コロナは終息したのか?   (34 船曳孝彦)

新型コロナの感染者数が毎日発表され、先週と比べどの位少なくなったと報道されています。私には信じられないことですが、TVに登場する医師たちも含めて、感染者数の信憑性についてのコメントはありません。もちろん彼らも届け出ない、報告されない、ないしは検査すらしていない患者を含めると、この発表数よりはるかに多い感染者数であることは分かっているのに批判もしないでいるのは何故なのでしょう。後追いのコロナ終息宣言のための地ならしに加担しているとしか思えません。

では、本当はどうなのでしょう。減っているのでしょうか。発表数の減り方から見て、多分減ってはいると思いますが、言いきれません。何故なら死亡者数がどんどん増えていることを解析する必要があるからです。悪性度が高まっておらず致死率に変化がないとすれば、患者絶対数が増えれば、分子となる死亡者数が増えます。ただここで分母の感染者数のデータがないのです。国の威信を賭けて、なるべく近い推計値を算出すべきですが、サボっています。実は死亡数は急増しているのです。岸田政権になって丁度1年4か月。一昨年10月に死亡累計数は1万8千人だったものが、昨日は7万1千人と3.9倍に増えています。今の政府が死亡に直結する政策を採っているとは言いませんし、この増加を説明せよとは申しませんが、首相は少なくとも死亡者数増加に一言も触れておりません。死亡者の大部分が高齢者・ハイリスク患者です。ここでも先日述べました高齢者に冷たい根本姿勢があると思われます。

感染症分類5類への移行、イベント規制の解除、飲酒会食開放、そして海外からの入国推進など、コロナ卒業へと世の中は進んでいます。このムードに乗って終息宣言をしたいと、それだけしか考えていないのではないでしょうか。

後追いで収束(終息でなく)に向かうことは、もはや規定事実化しており、反対はしませんが、政府としては今やらねばならないことが山積しています。

①患者数の推計上の把握

②海外からの流入も含めて新変異株の動向(ゲノム分析まで)

③ワクチン開発

④第9波となった時の対策

⑤今後のワクチン接種方針

など、“先進7か国”などというには、欠かせないことだらけです。この時期にこそ官民の壁、省庁間の壁を排除し、知識、技術、データを一本化し、世界に示せるようにせねばなりません。

今後のワクチンの打ち方は年1回定時にという案が米FDAから提案されましたが、日本として専門家が検討したうえで方針化すべきです。そしてファイザーなどに馬鹿にされないよう新ワクチンを自国開発すべきで、国がそれを保護育成すべきです。新変異株に対応する新ワクチンを開発するのです。変異株が外れても開発費を保障する(大流行しなかった分良かったと考える)こともいいでしょう。今はむしろチャンス到来なのです。週刊誌ではネガティブキャンペーンすら始まっていますが、いわゆる5回目の2価ワクチンは有効です。2価のうちのオミクロン株からXBBなどBA系をターゲットとして新ワクチンを作るのです。応用可能なmRNAワクチンなので今からでも間に合います。ワクチン作成への流れを始動しておくべきです。さらに世界では、先進的にもっと違った次世代ワクチン開発(黒木)も始まっています。軍事予算のことを考える前にすべきことだと思います。 5類に移行すれば、患者としての受診が難しくなるなど、新たな問題が出てくることも予想されます。

すでにコロナ規制は社会的に崩れてしまっているとも言えますが、リスクを抱える人は慎重に行動してください。総感染者数累計は3,300万人です。ヴィルス自体は蔓延しています。人込みを避け、避けられないとき(電車など交通機関、デパート・スーパー、イベント等)は必ずマスクをしてください。皆さんもうこの3年ですっかり身についた処し方を変える必要はありません。

清浄な空気のもとで、仕事上を含めて、友人・知人と、直接逢って会話、飲食をし、交流を深めて人生を楽しみましょう。そうですコロナ前のような生活に段々と戻して行きましょう。