に巻き込まれた市民や廃墟と化す街を捉えた写真が多く、日本の平和の有難味を感じてしまう。

以上、感想というより。絵画展の羅列になってしまったようだ。こういうタウンウオークもあるよ、ということで同期の連中の現状報告を兼ねて。