23年度第一回 月一高尾報告    (47 関谷誠)

2023年第1回目の「月いち高尾」を、2月28日、実施。 朝は冷え込んだものの、日中は春の様なポカポカ陽気の中、今年一年の健康と安全、更には、世界平和等々を各人なりの願いを込めて「薬王院」に参詣し、山頂から霊峰「富士」を拝む事を主題に参加者を募り、総勢23名が京王線「高尾山口」に集まった。 リフト+4号路経由のシニア―・コースといにしえの参拝者が登った古道の金毘羅台コースに分かれ、鮮やかな「真白き富士の峯」が遠望できた山頂に集結した。

<以下、敬称略>

(シニア―・コース) 36/遠藤、中司、高橋、吉牟田、38/町井、39/蔦谷、41/相川、47/伊川、平井、田端  <10名>

(金毘羅台コース) 39/岡沢、40/藍原、41/久米(和)、43/猪俣、44/安田、46/村上、47/水町、関谷、48/佐藤、福良、51/斎藤、中里、BWV/大場  <13名>

金毘羅台コースは登山者も少なく、ポカポカ陽気の中、汗をかきながら、マスクを外せる開放感に浸りながら、和気あいあいとダベリング(死語?)しながらの登りだった。 <登り:2時間>

下りは、稲荷山コースから、途中で6号路の琵琶滝コースに入り、下山。稲荷山コースは一部整備工事中で閉鎖されていることもあり、このコースを利用する登山者も少なく、快調な下山だった。 <下り: 1.5時間>

高尾駅近くの「テング飯店」での反省・懇親会に21名が参加。当会の新年会も兼ね、一角では、WBCに始まりラグビー・トップリーグ、話題のテレビドラマ、更には大相撲からキャバクラ、キャバレー、ナイトクラブの違いはとの取り留めのない話題で大いに盛り上がった。  そう云えば、皆、未だ「コロナ禍」の渦中にあるのを失念! 反省、反省!

(久米)天気にも恵まれ,薬王院にて今年一年の家内安全と共に健康に過ごせることを祈念することも叶い、真白き富士の山嶺を眺めることもできました。
おまけに天狗でも久しぶりにビールのおいしさを味わい幸せな一日を過ごすことができました。
お世話役の皆様に感謝の気持ちで一杯です。沢山の写真もありがとうございます。次の機会を楽しみにしております。

(藍原)最近めっきり体力が衰え、登れるか危惧しておりましたが、皆さまが私のペースに合わせてくださったので、辛うじて登ることができました。もう少し余裕を持って登れるよう、体力の回復に努めようと思います。

(斎藤)昨日はお疲れさまでした。天候に恵まれ暖かい一日で良かったですね。

(編集子)いつもどおり頂上へのエスケープルートで坊の裏へ回ったおり、今まであることは知っていたが入ったことのない、洞穴にまつられた弁天様に参拝。こういう自然と合体している信仰を見るたびに日本人の宗教観というのか感覚が好もしく思えてくるから不思議だ。

 

エーガ愛好会 (200) 怒りの荒野   (34 小泉幾多郎)

「怒りの荒野 1967」はジュリア―ノ・ジェンマ主演のマカロニウエスタン。監督が「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」でセルジオ・レオーネの助監督を務めたトニーノ・ヴァレリ。音楽が「世界残酷物語」の主題歌モアでアカデミー賞ノミネート等イタリア映以外でも各種賞を受賞しているリズ・オラトラーニ。主人公ジェンマ(スコット・マリー)に対決するのが、リー・ヴァン・クリーフ(フランク・タルビー)。「真昼の決闘」以降本場の西部劇では悪役専門のちょい役だったが、マカロニウエスタンに出演と共に、主演級に昇格し、特にこの映画では、ジェンマが師と仰ぐ射撃の名手に扮し、その渋い眼力と表情が素晴らしい。
父親がはっきりしない娼婦から生まれたジェンマは糞尿処理しかさせてもらえない最低辺の若者が、ガンマンのクリーフに出会うことから、クリーフを師匠として仰ぎ、ガンマンとして成長して行く姿を描く。婚外子として生まれたジェンマが、クリーフを父性への思慕と感じたのかも知れない。その若者が、疑似親子的関係が骨子となり、それに加えて、クリーフから「ガンマン心得10ヶ条」が提供され、それが能書きでない、生き様の掟として画面が進んで行き、最後に至り、ジェンマがそれを実践することにより終焉となるのだった。

その10ヶ条とは、 1.人に頼み事はするな。2.誰のことも信用するな。3.銃と的の間に立つな。4.殴られるのも弾と同じ、一発食ったら最後だ。5.撃つなら必ず殺せ、自分が殺される。6.撃つタイミングを逃すな。7.縄をほどくなら銃を取り上げろ。8.必要以上に弾を渡さぬこと。9.挑戦を受けない奴はその時点で負けだ。10.殺すと言ったら、後へは引くな。

この10ヶ条に基ずきながら、ジェンマは成長して行くのだが、その成長度は早過ぎる感もあるが、力を持つと人間関係は一変する。片やクリーフの方は、過去仲間だった銀行頭取、酒場経営者、牧場経営者等に復讐し、このまま進めば善玉で終わりそうだが、悪玉は悪玉。ジェンマはクリーフに会う前からいろいろ面倒をみてもらっていた元保安官ウオルター・リラ(マーフ・アラン・ショート)とクリーフのどちらにも恩を感じ、身動きが取れなくなるが、クリーフの暴力的やり方、街を自分のものにしようとすることに加え、新保安官となったリラがクリーフに撃たれたことが引き金となり、決闘でジェンマがクリーフを倒す。しかも瀕死のクリーフをガンマン心得第5条通り、とどめをさすのだった。決闘シーン中、勇壮なリズムが躍動し、エレキギターが哀愁の調べを奏でるとトランペットが高らかに吹き鳴らされる。ジェンマは街のために何かしてやろうなんて考え方は毛頭なく、その帰属意識のなさはマカロニウエスタン主人公の素養として必須。また珍しいのは、ジェンマが判事の娘アンナ・オルソ(アイリーン)と恋仲でありながら、全然進展せずに終わってしまったこと。

結論的には、クリーフの超絶なる個性の存在が、ジェンマという華やかさが程良く抑制された駆け出しガンマンの成長過程が描かれ、またガンマン十戒が実践されながらの銃撃戦の数々を経ながら、師匠と弟子のクライマックスへの対決の構成が巧みに描かれ楽しむことが出来た。

(編集子)エーガ愛好会投稿第200号はドクター西部劇で決まった。この企画、第一号は2020年5月15日、小生の ”赤い河を巡って” である。

エーガ愛好会 (1) “赤い河” をめぐって

事の始まりは月いち高尾の帰途、川名君との会話から始まった、”エーガ” 談義である。たまたまこの記事が小泉さんの目に留まり、お互い,懐かしいエーガ(どうも映画、という気がしない)の時代の話を始めた。小泉さんとは小生にとっては鬼の3年生、現役時代、ワンデルングで何回もご一緒しているのだが、エーガファンであることは全く知らなかった。

以下、区切り区切りの投稿は

第5号  めまい (安田)

第10号 懐かしきオールド西部劇(小泉)

第50号 夕陽のガンマン (小泉)

第100号 100号回顧 (中司)

第150号 ペンタゴンペーパーズ (安田)

新メンバーも加わり、今後一層の賑わいが楽しみだ。250号は誰になるか?

エーガ愛好会 (199)  遠い太鼓(34 小泉幾多郎)

ラオール・ウオルシュ監督、ゲーリー・クーパー主演の西部劇と来れば、面白いことこの上なしと言いたいところだが、それ程には感動しなかった。先ず舞台がフロリダとなると西部のカラッとしたドライな雰囲気とは正反対のじめじめした湿気と水の多いエキゾチックな変った雰囲気の歴史的戦争映画と言っても良いのかも知れない。

スーパーヒーローのクーパーともなれば、20本を超える西部劇に出演しているが、この映画や「北西騎馬警官隊1940」「征服されざる人々1947」といった西部劇らしからぬ西部劇もある。フロリダ州エバーグレーズ国立公園で美しきロケ撮影が行われ、スペイン統治の17世紀建立の米国本土最古の石造要塞サンマルコス砦も含めフロリダの景観が映し出される。

1840年フロリダ地方はアメリカがセミノールインディアンと7年間苦闘を続けていた。フロリダ地域の防備に当たっていたテイラー将軍(ロバート・バラット)はクインシー・ワイアット大尉(ゲーリー・クーパー)のもとへリチャード・タフト中尉(リチャード・ウエッブ)と偵察兵モンク(アーサー・ハニカット)を送り出す。ワイアットは味方のインディアンのクリーク族の酋長の娘と一緒になり子供をもうけるものの、白人に妻を殺されるという過去を持つ。40人の部下と共に、任務のセミノールを襲い、砦を破壊することに成功し、捕虜になっていたジュディ(マリ・アルドン)等男女を救った。その後はその一隊のセミノールからの逃避行が、沼地の中を鰐や蛇等が暴れ回る中続く。最後は、セミノールの酋長とワイアットの水中でのナイフでの決闘で決着。セミノール族は退散、ワイアットとジュディは結ばれ、エキゾチックな西部劇は終演。

フロリダ地方の湿地地帯の美しきロケ撮影や水中カメラ使用による決闘場面の迫力ある撮影は良かったものの何となくてんこ盛りで全体的に時代の緩さを感じるのだった。また特記すべきは、兵士が鰐に襲われ水中に引きずり込まれるシーンでの叫び声が音響素材として使われた最初のものと言われている。その後、音響デザイナーのベン・バートが「フェザー河の襲撃1953」で使われた矢で射られたウイリアム二等兵の声にちなみ、その声を「ウイルヘルムの叫び」と名付け、その後の映画やTVに音響素材として利用されたとのこと。

(保屋野)小泉さんの完璧なコメントに付け加えるところはないのですが、一言
感想を記します。
舞台がフロリダで、小泉さんの云われるように西部劇らしからぬ西部劇モドキ映画でした。(インディアンは出てきましたが)ストーリーもただインディアンから逃げるだけの単調な「逃避行」、G・クーパーが主演にしては期待外れのエーガでした。
大昔観て面白かった記憶があったので期待して観たのですが、どうも別のエーガだったようです。

(グーグルから転載)この映画は、ある“音”で映画ファンに愛され、親しまれています。それは兵士がワニに襲われて叫ぶ声。効果を高めるためにアフレコで製作された音なのですが、この作品以降、ほかの映画でも同じ声が使われているんです。「スター・ウォーズ」(1977)で、ダース・ベイダーの深い呼吸やライトセーバーなど、さまざまな音を製作した音響デザイナーのベン・バートは、西部劇「フェザー河の襲撃」(1953)でも使われたこの声を“ウィルヘルムの叫び”と名付け、「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」のシリーズに使用。さらに、ほかの音響デザイナーにも広まり、「バットマン リターンズ」(1992)や「キル・ビル」(2003)など、400本以上の映画やアニメ、そしてテレビゲームでも、主に男性のキャラクターが吹き飛ばされたり、倒されたりする場面であえて、この叫び声をリスペクトをこめて使っているということです。映画史上の名作。“音”にもご注目ください。