起業家の倫理について を論じる

(普通部OB 船津)「商い屋」は何処にいても人が欲しがるものを探し、作ったり、流通させたりして、人々の要求に応えていくのが「原理原則」創造無くして発展なし!
ワイン、ウィスキーは今や日本製が人気になってきている。求める物を与えて人の幸せを実現して行くのが起業家or企業家の倫理とはやや大袈裟だか、当たり前のこと!

(普通部OB 菅原)ブロッグ、「起業家の倫理」拝読。非常に乱暴ですが、一言で言ってしまえば、「気に入らないものは、飲まなきゃ良い、食べなきゃ良い、見なきゃ良い、聴かなきゃ良い、読まなきゃ良い」などと言うのが、ボンクラな小生が愚考するところです。

(44 安田)遊びは自由な行為であり、だからといって事業として何か物質的利益と間違いなく結びつくという保証はない。事業に関わる人には、「ホモ・ルーデンス」とは全く異なる、プロの企業家(或いは起業家)としての厳しい対応が求められるのは言うまでもない。

日本における醸造業の代表、ビールもウイスキーも一種の装置産業でごく限られた会社(銘柄)の寡占状態だ。即ち、キリン・アサヒ・サッポロ・サントリーとサントリー・ニッカだ。アメリカのビール業界もバドワイザー・ミラー・クワーズの寡占だ。一方、この寡占状態が目立つ醸造業の中で、日本酒は小規模な工場で職人が丹精込めて作り上げていて、地域に根ざした無数の日本酒醸造会社があり、個性ある製品を市場に提供している。更に、古代から人類が葡萄から作ったワインも日本酒と同じで、無数のワイン醸造会社はほとんど全てが小規模経営で個性を売り物にしている。例を挙げると、著名なボルドー、ブルゴーニュのワイン銘柄数は数え切れないほどだ。日本酒やワインを嗜む立場の者としては選択肢は多いほど良いのは勿論だ。
日本では寡占状態のビールとウイスキー醸造も世界的に観れば、ドイツやベルギーのビールは小規模工場で醸造される、いわゆるクラフト・ビール(地ビール)が乱立して消費者を喜ばせている。次に、ウイスキー醸造の本場スコットランド事情を眺めて観ると、日本ではサントリーとニッカの寡占であるが、スコットランドでは事情は異なる。16世紀ヘンリー8世の反ヴァチカンカトリックのイギリス国教会設立以後、ウイスキー製造をほぼ独占していた修道院が解散させられ、製造技術が民間へ移転し、無数の比較的小規模の醸造工場がスペイ川周辺のハイランド地域や西部のへブリディーズ諸島に散らばっている。多分、100近い或いはそれを超える醸造所でウイスキーが作られ、消費者を喜ばせている。クラフト・ウイスキーと呼ぶには規模もやや大きく、有名な銘柄も多いが、200 〜300年前はクラフト・ウイスキーの類であったろう。
新規参入者・起業家の作る「製品」「銘柄」の成功や盛衰はあくまで当事者企業間の「弱肉強食」の掟に委ねざるを得ず、自由市場経済のシステム下では、自然なことでそれで良いと思う。競争が参入者を切磋琢磨させ、社会を前に一歩進める源泉にもなり得たら“しめたもの” である。
(編集子)毎日散歩している甲州街道に面して、”クラフトビール” という小さな看板を出してる店がある。そのうち買ってみよう。ま、小生もいろいろあるほうがいいやん、という楽天派だが。