アンナプルナ遠望   (42 河瀬斌)

(編集子)山岳展望の放映をきっかけにここ数日、KWV仲間ではその話題が集中している。現地を歩いてきたドクターからの情報である。36年卒の仲間でエヴェレスト展望へ出かけてすでに四半世紀!

アンナプルナは我々が真近に見ることのできる唯一のヒマラヤ8000m峰ですね。2012年2月にインドで頼まれたライブの脳腫瘍手術と講演の後、家内とネパールのポカラに寄りました。アンナプルナはポカラの町からも見えますが、郊外のダンプスという丘へ金色に輝くアンナプルナの夜明けを見に行きました。地元で神の峰と言われる鋭鋒マチャプチャレも素晴らしい。カトマンズからポカラへ行くフライトは、少々危ないのですが、素晴らしいヒマラヤ観光ができます。ただし帰りの便に乗れるか保証はありません。

(安田)河瀬さんの素晴らしいアンナプルナ実撮の写真が届きました。ありがとうございます。実物を見た人でなければ感じ得ない臨場感の迫力があるのでしょうね。

(菅原)

山と言えば、青山、代官山、大岡山などにしか登ったことのない小生が、アンナ・プルナと言う名前を聞くと青春時代が蘇る。

1950年に、フランス隊が8000m級の初登頂を果たし、その経緯を隊長のM.エルゾーグが「処女峰アンナ・プルナ・・・」として出版した本が、1953年、近藤等の翻訳で白水社から出され、これを何故か小生貪り読んだ(小生の普通部時代)。今にして思えば、次から次に降りかかる危難を不屈の闘志で掻いくぐって行くところが、冒険小説が好きだった小生の嗜好にピタリとはまったからではなかったか。下山の際の悲劇、登頂したエルゾ-グ、ルイ・ラシュナルが凍傷で、足指20本、手指10本を失ったと言うからその下山は、常人には想像も出来ない凄まじいものだったのだろう。

アンナ・プルナとは「豊穣の女神」と言う意味だそうだが、写真を見ても悪さをする山とは思えない。しかし、ネットを見たら、2012年3月時点で、登頂者191人に対し、死者61人と言うから誠にオソロシイ女神だ。写真を見ているだけで充分に満足。