やっと秋らしくなった―ピカソ美術館を巡って  (普通部OB 舩津於菟彦)

あれはバルセロナオリンピックの前年にスペインを訪ね、町をそぞろ歩きバルセロナの場末のピカソ美術館を訪ねた。泥棒横丁と言われるぐらいやや物騒な通りだが、少年時代から青の時代頃までの初期の作品がここでしか観られないのだ。

ピカソ美術館 (カタルーニャ語: Museu Picasso) は、スペイン・バルセロナのゴシック地区にある。パブロ・ピカソの友人で秘書を務めたジャウメ・サバルテスの個人コレクションとバルセロナ市所蔵のピカソ作品を基礎に1963年に開館、のちに画家本人やその家族・友人からの寄贈を受け、さらにコレクションを拡大し、ピカソの幼少期から「青の時代」の作品群、ディエゴ・ベラスケスの名作「ラス・メニーナス」を題材とした連作などがある。

ピカソ美術館 (ピカソびじゅつかん、仏:Musée Picasso) は、フランスの首都・パリの3区にある美術館。パリ国立ピカソ美術館 (Musée National Picasso, Paris) ともいう。その名のとおり画家パブロ・ピカソの作品を収蔵・展示している国立美術館で、パリ3区の南部に位置している。その収蔵品は、ピカソの遺族が相続税として物納した作品が中心となっており、1973年に死去したピカソが最後まで手元に留めていた貴重なものが多い 。「青の時代」と呼ばれている初期の代表作『自画像』をはじめとして、『籐椅子のある静物』、『肘掛け椅子に座るオルガの肖像』、『浜辺を駆ける二人の女 (駆けっこ)』、『牧神パンの笛』、『ドラ・マールの肖像』、『接吻』などを収蔵している。

このほかにも世界には数多くのピカソ美術館がある。地名だけ上げると、
(ルツェルン) – スイス、(オルタ・デ・サン・ジョアン) – スペイン、
(ゴソル) – スペイン、ゴソル (カタルーニャ州) (バルセロナ) – スペイン、バルセロナ、 (ブイトラゴ・デ・ ロソヤ) – スペイン、ブイトラゴ・デ・ ロソヤ館 (マラガ) – スペイン、マラガ、(ミュンスター)- ドイツ、ミュンスター、(アンティーブ) – フランス、 (パリ) – フランス、 (ヴァロリス) – フランス、ヴァロリス。

そしてあの有名な「ゲルニカ」はスペイン・プラド美術館の特設館で厳重に保管されているのを厚いガラス越しで観た。今はマドリード市内、国立ソフィア王妃芸術センターに展示されている。スペインの内戦後も国内ではテロが続いたが、1975年11月20日にフランコが死去したあと、アメリカの近代美術館で保管されていたものが1981年、スペインへの返還が実現した。

この偉大な絵描き「ピカソ」の未だ日本に未公開の絵が何と独逸からやって来ている。多分混雑しているだろうと午後3時頃訪ねたら空いていて、独り占めで暫く絵を観て居られる境地を得られた。そしてピカソ以外に大好きな「パウル・クレー」がそして「アンリー・マティス」今にも折れそうな「アルベルト・ジャコメッティ」の彫刻なども堪能できる。ピカソだけかと思い出掛けたら、パウル・クレーの作品が沢山展示されていてこれだけでも一つの展示会が出来るぐらいである。ベルリン国立美術館群のひとつであるベルクグリューン美術館の改修に伴い、比類のないコレクションにより、20世紀美術の精髄を初めて主要作品がまとまった形で国外に貸し出される本展は、貴重な展示の機会。まだ見たことのないピカソ、35点が日本初公開。コレクションから精選した97点の作品に、日本の国立美術館の所蔵・寄託作品11点を加えた合計108点で構成、97点のうち76点が日本初公開である。