”月一高尾メンバー、家に籠る” (1) (34 小泉幾多郎 - 36 中司恭)

エーガファンはこうして自粛を楽しんでいるのであります。各位、ご投稿、追加、反論、何でもご投稿いただき、山が開くまで、”天狗” の談論風発をこの紙上で展開しませんか。

34小泉―36中司 往復書簡(?)最近版

4・1 小泉発 

3月17, 23, 31日BS3で、ジョンフォードの3作品が放映されたことから、久しぶりに堪能しました。「三人の名付親」同原作で既に4作品が映画化されていて、これが5作目になる題材とのこと。古き西部の空に輝ける星、ハリー・ケリーの思い出に献ぐ という献辞で始まり、ハリー・ケリーとはフォードは26本も
の映画を演出したという。フォードが、その息子ハリー・ケリー・ジュニアを最初に登場させた映画でもあり、その後8本に出演している。

4・2 中司発

ハリー・ケリー・ジュニアは ”アパッチ砦“ がデビュー作だったように思うんですが、”捜索者” にしても ”三人の名付け親” も同じような役回りばかりでしたね。”三人”は今回は見逃しましたが、あの中ではワード・ボンドの人情たっぷりの演技が印象に残っています。
親子のことでもう一つ思い出したのは、”シェーン” の子役だったブランドン・デ・ワイルドが ”危険な道” にたしかジョン・ウエインの息子(離婚していたという設定だったように思うのですが、自信なし)の役ででていたことです。上原謙の息子が加山雄三、というような感じですかね。

4・4 小泉発

 ハリー・ケリー・ジュニアはアパッチ砦には出ていなかったと思います。フォード作品デビューは、三人の名付親の筈です。 ブランドン・デ・ワイルドの危険な道は戦争映画だったと思いますが、未見で分かりません。ジェームス・ディーン同様に、30歳ぐらいで自動車事故で早死にしてしまった記憶があります。

4・10 中司発

今日13時、BS3チャネルで 赤い河 をやっていました。ほかにすることも無し、オヤエが初めてだからつきあえ、というので、たぶん3回目になると思いますが、結局全巻、みてしまいました。きのうも同じような状況で ダーティハリー2 のこれまたたぶん3回目、でした。

仰る通り、この映画(注:三人の名付け親)がハリー・ケリー・ジュニアのデビュー作でした。(赤い河には)ハリー・ケリー本人もいい役で短時間でしたが出ていたのを確認しました。背景に流れる音楽が 年取ったジョン・ウエインの リオ・ブラボー でディーン・マーティンが歌っていた(そしていつの間にか小生の持ち歌?になった) MY RIFLE,MY PONY AND ME の原曲でしたね。このことは2018年9月3日のブログに少し書きましたので暇つぶしにご高覧下さい。
ま、こういうことでもないと自粛もつかれますね。バーボンが夕べでなくなったので、先ほど仕入れてきました。これじゃからだにいいわけないよーわかっちゃいるけどやめられね、ですね。

 

4・11 小泉発 

赤い河、懐かしの名画ですが、何回も観たし録画もしてあり、いつでも見られると思い、同時刻TV東京の 007シリーズの方を観てしまいました。どうやら007を全作品放映するらしく、先日まででチモシーダルトンまで終わり、ピアースプロスナンまできたところです。ピアース・ブロスナンは、優男ぶりが割合好きな方なので、その4作だけ見ようかなと思った次第です。赤い河は勿論かい西部劇の中でも大叙事詩的開拓劇の 模範ともいうべき作品ですから大好きな方です。初めて初老に扮したジョンウエインが、苦い過去の思い出からか、よじれた性格の持ち主として描かれ、捜索者と似たようなイメージを思いました。言われてみれば、主題歌が、リオブラボーのライフルと愛馬の原曲だったのですね。黄色いリボンに出ていた女優ジョーン・ドルーが、モンゴメリークリフトの恋人役で出ていたことを思い出したら、急にジョンウエインの恋人だったゲイルラッセルの清純だが、ひきつけてやまない眼付きとかをまた思い出してしまいました。ついでに、去る3月10日、ロックハドソンとカークダグラスのガンファイターに出ていたドロシーマローンが、またゲイルラッセルをより色っぽくした女優で、西部劇に良く出演していたことを思い出してしまいました。先日のモーリン・オハラのメールから、過去の女優のことが気になりました。インターネットにプロマイドがあったので添付しましたが、こういうことは著作権等に触れるのでしょうか?ブログに出さなければ問題ないと思いますが?

中司注:著作権?急に怖くなったので添付の写真2枚は今回は掲載しない。もし、栄えある義塾法学部卒の方がおられれば正解をお教えいただきたい。なんせドロシー・マローンって、いいんである。

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4・14  小泉発

先日若かりし頃、惚れてしまった女優のことに触れましたが、何となく書き足らない気がしてしまったので、もう少し書かせて下さい
ゲイル・ラッセル(1924~1961)清純ながら、ブルネットにブルーアイズで、明眸皓歯の美女。拳銃無宿(1947)で共演したジョン・ウエインが親
密の仲になって離婚騒動が起きたと言われるほど。その後も、怒涛の果て(1948)という海洋劇でで再び共演、フィナーレが、事故で海底に沈むウエインがラッセルを載せて天空へ旅立つイメージが被さなってエンディングとなる。ラッセルは演技面の悩みからか、アルコール中毒で、37歳の若さで亡くなる。その後、癌で余命いくばくもないウエインが、この怒涛の果てのビデオを何度も観て、この怒涛の果てこそがロマンティークな映画だったと語り、映画のように天国で、ラッセルと一緒になる積りだったのではないか?という噓のような本当のような話もあるのだった。

ドロシー・マローン(1924~2018)ラッセルが若くして亡くなったのに対し、マローンは93歳と天寿を全うした。美しいブロンドで上目遣いの瞳が切な
き存在感を演じていた。魅惑された映画は、ウイリアム・フォークナー原作標識灯を映画化した翼に賭ける命(1957)。ロック・ハドソン(新聞記者)ロバート・スタック(パイロット)ジャック・カーソン(整備士)ロバート・ミドルトン(横恋慕)の男性4人を相手に、報われない愛に疲労困憊したような女を、独特のけだるい視線で見事に演じていたのだった。その後、10本程度の西部劇等でお目にかかることが出来た。

両者とも主要作品は11作品と同じだが、マローンは、1964~1969 TVドラマ ペイトンプレイス物語に主要母親役で出演していた。
中司返信
確かに何かでみた記憶はありますし、名前も知っていますが ゲイル・ラッセル のことはあまり覚えていません。

ドロシー・マローンの方は何本もみていますし、ペイトンプレースもときどきですが見ていたので、あの独特の目配りが好きでしたね。
自粛中、放映されるのはどんなものですかね。ほかにエネルギーの使い場所がありません。明日は雨のようだし。

 

コロナ罹患の友人からの情報です (47 関谷誠)

 親しい友人の一人が不幸なことに罹患し、治療中ですが、参考までに公開してほしいと本人の許可もあるので、メールを転送します(編集子:長文のためと私的な部分もあるため一部削除)。

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コロナ&肺炎で昨日から入院しています。実際どうなるのかなど、リアルな声を届けようかと思い、筆をとりました。

まず、コロナウイルスは治るとか、致死率は少ないとか、正確な情報だけを見ると、たいして危なくないように思われますが、これ移したら、間違いなく恨まれるであろう程辛いです。インフルエンザのが30倍くらいマシです。心当たりのある方も、早めに検査を受けられるよう、その手順や、どうなるかってのを共有して置けたらと思います。

3/22(日)、最初に発熱が確認できました。8時半からMTGのため六本木オフィスに移動その後蔦屋書店に移動したのが10時半過ぎ。415分ほどで風邪の風邪の引き始めのような感覚になりその後の食事の予定をキャンセル。この日から在宅ワークに切り替えました。たくさん食べて、部屋を暑くして、厚着して、汗かいて。だけど、このルーティンにならず、身体が熱くなり切らないのです。熱も、朝は低く、11時を超えるとだんだん上がってきて、夜になるにつれ、39.5度くらいに上がる日々。絶対にインフルエンザだと思うところですが、木曜になっても同じルーティーン。そしてまあまあキツイ頭痛。咳などはありませんでした。あれ、これ検査したほうが良いかも。その時思いました。だって、周りに年配の方もいるし、移したら、人殺しだもん。なので、ちゃんと検査しようと。ただ、最初に港区のとある病院に電話したところ、「来ていただくのは良いのですが、うちではコロナの検査はできません。保健所に電話してみてください。」と、言われ、電話してみると、病院だけ案内され、やる気のない様子。言われた通り、保健所に電話してから病院に行ったけど、やはりコロナとして扱ってもらえていなかったのだと、後で気づきました。勧められた病院に行き、待つこと2時間。

「まだ時間かかりますがどうします?」帰ります。待合室で食っちゃべってる人たちに殺意を覚えつつ、帰る用意を始めました。引き留められることもなかったので、コロナとしては扱ってもらえてなかったようです。そのまま、山椒がめちゃめちゃ聞いた麻婆豆腐を食べたところ、まったく辛さを感じず。なんかおかしいなと。(鼻はつまってませんでした。)いつも風邪ひくと、鼻水や鼻づまりで寝づらいのですが、それがないのにも違和感を感じてました。あ、これ完全におかしいと。次の日保健所に電話し、症状を全て言い、この1週間の間に接触した人もいるし、できれば今夜から、外出もしたいから、どうしても検査してほしいと、真摯に伝えました。すると、検査ができる場所をすぐに探すので、連絡先を教えてくれと。その後電話が来たのは20分後くらい。

「今から2時間後に東京大学医科学研究所付属病院に行けますか? 検査にはCTも含まれるので、高額になります。4万円ちかくなり、陽性だった場合、そのまま2週間程度の入院になりますがそれでもよろしいですか?

なかなかそれでも受けようとする人って絞られてくるんじゃないかな…”タクシーには乗らないで頂きたいんです“……そんな無茶な! だが、一理ある。答えは出ないまま第一次検査へ。 早速隔離です。とにかく検査開始。その後、CTまで時間があるとのことで、一時帰宅。頑張って歩きました。さて、この時に、「陽性ならそのまま帰れないので、多少の荷物を持ってきてくださいね~」ということで最低限の着替を持って待合室で待つこと15分ほど。

「陽性です。病室へ案内します。」やっぱりか。なんかいろいろ困るなーっていうより、はっきりわかってよかった感。ここで入院費は無料ですと言われぬか喜び。「あとで保健所の方から電話が来ますので、それに対応してください」ここで落とし穴、助成金で賄われるそうですが、(納税)所得が高い方は、全額免除の対象外になる確率が高いです。地域によって違うみたいだけれども基本的には指定感染症なので公的負担のはずです。病院で、入院費は自費と言われても、すぐに引き下がらず、問いただしてみてください。

この1週間ほど、何処で誰と会って、何処でもらったか。根掘り葉掘り聞かれました。土曜日に熱海で打合せして、その後小田原で一緒に食事をした5名の内、1名は今日陽性確定。他の2名は検査中です。一緒に枝豆を素手で食べてたのと、カレーを回し食いしたので、まあそれだろうなと。他には感染して無いみたいですが、これを読んでるみんな、怪しいと思ったら検査を受けてください。治るからいいやじゃなくて、思い当たることがあれば一度検査を受けてください。今のところ、人によって症状に違いがあり過ぎるものの、私の場合はインフルエンザよりきついです。

日曜から発熱で、今日も先ほどまで39度。咳も出てきて、頭痛も結構します。安静にするしかやることはないんだけど、隔離されるってのは、やはりちょっと安心感があります。加害者にならなくて済むしね。熱が続くと、なんだかわけのわからないテンションになるし、ちょっと気がめいってきます。病院にウーバーイーツ頼んだり、Amazonで買い物したり、部屋の中模様替えしたり、まあまあ自由にやっていますが、午後になり熱が上がってくると、もうなんにもする気おきません。死ぬことはないって言うデータも大事ですが、二度となりたくないって思うほどキツイです。

3日め、それまで、朝になると熱が下がり、午後から上がっていくという状態でしたが、その不敗神話が崩れました。昨晩、2度の投薬後も39.8℃。もう、がくがく震えるわ、頭は熱いは、なんのこっちゃかわからず、「もういい加減にしてくれよ」と、声に出てしまいました。さて、今までは朝起きると36.6℃と、平熱より低い状態でしたが、目覚めたときは39.1℃。目覚めたときって言うか、おちおち寝てられないってやつですね。

先週の日曜日から発症して、8日目。事態は辛くなる一方です。さて、問題とされてる咳ですが、昨日は咳で眠れないほどになってきました。元々風邪とか引いても咳が長引くタイプなので、そういう人は余計辛いみたいです。あと、喫煙者もつらいようです。咳もずっと出てるわけではないのですが、何かのはずみでゴホゴホしだすと、スッキリするまで止まらないってやつです。空咳なので、あんまり気持ちのいいもんじゃないよね。

熱が出る前の日、3月21日(土)私、熱海で打合せがあり、友人(Kさん)と待ち合わせをしましたが、Kさんも、見事に昨日陽性で入院です。おでんをつつきあったのが原因かと、答え合わせは進んでいます。

で、ここからが重要なんですが、その後、小田原で、さらに3人の仲間が合流。すでにおでん屋で感染は済んでいたであろうKさん。もちろん、何の症状も出てないので僕以外の4人はカレーを回し食い。後から来た3人のうち、2人が、発熱&検査済み。結果を待つのに自宅待機の状態です。おそらく感染経路は、おでんとカレーだろうと満場一致。(おでん屋さんとカレー屋さんごめんなさいね。)でも、それだけ。逆に言えば、カレーじゃなければ、卓上に置いてある食事のメニューをみんなで触りあったぐらいのレベル。それで移っちゃうんです。幸い他には発症してませんが。免疫と体力があり過ぎるが故の、この高熱なのか。はたまた、わけわかんない状態なのか。どちらにしても、入院しててよかったなと昨日思いました。高熱にすぐ対処できなければ、後遺症とか残るだろうし。

入院について。基本的に個室に一人の状態で、そこから出られません。部屋の中にトイレやシャワーもついているので、基本的な洗面用具。それとバスタオルとタオルは比較的多めに。洗濯できる回数も限られてて、出している間何もなくなっつてしまうので。食事制限などはありませんので、好きなものを差し入れてもらったりは、何処の病院でもできると思います。(Kさんの病院は、ガラス越しの面会ができるみたいで、これも病院の設備次第かな)僕は足りないものをAmazonで頼んだりしてます。とまあ、こんなとこかな。

正直、夕方になると上がってくる熱の恐怖で、メンタルがやられそうになるものの、FB観てると元気でます。では、皆様が健康でありますように。

コロナウイルス医療現場からの情報 (42 下村祥介)

前職の同僚から下記の情報を頂きました。同僚は神戸大卒で佐谷先生と同窓ですので、その関係で入手した情報だと思います。

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慶應の先端研 遺伝子制御の佐谷秀行先生からの情報です(佐谷先生は大学病院の副院長も務めています)。慶應でも院内感染が起こり 患者さんと知らぬうちに接触した医師や看護師にもPCR陽性者が出たようです。ほとんどの感染患者さんは食事中に感染しているようです。佐谷先生がご自身でまとめられた感染防御マニュアルをイントラネットで公開されました。以下は先生からの注意事項です。

ウイルスが出てくるのは咳とか唾とか呼気でも普通の呼気ではうつりません。これまでのほとんどの感染は

①感染者から咳やクシャミで散った飛沫を直接吸い込む

飛沫が目に入る

手指についたウイルスを食事と一緒に嚥下してしまう

という3つの経路で起こっています。

感染にはウイルス粒子数として100万個ほど必要です。1回のくしゃみや咳や大声の会話で約200万個が飛び散ると考えられています。つまり感染者がマスクをしているとかなり防ぐことができます。なるべく鼻で息を吸いましょう(口呼吸でウイルスを肺の奥に吸い込むのはダメです)。外出中は手で目を触らない、 鼻を手でさわらない(鼻くそをほじるのはNG)、 唇触るのもだめ、 口に入れるのは論外です。難しいが 気にしていれば大丈夫です。

人と集まって話をする時は マスク着用

食事は対面で食べない 話さない(食事に集中し、会話は食事後にマスクして)

家に帰ったら 即刻手を洗う

アルコールがあるなら 玄関ですぐに吹きかけて ドアノブを拭きましょう

咽頭からウイルスがなくなっても 便からはかなり長期間ウイルスが排出されるという報告があります。ノロウイルスの防御法と同じように対処を忘れずに。

感染防御のルールを再度整理します。

マスクと眼鏡の着用

手指の洗浄と消毒

会食は対面ではせず 1人で食事を短時間で済ませる

外から帰宅時は先にシャワーを浴びてから食事

陽性患者さんの多くは 手指から口に入るか 、食事の時に飛沫感染しているようです。

”とりこにい”抄 (7) 八甲田 – 忘れられない夏

KWVでわれわれの1学年上、35年卒の方々が卒業60周年記念の同期会(野郎会)をt特に ”拡大野郎会” のネーミングで八甲田夏合宿の思い出をテーマに、ゆかりある先輩後輩を糾合する、という企画をたてられた。大いに楽しみにしていたのだが、憎きウイルスのため延期されてしまった。当初の予定は4月9日であったので、その日に僕の八甲田合宿での想いを書かせていただくことにした。

合宿、解散の朝。

ワンダーフォーゲル部生活3年の夏、現役部員として一番脂の乗りきる時期。僕らの場合、このときに八甲田合宿という歴史的な企画に参画できたのは心底、幸運だった。過去、ベースキャンプ方式で運営されてきた夏合宿を、分散集中方式に切り替え、実行に移された荒木総務以下、35年卒の先輩の皆さん (現在の ”野郎会” メンバー)の決断とそれを実現させたたぐいまれな結束力にただ感謝するばかりだ。この方式は以後、KWVのお家芸として定着し、僕らが主宰した木曾開田高原合宿はまさに ”八甲田の再来” を目指したものだった。

開田高原のベースキャンプまで、わざわざ休暇を取って参加してくれた荒木さんに、”ジャイ、うまい所見つけたなあ” と褒められて本当に嬉しかったことを思い出す。”ショッペイさん” のあまりにも早かった旅立ちがあらめて悔しい。

その時の ”ふみあと” 特集号に、編集を担当された吉沢さんに命ぜられて巻頭のページに掲載していただいた詩まがいのものがある。2018年8月、本稿で ”山のあなたに” として書いたのだが,山戸先輩に ”カール・ブッセみたいなもの” とからかわれたのがこれである。同期の文集を編纂した時、横山美佐子に強く勧められて再び、巻頭詩とさせてもらった。やはり同期一同、”八甲田” の印象は生涯わすれられないもののようだ。

 

八甲田の夏

 

あの時 教わった星……..

ヴエガだっけ ?

どこにあるのか もう忘れちまった。

いっぱいあるからなあ 星なんて。

星だらけだっけな……..

八甲田の夜は。

黒かったっけな……

八甲田の夜は。

もう一本 薪を持って来いよ。

もっと 火の粉を 飛ばすんだ。

何故?

さあ…….

あの夜の 火も こんな 色だったからな。

おかしいかい ?

でも 想い出って いいもんさ。

そっと しまっとくんだな、おたがいに。

 

(36 高橋)
なつかしい写真。私どこにいるかお分かりになりますか?
コロコロ太っていて健康優良児だったわねェ。

つい先頃まで笑い興じもした、大騒ぎもした、遅くまで酒を飲み、夜更かしもした、気のおけぬ連中と。
でも、もうみんな消えてしまったのだ、あの昔の懐かしい顔は。
いとしい人も去ってしまつた。       チャールズ・ラム

風が立つ、生きようとつとめなければならない。  ポール・ヴァレリー

(38 町井)八甲田の夏合宿は私にとっても一番忘れがたい合宿です。テンテンさんリーダーで、東北の東海岸を尻屋崎まで歩きました。途中、小舟に乗って、船上でビーバーさんから「海女の子供」を歌唱指導して頂きました。体力不足でしたので、重いキスリングで肩から腕がつり、一緒の班にいらしたドテさん(医学部5年生?)にお世話になりました。そして、何と言ってもインディアンごっこです。牧場のような広い野原の両端に陣地を作りました。あまりに広いので、敵の顔は良く見えませんでした。間にある灌木に隠れながら、敵の陣地に忍びこもうとしました。まだ一年生でしたから、大人のような大学生がインディアンごっこを大規模に、ダイナミックにしていることに驚きました。そして、このクラブは楽しいクラブに違いないと思い、続けることになり、今も楽しんでいます。この夏で57年間です。

自粛疲れは散歩で解消しよう! (34 小泉幾多郎)

 先月から引き続き、下村君の先輩からのコロナ情報、船曳ドテ先生のコロナ講義、米空母艦長解任、英女王スピーチ・・・新型コロナウイルスに関する貴重なるブログ投稿を有難く拝受することが出来ました。

当然のように、今年の花見は、団体は勿論、遠出も無理、歩いて行ける範囲として、近所の鶴見川堤の新横浜付近を歩きました。お彼岸の頃の赤い横浜緋桜はすっかり消え、そろそろ終わりに近ずきつつある白いソメイヨシノを楽しみました。

米国空母艦長解任事件と我が国のコロナ対応について

色々と情報が飛び交い、穏やかならぬ事情のもとで今朝、緊急事態宣言が発表された。この実施までの過程とか,検査体制の問題とか、いろいろと批判も多いが、小生は今までの政府の対応は日本人の道義心、公共心などを前提にした、この国ならではのやり方だったのではないか、と評価してきた。ただ物理的な問題で医療崩壊を防ぐ意味で実施された一連の措置は万、やむを得ない事だろうと納得する。そこへ今朝、コロナ問題の米国でのありかたについて生々しい情報を届けてくれている、サンフランシスコベイエリア在住の友人五十嵐恵美から違った視点から新しいメールが届いたので、その一部をご紹介する。

異常時にあって、軍や警察や罰金などと言う強制力を待たずとも、おのずと社会のバランスが取れる、その基本にあるのは、ビジネス万能なんでもグローバル、と唱える人たちからは批判が絶えないが、個人ベースの上に社会の価値を考える,”思いやり” の文化の価値が示されているからだろうと思う。本稿で紹介したかどうか忘れてしまったが、東日本大震災の時の ”トモダチ作戦” で現地に赴いた米軍の司令官は、被災者たちの逆境に会っても列を乱さず公共心を忘れない、日本人の在り方に深い感銘を受けた、と言ったそうであるし、古い話だが、阪神淡路大震災の直後神戸へ赴いたとき、崩壊した道沿いにある高級車の露天展示場が全くあらされることもなく無傷で残っているのを見て日本人の道徳心を改めて見た気がしたのを思い出す。

以下、彼女からのメールの抜粋であるが、後半にあるAFPの記事は翻訳も整っているので、ぜひご一読をお勧めする。古い映画だが ”ケイン号の反乱” を思い出すような事件、と言えるかもしれない。

(五十嵐―中司)国の緊急事態宣言、東京都の緊急事態措置の案の公表、等、ウイルスに関する対応が「やっと」始まったという感じですが、その後、いかがお過ごしでしょうか.カリフォルニアのShelter-in-place order (自宅避難勧告) は4月7日に終了の予定でしたが、州の公表を待たずにBay Areaのサンフランシスコ、サンマテオ、サンタクララ郡を含む6郡 (カウンティー) が、それを一ヶ月延長し、5月3日までStay at home order (自宅待機命令)を4月1日に発令しました

3週間前に友人から「そちらは急激に状況が変化しつつあるようですね.というか、一挙に対策をすすめる、というのはやはり軍隊をもっている国の行動様式かな、と思います」というコメントをもらい、その件、色々考えていました.そして (すでにご存知だと思いますが) 今回の「米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルトにおける新型コロナウイルスの流行で、軍の対応が不十分だと訴えていた艦長が2日、解任された」という事件です.サンフランシスコ  クロニクルに (艦長が上層部にあてた書簡も含めて) 全容が載っていますのでご覧ください(https://www.sfchronicle.com/bayarea/article/Exclusive-Captain-of-aircraft-carrier-with-15167883.php?campaign_id=49&emc=edit_ca_20200406&instance_id=17380&nl=california-today&regi_id=117711487&segment_id=24008&te=1&user_id=6adebc50299062468e5c9126fd05ca53#photo-19240172

AFP=時事 (AFPはフランス系のNews Agency)には日本語で比較的艦長に心情的な(?)記事が載っています(https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E8%A7%A3%E4%BB%BB%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%B1%B3%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E8%89%A6%E9%95%B7%E3%80%81%E4%B9%97%E7%B5%84%E5%93%A1%E3%81%AE%E5%A3%B0%E6%8F%B4%E5%8F%97%E3%81%91%E4%B8%8B%E8%88%B9/ar-BB129D6l

クロージャー艦長の行動に対する賛否両論、多々聞かれますが、原子力を搭載している空母の艦長がChain of command  (指揮系統)を無視して公式の国防省の上層部への書簡を自らミディアにリークするというのは原則的に問題だと私は思います.  恐らく、解任を覚悟での行動だとは思いますが、メディアを利用したアメリカ式「腹切り」とでもいうのでしょうか.

新型コロナウイルス感染症  (34 船曳孝彦)

 KWV三田会の皆さん、このブログ掲載、下村君発の情報は、ジャイさん、菅谷君のやり取りを見て、発信元が確りした人だと分かりました。大変価値のある文章ですので、よく読んでください。

人類のウィルスとの戦いは有史以前から続いていたもので、天然痘のように勝利を収めた疾病もあり、スペイン風邪のように負けではあっても完全に収まった疾病もあります。収まったということは、下村情報にもある集団免疫閾値が高まったためです。

今回のウィルスは、中国に始まり、日本、韓国に伝播した後、世界に広まり、WHOで早々とパンデミックとの発表がありましたが、遅れて始まったイタリアに於いてはアッという間に急増し、医療崩壊も伴い、他所と比べて2倍以上の死亡率(スペインも同様になりました)となりました心配なことは、あれだけ中国が進出しているアフリカの感染率、死亡率がさほど高くないことです。十分なデータが出ていないからだと思いますが、はっきり表に出てくるととんでもない数値となるような気がします。

ウィルスの流行には、第1波で世界的に広まり、治まるかなという時期に第2波の流行が来て、この時は遺伝子変異があり拡散力、悪性度が強くなって多くの死者が出る。その後第3波、第4波と、ワクチンの助けも借りつつ集団免疫閾値を獲得して治まる、という経過をたどることが多いとされています。

TV,新聞に出てこないので(何故か分かりませんが)これは私見ではありますが、イタリアでの感染爆発は第2波の始まりではなかったか、ということです。つまりイタリア、スペインで流行しているのは変異した悪性度の高いウィルスで、これが日本にも入ってきて最近の爆発的流行となっている可能性があります。帰国者の感染が増えています。

東京都の感染者数を実数で見るだけでなく、グラフ上右端が急速に跳ね上がって見えると思いますが、これを片対数グラフにプロットしてゆくと、直線的となります。この直線が3月24日を境に急傾斜となります。これぞパンデミックに特徴的な感染爆発です。私は2,3日前までは爆発寸前といってきましたが、最早爆発は始まっているようです。私の友人の科学者は、もしこのままの勢いを止めることが出来なければ、何と4月29日には感染者32,000人、死亡者1,000人に達すると警告しております。

大変な事態です。メディアでは早く非常事態宣言を出せといっておりますが、

国民の間にそれほどの危機感はないようです。私は独断専行・強権指向の安部に握られることに不安はありますが、国民の意識レベルアップには必要かもしれないと思うようになってきました。

ではどうすればよいのでしょう。拡散力はSAARSの68倍とのことです。各人それぞれが、【罹らない・移さない】を徹底して守ることです。

国・行政のやるべきこと:

  • PCR検査をどんどんやること 恐らく今までごく限られた人しかやっていないので、最初は爆発的に感染者数が増えるでしょう。しかし本当は感染者が増えたわけではないのです。感染していても知らずに周囲の人に移しまくっていただけです。低検査率はアメリカ、WHOの日本不信を買っています。一説にオリンピック中止にならぬよう数値を抑えるため検査を制限していたという噂があります。もう1年延期となったので早く徹底検査をすべきです。

加えて、まだ正規に認められてはいないにせよ血清診断を行うべきです。

  • 軽症者、無症状者のホテル収容がやっと始まるようですが、この増加率から見て到底足りません。オリンピック選手村や報道陣用宿舎など、ちょっと手を加えれば使えるところも多いでしょう。今までの“自宅待機“がどの程度自粛が守られていたか疑問で、感染者増大の一因になりかねません。
  • PCR検査希望者が電話で断られたり、電話がつながらなかったりの一因となっているのは、保健所崩壊です。この数年保健所は数も減らされ、人員も削減、予算縮小が続いてきました。今のような危機に対応するような体制は取れません。本来無理強いしているのですし、業務多忙でパンクしていますので、至急人員も予算も手当てすべきです。
  • 感染爆発とともに医療崩壊が起こります。起こる恐れでなく確実に起こります。国・都道府県・大学病院・公的私的医療機関・開業医(医師会)が早急に議論を煮詰め、医師派遣を含めた大号令を発するときです。
  • 他のウィルス薬などで、効いたという報告があれば積極的に試用、研究すべきです。もちろん公的に認めるためには時間を要しますが、その前に弾力的に用いるべきです。
  • とにかく国の政策を見ていると、海外で笑われているアベノマスクなどでなく、医療側の意見を入れた金の使い方をしてほしいものです。

われわれがやるべきこと:

  • 外出自粛。とくに3密を避けること。従って各種の会合が出来なくなります。誰が保菌者(ウィルスですから菌ではありませんが)か分からないですし、あなたがそうかもしれません。飲酒は自宅に限りましょう。
  • 外出時には、混雑を避け、なるべくあちこち手を触れないで、区切りごとに手を消毒するか石鹸で洗いましょう。
  • マスクは通常のものではウィルスは通過してしまいますが、少なくとも不意のくしゃみ対策にはなりますので、必須です。
  • デマ拡散、差別、風評被害、買い占めなど理性的に考えて行動しましょう。

この感染はいつまで続くのでしょうか。誰にも分かりません。2,3か月で終息するとは思えず、1年以上続きそうです。下村情報にもありましたが、マラソンが始まったところですので、長期戦に対処すべく、体力的にも精神的にも鍛えながら過ごしましょう。

  • 山歩き、ゴルフ、ウォーキング(人通りの少ない)は絶好の体力保持、精神的リラックスになります。体力保持のため、私は自宅引きこもりの日は階段トレーニング(500段)をしています。
  • クラス会など私自身が幹事、世話役をしている会合もみなキャンセルとなりました。メールや電話でコミュニケーションをとっています。

以上84歳で公的な発信力もなく、現場でも役に立ちそうにない医師として、皆さんに多少お役に立つことがあればと書きました。

 

コロナに打ち勝とう―英国女王のスピーチ (44 安田耕太郎)

(メルケルのメッセージに続いて、エリザベス女王のスピーチである。長文でもあり、多くの写真なども参考になると思われるので、ここでは投稿者安田君からのメールをそのまま転載する。折も折、今夕には安倍首相の重大発表があるとのことであり、わが国の指導者の在り方と比べてみたい)

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既にご存じかもしれませんが、念のためご参考までに。
今更英語の勉強ではありませんが、エリザベス女王のスピーチを是非お聞きください。欧米のリーダーは国民に向けてよく発信しますね。特に国難に際しては。
民主主義体制下のリーダーの役割と責任、国民に対するコッミュニケーションの大切さをよく認識して実践しているようです。天皇陛下がこのようなスピーチ
をするとはとても想像できません。

コロナウイルスについての知識を! (42 下村祥介)

 ゼミの先輩が送ってくれました。他の仲間にも知らせてよいとのことですので転送します。ご参考まで。

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最近、知り合いの開業医から、「季節性のインフルエンザでさえ毎年60万人の人が世界で死亡しているのに、なぜ新型コロナウイルス(まだ2万人しか死亡していない)でこれほど世界中が大騒ぎしているのか?」という質問を受けました。

確かに政府の説明を聞いているとオーバーシュートとか感染爆発の危機が目の前にあるので、ひたすら自粛に協力してほしいというだけで、なぜこのまま放置しておくと、どのように大変なことになるという具体的な説明がありません。いかに深刻であるかという事実をよく説明した上で、だからこそ、そのような深刻な事態に陥らないために対策するのであると、訴えなければ説得力はないと思います。また本当は1万メートル競争、あるいはフルマラソンなのに100メートル競争のように全力疾走をすると、フルマラソンはもちろん1万メートル競争も完走不可能です。COVID-19との戦いは100メートル競争(水際作戦は100メートル競争です)ではなく、パンデミックになった現時点では、1万メートル競争、あるいはフルマラソンであることを認識する必要性があります。ペース配分を十分に考えて走る(対策を立てる)必要があると思います。

 

1)前書き

昨年12月に中国で発症した新型コロナウイルス感染症( COVID-19)は当初中国政府が情報公開せず、また事態を甘くみていたこともあり、瞬く間に武漢を中心に中国に広がりました。その後ダイヤモンドプリンセス号の感染症騒ぎがありました。2月24日に開催された専門家会議が、今後1−2週間が瀬戸際であるとアナウンスしました。その後学校の休校が始まりました。ヨーロッパ、特にイタリアの感染拡大にも関わらず日本はなんとか押さえ込みに成功した感がありました。しかし最近は日本全体に気の緩みがでて危険な状態にありました。

そのような中で、大阪では3月20−23日の3連休は大阪と兵庫県の行き来の自粛要請が大阪府知事よりありました。3月25日には東京都知事が緊急記者会見を開きました。そして26日に政府が対策本部を設置し、いつでも緊急事態を宣言できる体制を整えました。このように、今、日本は感染爆発の瀬戸際にあります。

世界に目を向けると中国に端を発した感染流行は今やヨーロッパに広がり、イタリアでは医療崩壊が起こり死者は中国の2倍以上になりました。そして流行地はアメリカに移りつつあります。世界で44万人が感染し死者は2万人以上になりました。インドは13億人の国民の外出禁止、移動制限を発令しました。中国が情報公開しなかったのがそもそもの原因ですが、欧米やWHOも当初甘くみていた節があります。おそらく以前の新型インフルエンザ、SARASやMERSのように封じ込めに成功すると考えていたのではないかと思います。しかし、封じ込めに失敗し、世界にウイルスが拡散してしまい、もはや後戻りができない状態にまで進展してしまいました。

では、なぜ新型コロナウイルス感染症は恐れられているのか?季節性インフルエンザとなにが異なるのか?

まず、心理的な側面があります。季節性インフルエンザはワクチンと治療薬がありますが、新型コロナウイルスに対してはワクチンも治療薬もありません。人は、自分でコントロールできないことに対しては漠然と不安を抱きます。しかし、単に心理的な側面だけではなくもっと重大な客観的な事実があります。

人類の歴史は感染症との戦いであったと言っても過言ではありません。中世ヨーロッパでは人口の50%近くがペストの流行で死亡し、ヨーロッパの中世封建体制が崩壊しました。アステカ文明やインカ帝国の滅亡も感染症が大きな原因となりました。16世紀当時、北米や南米には天然痘がそもそもなかったので、現在の新型コロナウイルスのように人々は免疫がありませんでした。一方、ヨーロッパ人では天然痘の流行がしばしばあったのである程度免疫がありました。わずか200人のスペイン人兵隊のなかで一人が天然痘にかかっていました。この一人からインカ帝国2000万人にあっという間に天然痘が広がり半数近くの人々が死亡したと考えられています。そして、インカ帝国は1年でスペインに降伏しました。新型コロナウイルスは当時のインカ帝国の人にとっての天然痘に相当します(もっとも天然痘の致死率は50%ぐらいなのではるかに危険ですが)。 

2)結論

1)何もせずに放置すると終息するまでに、日本では最悪、70万人から250万人、世界では1.9億人が死亡する。この数字は第二次世界大戦の死亡者(世界全体で6000~9000万人、日本では300万人)に相当するかそれを上回る。

2)ワクチン開発は終息を早めるための要だが、開発に少なくても2−3年あるいはそれ以上かかる(1年で可能というのは気休め)。

3)治療薬の開発により死亡者の数を減らすことができるが、新しく治療薬を開発するためには5~10年はかかる。既存の治療薬の中に効果があるものがあれば最短数ヶ月以内に治療現場で使用可能になる可能性がある。

4)今後、終息までに1−2年はかかるので、長期戦(1万メートル競争)と考えて心の準備や日常生活を可能な限り正常に続ける工夫、そして仕事も可能な限り正常な活動ができる個人的な工夫(会社/組織/国としての工夫は当然必要)をしていかなければならない。この間、各地域では流行の波を起こしながら、世界中のどこかで流行している状態が続く。したがって日本で流行が終息したとしても海外からウイルスが流入するし、国内でもまた流行が起こる。このように流行の波を作りながら最終的に国民の30−60%が感染して免疫を獲得するまでは終息はしないと考えられる。

5)個人的には、感染防御に努める。まずは丁寧な手洗いを頻繁に行う。可能な限り家庭に持ち込まないように玄関でアルコール(70%エタノールか0,05%次亜塩素酸)で手を消毒してから家に入り、さらに石鹸で丁寧に手洗いする。食事の前、料理の前、その他機会があればこまめに石鹸で手洗いをする。もちろん勤務先でもいつもより頻繁に手洗いする(可能な限り石鹸で)。

6)3条件を避ける。密閉空間(換気をする);近距離での会話;手の届く距離に多くの人がいる。

7)このウイルスは細胞膜が脂質でできているので界面活性剤(石鹸)で簡単に破壊される。また飛沫感染なので以上の3条件を守るとともに、手洗いを頻繁に行えば感染するリスクを限りなくゼロにできる。

8)日頃の生活において睡眠を十分にとるとともに、過労を防ぎ、栄養価の高い食事に心がけて免疫力を十分に維持することを心がる。

9)幼児や若い人は発症しないか軽症ですむという点は、未来に希望がある。しかし幼児や若い人でも重症者や死亡者が出ているので安心はできない。一旦重症になれば人工心肺を装着しなければならないほど危険な状態になる。

10)幸いにもはしかのように空気感染ではなく、飛沫感染なので、手洗いを励行して、3条件を厳格に実行すれば感染は防ぐことが可能。過度に恐れる必要はない。あくまでも冷静な行動が求められる。 

3)結論に至る理由

1)死亡率が高い(季節性インフルエンザは0.1%に対して新型コロナウイルスは4.6%(0.5%~10%))

季節性インフルエンザは確かに世界中で25−60万人が毎年死亡する。また日本でも3000人から1万人が毎年死亡する。日本では毎年1000万人ぐらいが季節性インフルエンザに感染していると推測されています。すなわち死亡率は0.1%です。これに対して、新型コロナウイルスでは死亡率は現時点で世界の平均値は4.6%(20308/440295X100=4.6%)です。もちろんドイツの0.5%から医療崩壊に落ちいっているイタリアの10%までそれぞれの国の医療体制などの異なりにより死亡率は異なりますが、世界中を平均すると現在4.6%です。ちなみに日本では3.5%です。PCR検査を増やせば日本国内の感染者数が増える結果、死亡率は減るとは思います。

2)ワクチンが存在しないことの意味

免疫学的にはこのような感染症が終息する条件は集団免疫閾値(Herd immunity threshold;ワクチンや自然感染により集団が免疫を獲得する割合)で決まります。この割合は以下の式で決まります。

H=(1-1/Ro)x 100

H:herd immunity threshold(集団免疫閾値)

Ro: basic case reproduction rate(一人の患者が何人に感染させるかの数)

例えば、新型コロナウイルスのケースで、Roを2.5人とすると、(1-1/Ro)x 100=(1-1/2.5)x100=60%となります。もし1.5なら33%です。1なら、0%となり感染が集団に広がることはありません(一人が一人に感染させても、元の人は免疫を獲得して治癒するか、あるいは死亡する)。1.1人以上なら感染が集団全体にひろがり、Roが大きければ大きいほど集団免疫閾値は大きくなります。

通常はワクチン接種と自然感染の両方合わせて集団免疫閾値を獲得すると感染が終息に向かうことになります。しかし新型コロナウイルスに対するワクチンが現在存在しないという状況下では、約6割の人が自然感染して免疫を獲得しなければ終息に向かわないことになります。これが、イギリスやドイツの首相が1−2年かけて、国民の6−7割が感染するだろうと言っている根拠です。 

現実的な問題として、何もせずに放置すれば急激に感染者が増加する代わりに終息に向かう期間も短くなりますが、その間に多くの人が重症となり医療機関が対応できなくなり、その結果としてイタリアで起こっている医療崩壊により多くの人が死亡することになります。これを防ぐために、隔離などで感染の広がりのスピードを穏やかにしていくという政策が様々な手段で講じられています(テレワーク、自宅隔離、イベント中止、都市封鎖や広域地域封鎖など)。

今回の新型コロナウイルスのケースでは、ワクチンがないので、60%の人が感染するまで終息しないことを意味します。これを日本に当てはめると1.2億の60%すなわち7200万人が感染しなければ終息しません。死亡率を仮に1%としても72万人がなくなります。3.5%なら252万人が亡くなる計算になります。世界の人口を仮に70億とすると、42億が感染し、1.9億人(死亡率4.6%とすると)が死亡することになります。 

ワクチンが存在すれば多くの人に人工的に免疫を付与できますので、当然感染して発症する人は激減します。現在の季節性インンフルエンザはワクチンと自然感染を合計して免疫のある人の割合が集団免疫閾値(季節性インフルエンザでは33~50%)を達成することにより感染者の数がある一定以内に抑えられています。 

以上のように、たとえ死亡率が高くてもワクチンがあれば集団免疫閾値をワクチンにより達成することにより発症者の数を減らすことにより死亡する人の数を減らすことができます。このようにして人類が克服した典型例が天然痘です。人類の歴史に脅威を与えていた天然痘はワクチン開発により20世紀に世界から撲滅することができました。 

ちなみに、様々な感染症のRoは以下のようです。

新型コロナウイルス:1.5~2.5—>H=30%~60%、

季節性インフルエンザ:1.5~2->H=33%~50%

はしか:12~18—>H=92~94%

百日ぜき:5~17—>H=80~94%

天然痘:5-7—->H=80-86%

 

感染症の脅威は、死亡率とRoにより決まります。さらにワクチンがあれば集団免疫閾値を達成することが容易になります.

3)治療薬がないことの意味。

抗ウイルス薬があれば感染しても軽症で済みます。また重症呼吸器不全の治療薬があれば死亡者の数を限りなく少なくできます。治療薬はウイルス感染により引き起こされる病態を軽減しますが、治療薬がウイルスを完全に追い出すわけではありません。治療薬には、1)ウイルスの増殖、2)ウイルスの細胞へ感染、3)細胞内からウイルスが出る(結果として他の細胞に感染)、などのそれぞれのステップを抑制する抗ウイルス薬や、重症呼吸器不全の治療薬があります。抗ウイルス薬は体内でのウイルスの増加速度を抑制することができますが、単独でウイルスを完全に追い出すのは無理です。例えば、生まれながらに免疫を欠損している人は、あらゆる抗生物質や抗ウイルス薬を使用しても一年以内に感染症でなくなります。では、抗ウイルス薬はなにをしているかというと、ウイルスの増加速度を抑制して、免疫が活性化するまでの時間稼ぎをしています。最後に免疫が働き、ウイルスを体から完全に追い出します。すなわち治療薬はあくまでも免疫が活性化されるまでの間、時間稼ぎをしているにすぎません。もちろん、治療薬があることにより死亡率を著しく下げることができるので、1日も早い治療薬の開発が望まれます。ということで、日頃の生活において睡眠を十分にとるとともに、過労を防ぎ、栄養価の高い食事に心がけて免疫力を十分に維持することを心がけてください。 

最後に、

新型コロナウイルス感染症の深刻さを理解していただけたと思います。やはり現実を見据えて行動をすることが重要です。新型コロナウイルスの深刻さに関して私の見解が間違っていれば良いとは思いますが、現実逃避は避けなければなりません。少なくとも言えることはこの先1−2ヶ月で終息するものではないと言うことです。以上の私の見解が誤りであり、夏には世界中で終息していれば本当に良いと思いますし、そのように心から願っています。しかし覚悟はしておかなければなりません。そしてそのことを頭に考え、行動しなければなりません。

しかし、幸いにもはしかのように空気感染ではなく、飛沫感染なので、手洗いを励行して、3条件を厳格に実行すれば感染は防ぐことが可能です。過度に恐れる必要はありません。あくまでも冷静な行動が求められます。