”置き配とタブレット” 追論2  (36 大塚文雄)

本論を補足する意味で、小生現在執筆中の本から関係する部分を抜き書きしましたのでご一読ください。同書脱稿しましたが出版まではまだ少し時間がかかります。自分の経験から書いた主題はインタンジブルス(無形資産)ですが、本の題名に入るかどうかも分かりません(表紙は出版社が決める領域だそうです)。

 

日本は欧州主要三ヶ国と競いあっていて生産性はそれほど低くない

たしかに日本のGDPは長期にわたり良い数字ではないし、GDPを指数とする経済成長率も低くなります。そこに、日本国民一人当たりGDPは参加38ヶ国中の20位あたりが定位置というOECD情報が加わり(第十六章参照)、日本の生産性が国際的に低いと考える日本人が多くなりました。マスメディアでは常識扱いです。

これは欧米で何年も生活し、欧米人社員と仕事をしてきた肌感覚とは合いません。そこで、ADA思考法で2019年の順位表を読み込んでみました。日本の一人あたり名目GDPは、欧州主要三ヶ国(ドイツ・イギリス・フランス)と4万ドル台で競いあっていて、日本人の生産性がそれほど低いとは思えないのが結論です。

表①はOECD発表の上位22位までに絞り、人口と人口密度を加えたものです。1位から12位までには小人口・低人口密度の国が並んでいて、13位から22位までには人口5,000万以上の国が並んでいます。

表②は22位までを人口の多い順に並びかえたものです。人口5,000万人以上は7か国で、米国を除くと、一人当たり名目GDPが4万ドル台なのは日本と欧州主要三ヶ国(ドイツ・イギリス・フランス)だけです。

参考表③は人口一億人以上の13ヶ国の一人当たり名目GDPで、米国と日本が群をぬいていることが見てとれます。欧州主要三ヶ国と日本は50年間一人当たり名目GDP競争をしてきたのです。

 

 

 

 

 


1950年代に労働組合が「ヨーロッパ並みの賃金」というスローガンを掲げ、「追いつき追い越せ」が日本の流行語になりました。

グラフ①から追いつき追い越せたのは、25年後の1980年頃です。それからさらに25年後の2010年頃に、欧州主要三ヶ国が日本を抜き返したことがわかります。意識の外にあったとは言え、日本と欧州主要三ヶ国は50年の長きにわたり1人当たり名目GDP競争をしてきたことになります。